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医学の話題 といコーナを別につくりました。たまには勉強しましょうか

乳腺症

1、どうして起こるのでしょうか?

女性の体では毎月月経サイクルが繰り返されています。この間乳腺は、月経によるホルモンの変化に反応して増殖したり縮少したりを繰り返します。女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンによって、乳房組織内の血管の膨張と乳管内上皮細胞の増殖が起こります。これが乳腺症の原因ですが、月経が終わると再び元に戻り乳腺の組織も小さくなります。何年もこのような刺激が周期的に繰り返されているうちに、乳房にはしこりのような部分ができてきます。したがって大部分は病気ではなく正常乳腺の生理的変化のある一時期の状態か、もしくはそれから少しだけ逸脱した乳腺の状態と考えられています。

 

2,どういう症状が出るのでしょうか?

乳腺症の症状の中で最も多いものは 腫瘤硬結(しこり),自発痛,圧痛、乳頭分泌 などです。腫留,硬結はしばしば両方の乳腺にみられ,表面がごつごつしていて周りとの境がはっきりしない場合が多いようです。腫瘤や硬結は月経前に大きくなったり硬さを増したりしますが,多くの場合月経後に軽くなります。乳がん検診やしこりの診察に月経が終わって数日してからの受診をお勧めしているのは,月経による乳腺への影響が出来るだけ少ない時期がより正確な診察が出来るからなのです。

また乳腺症でしばしば現れる痛みもこの腫瘤や硬結部分に一致してみられるのが普通です。この場合も月経の前に痛みは強くなり、終わると軽くなるのが普通です。

乳頭の異常分泌は乳汁様から水性,あるいは血の混じったものまで色々あり血の混じったものは乳がんの場合もあるので特に注意が必要です。

 

3、乳腺症で注意すべきことは何かあるのでしょうか?

乳腺症は多くの場合視診,触診で大体の診断がつきますが,念のためX線写真(マンモグラフィー)や超音波検査を行います。検査でも特徴的な所見がそれぞれありますので殆ど見当はつきますが,ここで問題なのはこのしこりや異常乳頭分泌が生理的なものなのか、乳がんによるものなのかを区別するのが難しい場合があることです。この場合穿刺吸引細胞診や組織を少しだけ切り取って調べる生検という確定診断のための検査が必要になるときもあります。

 

4,乳腺症の人は乳癌になりやすいのでしょうか?

乳腺症が乳がんの前がん状態なのかどうかに関しては多くの報告があります。実際乳がんになりやすいかどうかに関してはあまり関係なさそうだというのが現在の一般的な考えですが,どちらの発生原因にも一部共通性があるらしいことも知られており必ずしも全く無関係というわけでもありません。

特に乳腺症でも時に見られることのある異型過形成という良性病変は前がん病変と関係深いと言われていて一部の乳腺症の中には厳重な注意が必要なものも含まれています。したがって乳腺症という診断を言われた場合はその程度や性状にもよりますが原則的には年一回,場合によっては年数回の診察が必要になることもあります。この場合乳がんへの変化があるかどうかを見逃さないことが目的ですのでかなりプロの知識や経験が必要なことから,専門医による経過観察をお勧めします。

 

5、乳腺症の治療はどうするのでしょうか?

乳腺症で外来を診察される殆どの方は乳がんをご心配になって来院されておられますが、多くは乳がんでないことが明らかになれば痛みもあまり気にならなくなるようです。

乳腺症であることがはっきりすれば原則として治療は必要ありませんが、強い痛みを伴うしこりが長期間続いていて日常生活に支障を来たすような時には治療をしたほうが良いこともあります。この場合食生活を始めとした生活習慣の改善も大切ですがそれだけでは無効な場合が殆どです。

以前は男性ホルモン系統の薬を使っていましたが、声が変わったり、にきびがでたり、体毛が濃くなるというような副作用もあるため、現在では男性化作用を少なくしたホルモン剤や最近では抗ゴナドトロピン剤という子宮内膜症の治療薬,抗エストロゲン製剤などが用いられます。薬によって若干違いますがだいたい9割以上は痛みが消失します。

乳がんは自己検診の出来る数少ない癌のひとつです。きちんと検診を受けられて乳がんの心配の無い毎日を送りましょう。

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自然気胸                        

 気胸は何らかの原因で胸腔内に空気が侵入して肺がちじんだ状態になることをいいます。人間の胸郭は肋骨や筋肉でできておりその内腔が大気圧より低い陰圧になっていますが、肺に穴があくと胸腔内はたちまち大気圧と等しくなり、肺は大気圧に押されてちじんだ状態になります。この肺がちじんだ状態のことを気胸といいます。

