第28回:3850系

 晩年の3850系は車体更新や高運転台化などによって、製造時のスタイルが崩れてしまっているのが残念でした。 名古屋本線知立駅。 1985(昭和60)年6月撮影。
 

 戦後初の特急用車輌として、1951(昭和26)年に日本車輌・帝国車輌で2輌編成10本が製造された系列で、室内はボックスシートながらオールクロスシート、塗装に赤クリーム+チョコレートのツートンカラーを初採用して登場しました。当初の計画では、カルダン駆動も視野に入れていたそうですが、残念ながら実現はしていません。3400系や3900系などとともに本線の特急・急行用として活躍、5000系やパノラマカー登場後も支線の特急などに使用されていました。
 事故復旧や車体更新のために晩年は全車原型をとどめていませんでしたが、最終期まで支線直通急行に活躍する姿が見られました。廃車後に機器類を再利用して、2代目3300系や瀬戸線用の6650(6750)系が製造されています。
 モ3851は、1952(昭和27)年に三菱製直角カルダン駆動の試験車となったことがあります。

 名車3400系と並んだク2857。事故復旧のため、3700系(2代目)そっくりの車体に更新された異色車でした。 名古屋本線須ヶ口駅。 1986(昭和61)年7月12日撮影。

3850系の略歴
1951(昭和26)年…モ3850形10輌を日本車輌で、ク2850形10輌を帝国車両で製造。

1952(昭和27)年…12月、モ3851を用いて直角カルダン駆動の試験を実施。台車は住友製FS-201、電動機は三菱製MB3002-A(110kw)。

1960(昭和35)年…踏切事故のため、3857Fおよびモ3859の3輌は、3700系(2代目)類似の車体を新製の上、載せ替え。この時扉付近の座席をロングシート化する。

1961(昭和36)年…3851〜3856F・3858F・3860Fについても順次扉付近をロングシート化する。

1966(昭和41)年…この年から1970(昭和45)年にかけて重整備工事を行う。ウインドシルの撤去(Mc車はヘッダーも撤去)や、高運転台化を実施(1960年に車体を更新した3輌を除く)。

1986(昭和61)年…12月、3853F廃車。機器類は翌年登場の3300系(2代目)に流用。

1989(平成元)年…残りの9編成も全て廃車。機器類は翌年登場の6750系に流用。

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参考文献
このページの作製にあたって、以下の文献を参考にさせていただきました。

『名鉄』 白井昭・白井良和・井上広和共著 保育社(1981年初版発行)
『名鉄』 白井良和・諸河久共著 保育社(1989年初版発行)
『まるごと名鉄ぶらり沿線の旅』 徳田耕一著 七賢出版(1995年初版発行)
『鉄道ピクトリアル』1996年7月臨時増刊号 (特集:名古屋鉄道) 鉄道図書刊行会
『鉄道ピクトリアル』2003年1月号 鉄道図書刊行会
『私鉄電車ガイドブック4』 東京工業大学鉄道研究部編 誠文堂新光社
『名古屋鉄道』(復刻版私鉄の車両11) 飯島巌・白井良和・井上広和共著 ネコ・パブリッシング(1985年に保育社より初版発行。2002年復刻)