よく身につく…タイ語⇔日本語テキスト
先日、初めての海外旅行に出かけた職場の人から、
「とりあえず見てみて」と何やらおかしな本を渡された。
どうやら、日タイの会話テキストのようである。
タイトル部分に監修?「T.KIKUCHI」と記載あり…。
開いてみると…!そこはユートピアだった!
話の流れは一応あるようで、「チャド」だか「チャタ」とかいう
タイ人が、日本の「茂吉」宅へホームステイをする。
(その名は、それっきり出てこず…)
朝になったら朝ごはんを食べる。
その際にチャタは、「わたしは、朝にパンとバタを食べます」と
自らの嗜好を主張。
通常、会話集というのは、1シーンにつき、ロールプレイングは
1回きりのはずだが、次の日の朝も、「パンとヂャムをたべます」と
再度主張。昨日は朝ご飯に、パンが出てこなかったのか…。
少し頁をすすめると、どうやら茂吉とチャタは買い物に出かけた様子。
まだ値段も確認してないのに、そして日本にディスカウントの
習慣はないのに、「少しもけてください」と粘るチャタ。
カタコトの店員が、「はい、何が ほしですか?」と問うと、
「女のヘンカチと きねと ぬのきれありますか?」
しょっぱなとんちんかんな事を言い出すチャタに、店員も負けては
いられないと、
「はぃ、あります。どうぞ こさらです。」
その後、「わたしは、3時間さんぽにいきます」と長い散歩宣言を
したのち、「17時25分にごはんを食べます」と夕食の時間を
事細かに指定。
そしてそれは、「ごはんは、19時です」という一言であえなく却下される。
ちょっと踏み込んだ会話に入る。
「どして あなたは そこに しごと もせんですか?」
仕事もしないで、そんなところで何をやっているのかと。
ホームステイしにきたのに、ニートの家主の説教に入ります。
しかし、自分がニートであることを認めない茂吉。
「これは よいしごとです」
しごとに、よいもわるいもあったものではないと思うが、
ひとまずごまかしてみる。
「さあ あなたは よいひと です」
そうです、職がなくたって、よいひとはいくらでもいるのです。

「あなたの 品物は 何ですか?」
そして今更、「あなたは 茂作さん ですか?」といった、
突然今までのやりとりを全て水に流すような質問をたたみかけるように
したあとに、「どれが 川崎さん ですか?」と、ちょっと
無礼な感じで川崎さんを探すチャタ。
それにイラっとしたのだろうか、第三者が突然、
「このおとこは 作崎さんです」
川崎さんだっつってんのに、突然作崎さんを紹介され、
チャタは面食らい、「これは あなたの…」と、川崎さんのことなど
忘れてしまった様子。
さて、また恒例の飯の話に戻り、20バーツ(60円くらい)の
タイ料理
を食べることとなったようす。
「はい、私の タイ料理が高いません」と、自国の飯代の安さを
ひけらかす。あれ…チャタが日本にきてたんじゃなかったけ?
そんな感じでなごやかに食事は進んでいたのに、おもむろに
何時かと聞かれ、答える間もあたえず
「帰りなさい」
いやっ、でもっ、そんななんで突然キレるの…?
多重人格?ただならぬ精神状態であることは確かだ…

しまいには、奥さんの来客について根掘り葉掘り聞き始める。
ひとしきり家をほめたのち、さりげなく奥さんにお客が
いるかどうか探り出す。
家主が 「はい、ぞうです」 たたみのうえの人はおきゃくだ、
と答えるやいなや、
「ぞの 人は きれいですか?」
と、突然不躾な質問を投げかける。
絶対にエッチなことを考えているにちがいないのに、茂吉も
それは同じなのか、「ぞうです」と強くうなずく。
こいつらは一体なんなんだ…意思の疎通はできているのか?
チャタが日本にきた意味はあったのか?
食事とたたみの上のきゃくと、ぬのきれ以外に何か得たものはあったのだろうか?
にしても、ここまで見事に一文一文様子のおかしい文章がならぶ本も見たことがない。
うれしくて、人にみせまくって、おんなじ頁を見直して約4日は爆笑して過ごせた。
わたし、こういうものに出会うために、中国や東南アジアを旅していたんじゃなかったのか!と改めて思いおこされた。
しかし、少なくとも数人はいるであろう、このテキストで日本語をまじめに勉強するタイ人の懸命さへの責任は、
一体誰がとるんだろうか…?
T.KIKUCHI…?タケオ・キクチ…?
はい、ぞうです。
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