 気胸には肺自体に疾患のある自然気胸と事故などによって起こる外傷性気胸があります。自然気胸の多くは胸膜下気腫性のう胞の破裂によって起こります。この胸膜下気腫性のう胞とは、肺の表面の一部が壊れて薄い袋状になり、肺から突出した状態のことでかなり破け易い状態になっています。大声を出したときや、息を吸って力んだとき等に気腫性肺のう胞は破れやすく、気腫性肺のう胞が破けるとそこから肺内にあった空気が胸腔内に侵入し肺を外から押しちじませ、自然気胸が発生します。すると突然胸痛が起こり、呼吸苦が出現し、多くはせきを伴います。しかしまれには肩凝りや胸部違和感のような軽い症状の人もいます。自然気胸の発症年齢は15歳から20歳代が最も多く性別では男性が女性の4倍で体型的には背が高くやせた人に多くみられます。

 自然気胸の診断は胸部レントゲン写真を撮影すればすぐ診断できます。自然気胸の治療は一般的には胸壁から針または管を胸腔内に挿入し、胸腔内に貯留した空気を抜いて肺を広げます。この処置だけで治ることが多いのですが中にはこの処置では肺が膨らまない人や、一度膨らんでも再発する場合もあります。手術は胸を開けて2度と破裂しないように気腫性肺のう胞の部分を切除したり縫縮したりします。現在では胸を大きく開けないで行う胸腔鏡下手術が主流になっています。術後再発の問題も解決されていませんが、低侵襲で患者さんには好評です。

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   マロリーワイス症候群

  マロリー症候群、一般のかたにはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、上部消化管出血の10%を占めるといわれ、割と多いものです。忘年会シーズンは要注意です。

 これは嘔吐により腹圧が急に上昇し、食道と胃の移行部にある噴門部というところに裂創ができてしまい、ここから出血するものです。1929年アメリカのマロリーさんとワイスさんというかたが多量の飲酒後に大量の胃出血をきたした15例を報告してからこの名称がつきました。嘔吐に伴うものですので、必ずしも飲酒後のみでなく、乗り物酔い、排便時のいきみ、せき、しゃっくり、分娩など、嘔吐を伴うものや腹圧が上昇するものには、これが発症することがあります。年齢的には40−50歳代に多く圧倒的に男性に多いものです。本来は自然止血傾向が強いもので、ほとんどは3週間以内に治るものですが、まれには完全な裂け目ができ、腹膜炎から死に到ることもあります。しかし、最近では死亡例の報告はほとんどありません。確定診断のためには胃カメラ検査を行いますが、診断のためだけでなく、止血のためにも是非行う必要があります。止血にさえ成功すれば後は抗潰瘍薬による薬物療法となりますが、出血が持続するときは手術が必要なこともあります。

 飲酒家は繰り返す傾向にあるといわれます。ご自愛のほどをーーーー   

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紛瘤

 紛瘤とはこれは毛嚢の皮脂腺の皮膚への開口部が閉塞したために、腺腔内に分泌された液体がたまり袋状となったもので、薄い膜に包まれている状態のものです。袋の中の液体は次第に濃縮され『おから』のような状態になっていることが多く、時には腐臭を伴います。小さいうちは皮膚の直下にありますが、大きくなると皮下に位置するようになり、皮膚はお椀をかぶせたような形に盛り上がり、皮膚の腫瘤として認識されます。触れるとやや柔らかい感触があります。

一番特徴的なことは、皮膚が隆起している部分の頂点に黒色の点がみられることです。この黒色の周囲を押すと黄色の脂肪のようなものがでてくることもあります。紛瘤の良くできる個所は頭部、顔面、頚部、背部、臀部などです。小児期に発生することはほとんど無く、多くは『青年期以降』に発生します。

 紛瘤それ自体には痛みはないのですが、腫瘤の中央部の黒色点の部分で皮膚とつながっているために、ここから細菌が入り込みますと急に腫脹し、赤みを帯びるようになり、押すとかなりの痛みを伴うことがあります。このような状態は『炎症性紛瘤』と呼ばれますが、以前から腫瘤があることを知っていてもこのような状態になってから初めて病院にくるかたが多いようです。

 しかしこのような状態になってしまってからでは、赤くはれ上がった腫瘤を大きく切開し排膿し、そして薄い膜を掻き出すしかなく、完全に治るまでの期間もかなり長くなってしまいます。逆に感染を起す前だと、局所麻酔で簡単に腫瘤を摘出可能で傷跡もきれいでしかも短い期間で治ります。手術時間は約15分ぐらいでもちろん入院する必要もありません。こじれる前に直しましょうか。 

