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再開
西暦2017年8月27日 (日)

リビングのガラス戸を通して、コーヒーの香り漂うダイニング・キッチンのテーブルの上に、朝日が差し込んでいる。 銀色のマグカップと金色のビールの缶が、キラキラと輝きながら、テーブルの上に長い影を落している。 その缶ビールの脇には、銀白色に輝く十字型のペンダントが置かれている。

シンクの前では、この家の主が自動食器洗い機をセットしたところである。 彼は、まだプル・タブの引かれていない缶ビールをそのまま冷蔵庫に入れると、ペンダントをシャツの胸のポケットに丁寧に納めた。

彼の名は碇シンジと言う。 一年前のこの日、彼は最愛の妻・アスカを得た。 すなわち、この日が彼の最初の結婚記念日である。

シンジは、マグカップに二杯目のコーヒーを注ぐと、リビングへと運んでいく。 銀色に輝くマグカップの側面には、イチジクの半葉をデザインした真紅のロゴが見えている。

リビングのテーブルの上にはノート・パソコンが置かれている。 シンジは、その脇にコーヒーを置くと、パソコンの正面に座り込む。 既に電源の投入されているその画面には、「経過日誌」と題されたファイルが表示されている。 シンジは、一度深く息を吸い込むと、それを読み始めた───。

つづく