脾臓に穿破した症例
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ちょっと稀な症例です。

脾膿瘍は比較的稀な疾患だが,今回われわれは脾膿瘍を合併した大腸癌を経験したので報告する。 症例は00歳、男性である。平成000000日に左上腹部痛を伴う発熱が出現し、その後も40度前後の発熱が持続するため、0月0日入院となった。 入院時,貧血と左上腹部に圧痛を認めた。 検査成績では,白血球が軽度上昇、ヘモグロビン8.2と貧血がみられた。蛋白,アルブミンの低下と腎機能低下も認めた。 入院時のCTでは、脾臓の下極にLow Density Areaを認め,脾梗塞による脾膿瘍と診断された。抗生剤にて治療を行うも発熱が続き、2日後にはDICの状態に陥った。5日後のCTでは膿瘍の拡大がみられたため,CTガイド下に膿瘍を穿刺しドレナージをおこなった。ドレナージ後は全身状態の改善が見られた。 脾膿瘍の原因が脾梗塞と考えられたため血管撮影を行なったが、脾動脈の閉塞はみられず、脾梗塞ではなかった。 CTを再度見返すと膿瘍近傍の大腸の壁に肥厚があり、大腸ファイバーを施行した。すると脾結腸曲に内腔を占拠する腫瘍が認められ、生検では高分化型腺癌と診断された。内視鏡検査の際造影も行なったが,ほぼ完全に閉塞しており口側へバリウムの流入は見られなかった。腫瘍の位置がCTと一致しており、培養にて大腸菌、バクテロイデスが検出され,大腸癌の穿通による脾膿瘍と診断し,0000日に結腸部分切除、脾合併切除を施行した。 摘出標本をみると,腫瘍は全周性で内腔を占拠していた。脾臓は脾結腸曲部を中心に白色調を呈し、強固な癒着を認めた。 病理組織では、腫瘍は腺管構造を有する高分化型腺癌であった。脾臓に癌の浸潤はみられず,炎症が脾臓に波及している所見が得られた。以上より深達度はssだが、口側腸管の穿通により脾膿瘍を形成したと考えられた。

  まとめ、脾膿瘍は比較的稀であるが、特に大腸癌が原因と考えられる脾膿瘍はさらに稀で,本邦でも数例の報告をみるのみである。 脾膿瘍の原因として、他の感染巣からの血行性転移、外傷、脾梗塞、周囲臓器の炎症の波及等が考えられている。当初,脾梗塞によるものと考えたために治療が遅れたわけだが、原疾患が明瞭でない場合は腸管の穿通も鑑別疾患の1つとしてとらえる必要があると考えられた。

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