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デベソの話         

 『ほっておいても大丈夫でしょうか?』 毎年、何人かのお母さんが赤ちゃんを連れて診察にみえます。普通、『でべそ』といっている赤ちゃんのヘソの隆起はへそヘルニアといわれるもので、いわゆるへその緒がおちてから数日から2.3週で起こります。未熟児に多いのですが全体で約5%の赤ちゃんがでべそで、ひそかに悩んでいるお母さんも多いのではないでしょうか。泣いたりするとすぐ膨隆してきますので心配になりますが、約95%の赤ちゃんは1年以内に自然になおってしまいます。従って生後1年までは経過をみていてOKというわけです。よくコインを上からあてがったりするのがありますが、コインと皮膚のすきまに腸をはさむことがあり、お勧めできません。非常に大きなでべそには外来診察のとき両側から絆創膏ででべそが出ないように真中によせて固定したりしますが、絆創膏にかぶれたりして長続きしないこともあります。1歳を過ぎてもなかなか治らないものや、嵌頓といって、中に腹部内臓(主に小腸)が入り込み、戻らなくなった状態は危険ですのですぐ手術の必要がありますが、小児のへそヘルニアは嵌頓の危険は極めて少ないといわれています。

 なお成人のへそヘルニアは痛みや不快感などを訴える場合が多く、嵌頓の危険も高いとされていますので、原則として手術を勧めています。この場合術後3−4週間は激しい運動はやめましょう。どうぞ、おだいじに----。

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無症状胆石について

 症状の無い胆石って手術すべきなのでしょうか

 胆石(胆嚢結石)を手術する意味は、胆嚢炎、胆石発作を併発するためと胆嚢癌合併の危険からであります。また逆にいえばこれらを合併しなければ手術を行う意味はないのかもしれません。肝胆膵 38 (2) 175−181,1999に胆嚢結石の自然経過の論文がありました。これによると無症状胆石が症状を呈するようになるのに、年2%ぐらいと述べられており諸家の報告からも大体そのような頻度のようです。つまり50歳の人が80歳までの30年間で症状を呈するようになる確立は60%といえることになります。またもうひとつの胆嚢癌の合併は、やはり一般的にかなり低いと認識され高くとも1%以下のようです。(ただ有症状例での合併例ではもちろん多く特に高齢者により多いので、無症状例でも高齢者は少しは要注意かもしれません。――論文中に記載はありませんが)結局問題となることは、年2%の有症状化をどう考えるかということになり、一般的にはフォローでよく、年に1−2回はUSを行い胆石の状態、胆嚢ポリープなどの小隆起病変や胆嚢壁の変化の有無に特に注意すべきである(胆石症の治療 私の選択 外科治療 1996 74 415−)という述べ方になってしまうのかと思います。ただ症状化しやすいものがいくつかの論文でもあげられており(根拠はわかりませんが)

非石灰化胆石ことに混合石をもつもの  多数の小結石を有するもの 胆嚢管閉塞例  胆嚢変形著明例 

多数の胆石充満例 巨大結石例

これらは症状化しやすいので腹腔鏡下胆摘を行うべきと述べられた論文がありました。しかし、腹腔鏡下胆摘という技術ができたのでsilent stoneでもどんどん手術をやってよいという考えは一般的にはまだなく、東大某教授からは開腹手術より胆管損傷の合併症も多く手術時間もかかり適応拡大に対して疑問視した意見が述べられておりました(外科 60 49−50 1998)。うまくいけば良いが、安全性、確実性は開腹手術に劣り、また術者にストレスがかかる手術ということでしょうか。先日、知人のお母上が胆石発作から急性膵炎を併発して亡くなられました。少ないケースですが、症状を呈したときには命とりなどということもあり得る話は患者さんにしておいたほうがよいのでしょう。ある患者さんに、術後胆石を見せたら、ご自分の胆石を見て「こんなものが腹の中にあるとわかっていたら、症状が出なくても手術を受けていました。」とおっしゃていましたが、我々医者にはあたり前でも、患者さんは胆石をイメージできないわけで、であれば患者さんに実物の石を見てもらった上で選択してもらうというのは正しいインフォームドコンセントの方法かもしれません。

   (平成13年正月 記)

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インスリン抵抗性とは、

 

