肝臓癌
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肝臓癌(原発性肝細胞癌) 

 病因としてはB型肝炎 C型肝炎 が多いようです。特に日本では現在C型肝炎由来の肝癌発生が70%以上です。(その他アルコール、アフラトキシン、経口避妊薬など。)肝細胞癌のうち80-90%に肝硬変、あるいはそれに近い病態が合併しております。要するに正常肝から肝細胞癌が発生することは稀とされ、肝細胞の壊死、再生といった早い細胞回転が癌の発生に密に関与しているようです。また肝硬変の方の1/4に肝癌が発生するといわれ、肝炎ウイルスを持つ人は定期的に検査をして肝癌の発生を早くキャッチすることが重要です。多くの疾患(癌)と同様に癌による症状があるような場合はかなり進行してしまっており治療法も限られてしまいます。定期検査では、AFP PIVKAUなどの腫瘍マーカーを測定、あるいは年に12回はエコー、CTなどを行い腫瘍が小さいうちに見つけるべきでしょう。

(診断)CTで腫瘍が描出されています。血管造影と併用し、門脈相で撮影するとよく写るようになります(CTAP).

血管造影:動脈相でよく染まり腫瘍血管が豊富です。

 治療法の選択に関しては色々の議論があると思いますが原則は手術です。

 手術、術式の選択はケースバイケースですが考え方の基本は、

1)肝硬変による肝予備能の低下を十分把握し、やりすぎないこと(切除量を多くしすぎないこと)。

2)腫瘍は早期に門脈内に進入して進展してくることから、可能な限り亜区域切除以上とすること。(これは肝臓の解剖が解らないとちょっと難しいですが、そこだけちょこっと切除すると周囲に残ってしまうことが多いので、ちゃんと解剖に従ってとりなさいということです。)

 肝硬変が高度で肝切除は無理といった場合。要は無理にとれば肝不全になってしまう場合ですが、このときはマイクロターデ、またはエタノール注入という手技が選択されます。マイクロターデは腫瘍に針を刺して電子レンジと同じように焼いてしまう治療です。十分やれば手術でいう核出、部分切除に匹敵する効果があり得ます。エタノール注入は腫瘍内に針さしてアルコールを注入し腫瘍を固定してしまう方法です。肝細胞癌は多くの場合周囲に被膜をもっているのこの被膜内だけで癌細胞を殺せるわけです。 お気づきのようにこれらの方法は針を使うのでおなかを開けずに済み、患者さんへの負担は小さくてすみます。これもできない場合、あるいは上記治療との併用療法として肝動脈塞栓術、肝動脈内抗がん剤注入術があります。肝細胞癌は90%が門脈でなく肝動脈支配であることより理論的には有効と思えるのですが、しかし単独ではなかなか十分な効果が上がらないようです。

術後CT:切除とマイクロターデを組み合わせて治療いたしました。

  初めに述べたように肝硬変が癌の発生母地になるので一度手術してもまた他のところから出てくるケースがかなり多いのです。これを多中心発生と呼びます。また肝硬変があると門脈圧亢進症とよぶ状態になり食道静脈瘤が発生してきます。この破裂は致死的状態になり得ます。さらに肝硬変自体の進行も命に係ります(肝不全)。このように複雑な背景があり、選択できる治療法によっても異なるので予後は一概には言えませんが大体5年生存率は40-0%くらいでしょうか。ただ肝動脈塞栓術、肝動脈内抗がん剤注入術だけだと10%くらいになってしまします。

  肝炎のある人は、インターフェロンによるウイルス除去の考慮は勿論、定期検査をしっかり行って早め早めに診断すること。またできるだけ肝炎状態を沈静化させておくことが重要かと思います。

(以上、私は専門肝臓外科医ではありませんが、極々一般的なことを述べてみました。

疑問点などございましたら、当方へのご連絡、または専門医へのご相談をお願いします)

ところで、HCCに対するインターフェロン併用抗がん剤肝動注療法につき大学から教わりましたので以下アップしました。

(プロトコール)

1週: INF-α 6Mu im/3times/w  CDDP10mg/1h i.a. /5times cont./w 5-FU 250mg/5h i.a./5times/w  アイソボリン50mg one shoot i.v./5times/w

第2週: INF-α 6Mu im/3times/w  CDDP7.5mg/1h i.a. /5times cont./w 5-FU 250mg/5h i.a./5times/w  アイソボリン50mg one shoot i.v./5times/w

1週: INF-α 6Mu im/3times/w  CDDP3.0mg/1h i.a. /5times cont./w 5-FU 250mg/5h i.a./5times/w  アイソボリン50mg one shoot i.v./5times/w

 『現在まで報告された効果』

HCC stage W-a or b 11症例  70%の奏功率 CR2例肝予備力がよいものに対する長期的再発防止。

 『適応』

1)根治的手術後の再発予防

  特に年齢が若く、肝自体が慢性肝炎レベル、ICGなどが良好で

2)硬度進行肝癌症例に対する手術を中心とした集学的治療

  門脈浸潤例や肝内多発例などにおいて術後の動注療法、インターフェロン療法によって予後の改善を目指す。

インターフェロン併用理由

 ウイルス量を減らして肝炎を沈静化し肝癌の発生を抑制。

 免疫細胞の賦活から抗腫瘍効果

 インターフェロンレセプター発現と関与があるらしい。腫瘍にこれがあれば直接効果の証拠となる。  切除標本からレセプターを染色

 

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