第10回:デキ600形

 戦時中の1943(昭和18)年に製造された、私鉄向けの東芝製40t電気機関車。日本各地に姉妹機が多く見られます。603.604の2輌は元々海南島の日本窒素向けに製造されたものですが、戦争の激化で輸送不能となったため、名鉄に転用されたという異色の経歴を持っています。登場直後は、電装解除された電車の牽引にも使用されましたが、戦後は三河線を中心に各線で貨物用・事業用として活躍してきました。出力は110kw×4で、EL120形登場まで名鉄の電気機関車(名鉄では「電関」と称するようです)で最大を誇っていました。

黒色に黄色の警戒色時代のデキ600形。新川工場(現 新川検車場)。1985(昭和60)年10月10日撮影。


車体更新、塗装変更を行った現在のデキ600形。 これは「北アルプス」用キハ8500系を会津鉄道へ送り出す時のひとこまです。 須ヶ口駅。 2001(平成13)年12月22日撮影。

デキ600形の略歴
1943(昭和18)年…東芝で製造。603.604の2輌は海南島の日本窒素向けに製造されたが、戦争の激化により輸送できず、名鉄が購入。戦時中及び敗戦直後は、未電装の電車を牽引して旅客列車にも活躍。その後は主に三河線で貨物列車に使用。
1984(昭和59)年…名鉄の貨物列車全廃。以後工事・事業用となる。
1992(平成 4)年…車体更新実施。塗装も青に黄帯に変更。
2015(平成27)年…EL120形電気機関車の登場により、4両とも7月21日付で廃車。形式消滅。


参考文献
このページの作製にあたって、以下の文献を参考にさせていただきました。

『名鉄』 白井昭・白井良和・井上広和共著 保育社(1981年初版発行)

『名鉄』 白井良和・諸河久共著 保育社(1989年初版発行)
『鉄道ピクトリアル』1996年7月臨時増刊号 2006年1月臨時増刊号 2009年3月臨時増刊号(いずれも特集:名古屋鉄道) 鉄道図書刊行会
『まるごと名鉄ぶらり沿線の旅』 徳田耕一著 七賢出版(1995年初版発行)
『まるごと名鉄ぶらり沿線の旅 ver.2』 徳田耕一著 七賢出版(1998年初版発行)
『まるごと名鉄ぶらり沿線の旅ver.3DX』 徳田耕一編著 七賢出版(2002年初版発行)
『名古屋鉄道』(復刻版私鉄の車両11) 飯島巌・白井良和・井上広和共著 ネコ・パブリッシング(1985年に保育社より初版発行。2002年復刻)
『私鉄電車のアルバム 別冊B 機関車/ナローゲージの車輌』 慶應義塾大学鉄道研究会編 交友社

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