動脈硬化の危険因子といえば、喫煙、糖尿病、高脂血症、高血圧というのが定番です。尿酸が高い、Lpa)、高齢、男性なんていうのもあるけど、最近更にインスリン抵抗性というものが注目を浴びています。これは糖尿病とは同義語ではありません。糖尿病状態の指標であるHbA1c5.5%から11%になると虚血性心疾患の発生が2倍、最小血管障害は10倍の発生率にあがるといわれています。ところが完全な血糖コントロールを達成しても虚血性心疾患の発生のリスクを0にすることはできないのだそうです。San Antonio Heart Studyでは25-642539例の非糖尿病の方をインスリン抵抗性の指標であるHOMA指標の値で層別化し、虚血性心疾患の発生率との関連を検討すると、その関連が明らかに示されるそうです。要は糖尿病でなくてもインスリンの感受性が下がって、血中インスリンが高いと動脈硬化が進む、ということです。高インスリン血症は交感神経レニンーアンギオテンシン系を活性化し高血圧をもたらします。また肥満、特に内臓脂肪の増加はこの分解によって生じた遊離脂肪酸が直接肝臓に入りインスリン作用を阻害し高インスリン状態をもたらし、またこれが中性脂肪に転換され高脂血症になります。また高インスリン血症はこのような動脈硬化危険因子増加だけでなく線溶活性の低下からも血栓傾向をもたらし結果冠動脈疾患を促進するとも言われています。治療は血圧、高脂血症などの治療になるでしょうが、例えば降圧剤は代謝に影響する交感神経をブロックする(αブロッカー)ものがより効果的でしょうか。

        (平成13年12月記)

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唐辛子の胃粘膜保護作用

 

唐辛子を食べるとアスピリン(所謂鎮痛剤)による胃粘膜障害が抑制される。またアルコールによる粘膜障害が軽減され、胃粘膜の血流が増加するという報告があるそうです。キムチを食べながら酒を飲むのは利にかなっているのかーーと思われるデータですが、この機序が最近理解されるようになったそうです。

唐辛子の辛味の成分であるカプサイシンに対するレセプターはVR1と呼ばれるますが、このVR1を発現する神経が胃に分布する内臓神経にあるそうで、唐辛子が胃に入ってくるとこのレセプターに結合し、この神経の興奮によって遊離するCGRPというペプチドがNOの遊離を惹起して血管を拡張するようです。難しい機序は別にしても、キムチ好きにはよい話ですね。

    (平成13年12月記)

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インフルエンザ

インフルエンザウイルスは呼吸系に感染するRNAウイルスで、伝染性が強い。A B Cの型があり、A型は人以外にも感染、B Cは人のみ感染。Bは小児が中心で地域的流行 Cは顕著な流行なし、大流行するのはA型。潜伏期1−3日、倍加時間は10時間です。

38-40度の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、嘔気など全身症状出現し、2-3日後に咽頭痛、咳が出現する。このように全身状態が強い風邪の場合すぐに迅速診断キットで検査をしよう。15-30分程度で診断でき、インフルエンザの診断がついたら即抗インフルエンザ薬(リレンザ、タミフルなど)を投与。ぎりぎりまで我慢せず、早く診断をつけたほうが薬の効果も良いようです。早期診断を! またハイリスクの方(高齢者、慢性呼吸器疾患患者、免疫低下など)はワクチンで予防しましょう(ただし卵アレルギーの人は注意が必要)。インフルエンザウイルスは37度で39度の場合の10倍くらいの増殖となります。解熱剤の使用に注意して下さい。インフルエンザ脳症との関連が取りざたされています。

  (平成13年12月記)

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過敏性腸症候群(IBS irritable bowel syndrome

 いつも下痢したり、便秘したり。でも医者に行っても大腸の検査をしても異常なしと言われる人の話です。 

診断基準:一ヶ月以上慢性的に腹痛、腹部不快感があり、排便回数や便の性状の変化を伴う便通異常を伴い、症状を説明する器質的疾患の無いもの。原因は不明ですが、腸管の自律神経の異常により腸管運動の障害が存在するか、腸管運動を感知する中枢神経に異常があるか、あるいは両者が同時にあるか。

治療のガイドライン 

1ステップ:病歴聴取「経過、症状)からこの疾患に該当するか照らし合わせ診断をつけます。そのとき器質的疾患を除外するのに必要な臨床検査を行って、IBSと診断されたら投薬などの治療を開始します。

2ステップ:しかしステップ1で症状改善が思わしくない、臨床検査で異常がある、器質的疾患のリスクが高い場合進むステップで、さらに器質的疾患を除外する精密検査を行ったうえでこれが否定された場合、IBSの専門家による治療を行います。

治療

IBSは機能的疾患で命に関わるようなものではないことを十分説明し考えられる病態の説明をして安心させてあげます。これがまず第一の治療です。

食事、睡眠、排便などの生活習慣をチェックし指導します。下痢であれば刺激物を避ける、便秘であれば繊維成分の多いものを摂るように話し、また排便習慣はコントロールができるか否かの最も重要なポイントになります。

