第77回:3150系

 登場間もないころの3150系。前面の赤帯が細くなっています。
名古屋本線奥田〜大里間。 2006(平成18)年2月11日撮影。

 2004(平成16)年に登場した、ク3150(Tc)−モ3250(Mc)の2両編成からなる通勤用車両です(同時に登場した4両編成は3代目3300系)。名古屋市営地下鉄上飯田線乗り入れ用の300系(第72回)に続くステンレス製車両で、名鉄本線系車両としては、3300系ともども初めてになります。
 車体はブロック構体で前頭部のみ鋼製でシルバーメタリック塗装、正面は左右非対称で、プラグドアの貫通扉が設けられました。前照灯はHIDランプを採用しています。客室は側面鋼体を5o薄くし、天井を35o高くすることで拡大、1次車は片持ち式のロングシートと転換クロスシートを交互に配置する座席配置(*1)でラッシュ輸送にも対応しています。また、UVカットガラスの採用によって日よけカーテンを廃止しています。
 制御方式は2000系・2200系(第74回)と共通で、MAP-174-15V130、IGBTのVVVFデュアルモードインバータ1C-2M×2群制御、電動機は170kwのTDK6382Bです。ブレーキは電気指令式電空併用ブレーキで、停止まで電気ブレーキを作動させる純電気ブレーキとなっています。また、電気式戸閉め器も採用されました。
 乗務員・検修支援のため、TICS(Train Information Control System)を搭載、3500系(第17回)などTICS非搭載の系列との併結もあるため、TICSの読み替え装置も設けられています。種別・行先表示は反射型液晶式となり(2次車まで)、扉開閉チャイムやLED式車内案内装置、転落防止柵も設置されています。空調装置は、名鉄初の集中型で、40000kcal/hのRPU-11020 を各車一基ずつ搭載しています。2017(平成29)年までに22編成44両が製造され、本線系の路線で広く使用されています。

(*1)1次車は扉を境に転換クロスシートとロングシートを交互に配置:転換クロス・扉・ロング・扉・転換クロス・扉・ロング。なお、2次車以降は、オールロングシートに変更されました。

 2015(平成27)年に増備された5次車(3167F)以降は、正面の塗り分けとスカートが変更されています。側面上部にもスカーレット色の帯が入りました。1〜4次車も順次この塗装に変更されています。画像は7次車の3171Fです。
 名古屋本線奥田〜大里間。 2021(令和3)年1月4日撮影。

3150系の略歴

2004(平成16)年…10月、1次車(3151F〜3154F)の4編成8両を日本車両で製造。1次車のみセミクロスシート。

2007(平成19)年…4月、2次車(3155F〜3159F)の5編成10両を日本車両で製造。2次車からオールロングシート車となる。火災対策(*2)として天井のFPR製部材をアルミ製に、EB装置(運転士異常時列車停止装置)や防護無線の自動給電装置も装備(*3)。車いすスペースの折り畳み座席はひじ掛け付に変更。種別・行先表示もコントラストを強化した改良型になる。

2008(平成20)年…6月、(3160F〜3163)Fの4編成8両を日本車両で製造。車いすスペースの折り畳み座席を廃止してフリースペース化。種別・行先表示は、LEDに変更。(反射型液晶式表示器の製造中止のため) 同年12月、4次車(3164F〜3166F)の3編成6両を日本車両で製造。バリアフリー対策で扉付近の床敷物を黄色とする。

2015(平成27)年…4〜5月にかけて、5次車(3167F〜3168F)の2編成4両を日本車両で製造。塗装が変更されて、スカーレット色の部分が多くなる。側面窓上にもスカーレット帯追加。スカートの形状も変更される。台車もボルスタつきに変更。塗装は1〜4次車も順次変更される。

2016(平成28)年…4月、6次車(3169F)の1編成2両を日本車両で製造。仕様は5次車とほぼ同じ。

2017(平成29)年…4月、7次車(3170F〜3172F)の3編成6両を日本車両で製造。客室・運転室灯を蛍光灯からLEDに変更。

参考文献
このページの作製にあたって、以下の文献を参考にさせていただきました。
『鉄道ピクトリアル』2009年3月臨時増刊号(特集:名古屋鉄道)鉄道図書刊行会
『名古屋鉄道車輌史』下巻 清水武・田中義人著 アルファベータブックス

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