勇気づけられる本
私は3年後に論文博士になろうと考え、本書を手にした。日本の大学での取得を目指しているが日本版がないのでイギリス版を手にした。しかし、これがよかった。「ちょっぴりの独創性とちょっぴりの(学問的)貢献」が大切とのこと、ちょっと気が楽になった。また、博士論文はいくつかの論文の集大成との発想が紹介してあり、1年3本ペースで行けばいいなあなどと考えた。また、「苦しい研究生活を継続するのに必要な『精神安定剤』的な遊興費もほどほどには必要なものであります。」(p94)との一文は妻に読ませてやりたかった。全般に読者を勇気づけてくれる良書である。
この本を読んだら、次はネタ本をぜひ読もう
本書は、PhDを取得しようとする学生とその指導教授のために書かれた英語版ハンドブックを主に要約したものであり、それに著者の個人的な経験と助言を添えたものである。本書の意義は本来、もとになった本、つまり、Estelle PhillipsとDerek PughのHow to get a PhDを紹介することにあるとも言える。PhillipsとPughのアドバイスは、学生と指導教授の両面からの視点を与えてくれるという点で非常にプラクティカル且つ有益なものである。実際、私もスランプのときに偶然ロンドンの書店で見かけたこの本に随分精神的にも支えられた。しかしながら、この日本版PhDマニュアルを読むにあたって注意すべき点がいくつか有る。まず第一に、本書は英国の大学におけるPhD取得のためのマニュアルであるということ。(米国の場合は、吉原真理さんの本を参照のこと)。第二に、この本が伝えているのは前掲書のほんの要約に過ぎず、真に有益な情報はほとんど省略されているということ。(つまり、本気でやる気ならHow to get a PhDをちゃんと読むべしということ)。第三に、榊原氏の研究環境が特殊だということ。(経済学専攻であり、取得までの8年の間、教職に従事しながらほとんどパートタイム学生として博士論文を仕上げた)。 あきらめないこと、それが肝心とどの著者も言う。言うは易し・・・である。これから渡英する人にそこだけはしっかりと伝えてほしいと思う。とにかくわれわれの授業料は英国人から見ても、まさにdaylight robberyだそうだから。(今年がいくら酉年でも、葱を背負って行きたくないものだ)。
貴重なのだが
イギリスの、それも博士号を取得のための本はほとんどなく、その 意味では貴重。しかし、他の人も書いているけど、体験談が少ない、 誤りが多い、参考となった洋書の紹介などに片寄っていて、おとなしい 印象しかない。 イギリスの大学院はアメリカと違い、経済的支援を得るのが難しいと されるが、それについてもほとんど触れられていない。また、博士号 をとるなら多くは大学への就職を前提にしていると思うが、この点で もどのように就職活動をするのか、その点にも触れて欲しかった。
なぜ海外で取得するのか?
日本の大学でとれば簡単だったのに。 指導教授と喧嘩でもしたの?
PhDに必要な才能とは「あきらめないことだけ」
イギリスのPhD(博士)課程について、出願のプロセスからPhD論文の書き方に至るまで、わかりやすく書いている貴重な本。原典の要約が抽象的すぎるので、著者自身の体験談をもっと入れるべきだったと思う。 PhDを目指す者として本書が論文に対する考え方や書き方について大変参考になったことは言うまでもないが、やはり一番強く印象に残ったのは、PhDを取得するための心構えについての著者の考えであった。 「「PhDの学位を取得するために必要な才能」というものが、もしあるとすれば、それは「あきらめないことだけ」です。」(130〜131頁) 経済的にもうこれ以上続けられなくなった、PhDをとる前に就職が決まった、情熱や自信を喪失した、などなど、途中でPhDを諦める理由は枚挙にいとまがない。経!済的理由は自分の意志によるものではないにせよ、どれも途中で諦めることの理由にはならないと著者は言い切る。実際に仕事を続けながらPhD課程に在籍し、かつ途中でPhDを断念しようと思った経験もある著者の主張であればこそ、その言い分にも重みが増してくると言えるだろう。
同文舘出版
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