薬物療法:下痢型 止瀉剤や消化酵素、乳酸菌製剤、抗コリン剤、などを組み合わせて。

便秘型:下剤、抗ドパミン薬など、

腹痛、排便困難型:抗コリンなど消化運動調整薬

精神的因子が関与する場合:上記に薬物療法で効果を示さない患者の2/3で心理療法が有効といわれ、またIBS患者は心理療法を併用したほうが薬物療法単独より効果が高いとする報告あります。ただ、心理的要因の強い例の薬物療法は抗不安薬がよく用いられますが欧米では証拠不十分として推奨されていません。またうつ状態が強ければ抗うつ剤が用いられます。

治療の上で最も重要なことは器質的疾患を見逃さないことで、実はクローン、潰瘍性大腸炎、悪性リンパ腫であったというようなこともあるようです。

 要はIBSなら心配ないのです、ほか器質的疾患を除外することが最も重要で、これが無ければ安心して下さい。うちの子供もIBSのようです。  

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血球貪食症候群とは。

聞きなれない病名です。原因不明の発熱が1週間以上続き、2系統以上の血球減少を認め、同時にLDHが高値であるとき疑えとあります。まあ原因不明熱が続くときに鑑別疾患のひとつとして考えるべきということのようです。血球の減少とLDHの増加は一般採血で簡単にわかりますから、ある種の貧血、DIC、門脈圧亢進症を伴う肝疾患などを除外すれば思い浮かべられそうです。そして骨髄を調べれば確定するでしょう。血球を貪食する組織球が証明されるようです。ところで原因となる疾患は何でしょうか。

小児では家族性、成人では反応性が多いようです。何に対する反応かというと、1)ウイルス感染、2)悪性腫瘍、3)リンパ腫、4)膠原病などのようで、これから引き起こされる高サイトカインが原因のようです。2)−4)は原因不明の発熱で考えるべき疾患ですが、さらに風邪を引いた後長引く発熱は要注意でしょうか。本症候群の概念は比較的新しく、今でも確立された治療はないようです。確定診断がつかず亡くなられていたケースも多いといわれています。

  (平成14年1月記)

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日帰り手術(デイサージャリー)

日帰り手術(デイサージャリー) 又は短期入院手術(ショートステイサージャリー) は医療費削減の面から特に関心がもたれ、欧米でも積極的に取り上げられその効果が報告されております。また入院しないで手術を受けられることや、短期間の入院で手術をうけらることなどから患者さん側のメリットも大変大きいものと思われます。我々も鏡視下手術を導入し入院期間の短縮を図ったり、また小児ヘルニアでは1日入院での手術といった様様な努力をしております。ただ日帰り手術には当然のことながら十分な外科技術、麻酔技術の進歩が不可欠です。入院期間が4日で済む甲状腺の手術でもアメリカでは術後合併症に対応できないため日帰り手術に踏み切っていません。痔の手術などは最も日帰り手術に近そうですが、どんなに頑張っても後出血は1%前後あるといわれ、ある施設では16日後での出血を経験してから痔は全例17日間入院となったそうです。この例などはちょっと極端ですが、しかし日帰り手術がいくら経済的に有効と報告されても手術を受けた患者さんを危険に晒すことは絶対に避けなければいけないことと思っております。よって設備も含めた準備やスタッフの教育を十分に行い決して患者さんに不利益が及ばない体制作りを行った上で、今後普及させていきたいと考えております。とはいえ現実問題として、今長期入院できない患者さんもたくさんおられると思いますので、できる限りの短期入院手術を提供する所存です。

ちなみに現在当院外科で日帰り手術が可能な疾患は、一次性下肢静脈瘤(結紮-硬化療法)、比較的大きな皮下腫瘤でしょうか。

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睡眠時呼吸障害

 sleep apnea syndrome のこと。家族内発生が多いといわれ、わが国では少なくとも数100万人の患者がいると推定されています。夜、眠っていて旦那さんの息が途中で止まったりしていませんか? それがこの病気です。

 高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞などの血管疾患との関連、

 この疾患のために生じる日中の眠気→交通事故、産業事故

などが問題ですが、さらにアルツハイマーとも関連も取りざたされています。

そしてその危険因子としてアポリポ蛋白Eε4が報告されておりました。この遺伝子の保有が家庭内発生と関係あるようです。治療は軽鼻持続陽圧呼吸であり、合併症予防ができるそうです。

