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「超」リタイア術 (新潮文庫)
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| ジャンル: | 自己啓発,能力開発,意識改革,自己改革,学習
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| 人気ランキング: | 170384 位
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本のタイトルは無視しましょう
タイトルが「超リタイア術」となっており野口氏のノウハウ本を期待して買う人が多そうだが,買う前にちょっと注意.本書は超整理法のようなノウハウ本ではありません.老後や引退後の生活に関係するいくつかの事柄に関するエッセイです.超整理法シリーズや超勉強法のような良質なノウハウは書かれていません.
最初は江戸時代の人口構成や労働形態を元にした当時の庶民の暮らしの分析.分析というほど精密な内容ではないが面白く読めた.お次は「サザエさんの登場人物が年をとったら」という想定の下で将来の磯野・フグ田家の生活を推定し,近い未来の日本の惨状を描いている.ここも読み物としてはまあまあ.
後半は年金制度のダメっぷりを説明する内容.2007年以降本格的に騒がれるようになった問題(社保庁の問題)ではなく,もっと根本的な欠陥を説明している.年金問題をテレビや新聞で騒がれているレベルでしか知らない人にとっては,問題の核心は社保庁のていたらくではないことを意識するために読む価値のある内容だと思う.
高名な学者(=勝ち組)ゆえの不遜さ・世間知らずさ
『「超」整理法』シリーズの著者にして高名な経済学者によるリタイア後人生論。巻頭こそ「江戸時代の隠居事情」といったテーマに即した構成だが、全体的には年金制度の不合理を論じた一冊。著者の専攻である経済学やファイナンス論を絡めた多面的な議論が展開されていると思いきや、さに非ず。「公的年金は、個人でもできる老後生活準備に対する国のお節介」と言い切るほどの自信家だけあって、(著者自身のように)年金に頼らない独立した強者が増えるのが理想的だと結論付け、その方策として「サラリーマン法人化」を提唱している。
もっとも、公的年金制度に関する考察ははっきり言ってお粗末。「予定利率5.5%は計算ミス」と言うが、制度が創設された当時のレートを考えるとあながち的外れとは言えず、所詮は事後批判の域を出ない。また「老後準備など民間保険で十分」との批判にしても、民間保険市場では低所得者や高リスク者が排除されるという実態をどう見るのだろうか。「現代の日本人は、自分で老後貯蓄が出来ないほど愚かではない」と宣うが、合理的な人間が必ずしも合理的な投資行動が取れないことは、行動ファイナンス等の学問領域で既に実証済みでは。致命的なのは、著者は年金の「貯蓄機能」のみに着目し、「保険機能」を全く考慮していない点。高名な学者だからといって、その言を鵜呑みにしてはいけない。
結局は年金財政の話
が議論の大半となっている。
野口先生の他の著書でも書かれていた、「年金財政破綻の原因は、官僚の計算ミス」との説がかなり詳しく解説されている。
せまりくる、恐るべき高齢化。それを、「サザエさん」一家を例にとり、実際30年後の家族構成がどのようになるのか?というシュミレーションを行い、読者にわかりやすく「超高齢化社会の事実」を語りかけるのはなかなか秀逸。
いつもの通り、辛口の野口ワールドが展開される。
新潮社
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