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エコノミークラス症候群

今知られている三大血管疾患とは心筋梗塞、大動脈瘤破裂、静脈血栓症を示すがエコノミークラス症候群とはこの静脈血栓症である。昔から血栓を形成する要素としてVhirchow’s tirasというのがあって、すなわち“血管壁の異常” “血液の鬱滞” “血液そのものの異常=凝固異常”の3つが血栓形成の原因になり得るといわれている。このうちエコノミークラス症候群は飛行機の中で長時間、座位を取り、下腿の筋肉ポンプを使わない時間が長い為静脈鬱滞を起し、これで形成された血栓が肺動脈に飛んで肺梗塞、急性右心不全を起して死亡するものである。1954年にすでに報告があり、1977年にSymingtonがエコノミークラス症候群と命名しております。飛行距離7500km(=8時間)以上だと起こりやすいとされ、率にして250万人に1人だそうです。狭いところでの発症という意味ではなにも飛行機に限らないと思われますが、上空の機内で起こりやすい理由として、1)湿度が低い 2)アルコール飲料で非常に酔いやすく脱水になりやすい 3)かつ補正されずらい からではと推測されています。症状は、よって呼吸困難 胸痛 ショックなどです。重篤であれば医師しか助けることができないと思われますが、上記の発症メカニズムを考えれば、下肢の(いくらかでも)運動 脱水の改善あたりが発症を抑える有効な予防法でしょうか。

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コレステロールをコントロールしよう

日本人の動脈硬化性疾患の発症頻度が上がっており、脳血管、心血管合わせて全死亡率の30%を越えるようになってきました。 これまでの大規模臨床試験などから、LDL(悪玉)コレステロールの低下と冠動脈疾患発症率の減少に相関関係が明らかとなっており、よってここにコレステロールを低下させる大きな意義を見出すことができるわけです。

(治療)スタチンが最も使われています。注意すべきは副作用で横紋筋融解症が最も重要です。筋肉痛 CPKの上昇(-3倍)があったらまず投与中止したほうがよさそうです。あと、1ヶ月毎に採血検査を行い肝機能などのチェックが重要と専門家はおっしゃっていました。 このスタチンで十分な効果が得られない場合、 我々 非専門医は困るわけです。従来の薬だと副作用もあり使いづらいので、まず運動、食事制限の強化を行いますが 限界があります。ところが最近コレスチミド(コレバイン)という薬がでました。(以前より同様の薬はあるのですが、これは飲みやすくなったものなのでしょうか。) 胆汁酸の排泄促進で コレステロールの吸収を抑える作用があります。体内に吸収されず 消化管を素通りするだけなので 副作用の心配がありません。ただ飲みづらくコンプライアンスが低いようです。でも食前飲んで 食事をすぐとるなどの工夫でコンプライアンスも向上するようです。効果として何よりもいいのは 体重減少!! 脂質代謝改善 耐糖能改善効果があることです。多少肥満で 中性脂肪が高い方にはfirst choiceでしょう! 

ところで ある知り合いは この薬を飲んで 本当にやせたとか! 私も近日中に試す予定です。

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運動選手の下肢血流障害

 血管外科が専門ですが、表題のようなテーマは余り聞いたことがありませんでした。ごく一般的には、下肢動脈閉塞、狭窄は動脈硬化が原因であり高齢者に多い疾患です(別ページに詳細あり)。また若年発症の例もありますが、これはBuerger病、大動脈炎症候群などによるもので頻度は高くありません。一方この運動選手の下肢血流障害という疾患、病態について私は知識がなく、教科書上の記載にも記憶がなく初めてききました。

この疾患は持続力を要求されるスポーツ選手、特に自転車競技選手に多いそうで、大動脈分岐部以下の特に腸骨動脈に変化が来るようです。変化というのはこの血管がねじれることのようで、病名としては内膜繊維症と呼ばれるようです(これは病理学的名前でちょっと奇妙ですが)。治療は手術だそうで血管のバイパス、あるいはねじれの矯正が行われ、手術を受けることで100%症状が改善されるとのことです。 ちょっとにわかには信じがたい気持ちもありますが、Lancetに発表されたというからにはエビデンスがあるのでしょう。 踏ん張ったときの血圧上昇が内膜肥厚、動脈のelongationをおこすのか、あるいは 身体運動時の力学的ストレスが原因なのでしょうか?

 

睡眠障害とアルコール

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一般診療科で睡眠薬の処方率は全処方の4.6%と結構多いといわれています。要は需要、睡眠障害の方が多いということです。 睡眠障害には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、日中の過剰な眠気と分類され、タイプに応じた治療が必要のようですが、一般にアルコールで寝つきをよくする傾向は根強いようです。確かにアルコールは入眠の導入に役立つようですが、中途覚醒を増やし睡眠の質を下げることが指摘されています。また、その効果も長期使用で耐性ができ、摂取量が増加していくことが明らかになっております。一方睡眠薬も常用による習慣性が懸念されますが、思ったほどの害はなく、寝つきをよくし、睡眠の質を下げないことを強調する専門家もおります。高齢者などでは頻尿などの身体的な問題、睡眠相の前進など別の問題があり、対応はケースバイケースでしょうが、酒飲みには耳の痛い、ちょっと重要な話でした。

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睡眠負債

睡眠は単に覚醒機能が低下したために起こる現象でも、単なる休息の状態でもないようです。睡眠は覚醒とは異なった脳内メカニズムにより積極的に引き起こされ生命維持に重要な働きを持つ生体現象だそうです。すなわち大きく発達した大脳を上手に休ませる機能を拡充するために進歩してきた生命現象といえるのだそうです。そして人間の多くは1年365日のうち100日以上を睡眠に費やしています。今睡眠不足による覚醒時の眠気が、社会的な問題として取り上げられてきています。貧弱な睡眠は起床時の機嫌の悪さの原因となり、発達期の青少年では記憶や集中力の障害による学習機能の低下、大脳皮質による感情コントロール機能の低下、不規則な生活習慣の定着などを引き起こします。さらに睡眠負債の蓄積による覚醒中の眠気により事故を増加させるばかりではなく健康や生命維持機能も障害することが、最近の研究から明らかになってきているようです。
1991年の米国のギャラップ調査によると、不眠による事故率は、疲労によるものの2.5倍にも達すると報告されています。Brandley病院睡眠研究室では個人ごとに必要とする睡眠時間はまちまちだが、ほとんどの成人は最適な機能を保つため1日8時間の睡眠を必要とする。そして5時間未満の睡眠では多くの人で能力が大幅に低下する。慢性的に睡眠不足の人は睡眠負債がたまっていき、一晩の寝だめでは睡眠負債が消えることは決してないと。・・だそうです。 私の知っている人でも、本当によく眠る人がいます。頭の回転はずば抜けていました。子供さんたちの生活パターンもよく考えてみましょう。 ただ、必要な睡眠に個人差があるというのも確かですね。 手術を時々頼んでいるM先生、大学で大きな手術を行い、その後夜酒田まで走って、マージャン始めて、朝早起きして山菜取り、その後また8時間の手術をして帰ります。 いつ、休んでいるのだろうか?ポテンシャルの違いを感じます。 ちなみに私は寝なくてはだめなほうで、家では一番早く寝床に入ってしまいます。朝も早いですが・・ 

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虫垂炎の診断

虫垂炎の診断、しかも手術をやるべきかの判断は常にわれわれ外科医の頭を悩ませます。手術も難しくはないので、疑えばやる というのが昔の考えで、今でもそう思っている人も多いかと思いますが、アメリカではappendicitis normalis(正常に近い虫垂炎)の手術は訴訟の一因ですし、また医学的にも手術がその後の腸閉塞の原因にもなり得るので やはり大変悩むところです。かといって遅れれば腹膜炎ですしね、、また抗生物質で治まるケースも沢山あるし、、  で先日読んだ雑誌ではエコーのプローベを最強の圧痛点においき、虫垂の病理構造が描出され、さらにそこが最強の圧痛点であることが確認された場合のこの診断方法の感度は86.7% 特異度89.7% 正診率は87.6%とのことでした。 何のことだか解りづらいと思いますが、熟練した外科医の手による場合は感度83.3% 特異度44.8% 正診率70.8%と、要は外科医の手は機械に劣る! ということです。 ちょっとその外科医の手 見せてみろ と言いたくなりましたが、まあいい検査法があればこれを積極的に活用するのも名医の条件です。 うちでも検討してみましょう(勿論今までもエコー CTはやってますが)。

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胃切除術後の食事のとり方

我々、あるいは看護婦は胃切除した患者さんに術後食事指導をいたします。

1)ビールのような発泡性のある飲料水はダメです。

2)刺身のような生ものは術後胃酸低下による殺菌作用の低下があるので控えましょう。

3)脂っこいものも控えましょう

4)コーヒーは胃粘膜に障害性がありますので控えて

5)ジックリ時間をかけて食べましょう。一口、口に入れたら100回噛む。

 などです。 でも本当なのでしょうか。 先日ある冊子に掛かれてあったことを参考にまとめてみました。

まず1):胃切除によってげっぷを上手く出せない方がいて、このような方はビールを飲むと腸管や残胃にガスが充満して苦痛を生じることがあるのです。でも大ジョッキのビールを一気に飲んでも平気な方もおり 禁忌ではないようです。2)もともと胃を切らずとも低酸のかたは沢山いてそのような方が、皆食中毒になるわけではありません。これも正当な理由ではないようです。3)これは確かに負担になるかもしれません。通常でも脂の胃内停滞時間は5時間、かなりもたれます。でも食べ物の旨みって脂ですよね、これを止めろと言うのは美味しいものを食べるなと言うことに等しい。個人差がありますので自分のおなかの具合をみながら食べるのが正解でしょう。コーヒーは? これも胃のある人と同じです。基本的に食べてはいけないものはないのです。5):これやると食べ物はとたんに不味くなり、苦痛をともなうそうです。確かに自分ではやる気になりません。凡その食べられる量がわかったらおいしく さーっと食べた方がよいという意見もあるようです。

我々は色々と 不正確な情報を患者さんに押し付けてきたかも知れませんね。

でも確かにただ気をつけなくてはいけないことはあります。

1)胃の食物をこなす力が低下し腸管内に未消化食が流れていきやすいこと

2)大網という組織を切除した場合、小腸が腹壁に癒着し、これにより腸閉塞を来たしやすいこと

この2点は原則として留意すべき点です。 よく刻んで 噛んで 食べること。 ひっかかるイメージのあるものは避ける。生野菜 果物 きのこ たけのこ・・ 危なそうですね。でも食べていけないわけではないのです。量を加減して 原則を理解しながら食べればよいのです。

 

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心血管イベント概要

心筋梗塞、脳卒中などのイベントは起床時3時間以内に最も多い。これには睡眠から覚醒・起床という行動パターンの変化と共におきる副交感神経から交感神経への自律神経の急激な変化などが関与している。交感神経が賦活化されると血圧の急上昇が起こるが、特に夜間血圧が異常に低下するいわゆるextreme-dipperでもこの低下よりは朝方急激な血圧上昇いわゆる morning surgeが問題で、これによりvascular eventが増加する。そしてこの急激な圧上昇は左室肥大の見られる人では心筋虚血を誘発する、つまり心筋梗塞発症のリスクを高める問題がある。また血圧の下がらないnon-dipperは昼夜を通じて血圧が下がらず、これは急激な変化を起こさないという意味ではmorning surgeのリスクが低いといえるが、臓器障害の進展という別の意味で重要な問題を提起する。

血圧だけで早朝心筋梗塞発症増加を語れるか:早朝から午前中にかけて血小板凝集能の亢進、線溶活性が低下するという現象が知られており、これも理由に挙げられる。今では凝固線溶系のすべてに日内変動があることが明らかにされているが、日中負った傷を夜癒すために凝固系が活性化され、起床後運動開始につれてPAI(プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビター)活性が低下していくのではと考えられている。

まとめると午前中起床時3時間程度は交感神経系が亢進し血圧も上昇する。その血圧上昇が血管内皮のアテローム破綻に関与している可能性がある。さらに凝固能が亢進しているためすぐに心筋梗塞発症に結びつくという仮説が成り立つ。

臨床的にもPCI(経皮的冠動脈インターベンション)は午前中は効果が低く、午後のほうが成績が良いとのこと、これも凝固能との関連が示唆される。

まず、治療に関して朝の血圧の降下が大変重要ということになる。Sustained typeというのがあるが、これは降圧剤の持続時間が短く夜中に切れてしまう。でも朝薬を飲むので病院では正常=masked hypertension(仮面高血圧)として報告されており、これを探すには朝起床してから2時間くらいの血圧を測ればよい。そしてこれが高ければ morning surge があり得るので、薬剤を 変えるというよりは内服時間を変更すればよい(私はこれ)。あと、線溶活性の面からはやはり凝固活性を抑える発想が通常で、アスピリンの投与で朝のイベントのピークが崩れるという報告もあるが、これは2次予防ということになると思う。

さて、心筋梗塞は高血圧、凝固系とだけ関連がある訳ではなく、最も強調される危険因子はやはりコレステロールである。しかも、冠動脈が高度な狭窄に陥ってなくても発症する急性冠症候群のメカニズムはコレステロールリッチなプラークを覆う脆弱な繊維性被膜が破綻し、血栓が形成され、そのため冠動脈が閉塞、心筋梗塞を発症というものであり、この不安定なコレステロールリッチな プラークが問題なのである。この時点でキャッチできれば先手を打った治療が開始できるが、それにはIVUSが有効との報告もあり、確かにそうであろう。でも他に予防法はないものだろうか?動脈硬化巣はLDL(悪玉コレステロール)が酸化され、マクロファージに取り込まれ 脂質プールを血管壁に形成するという成り立ちを考えればこのLDLを低下させることに意義を見出せると思う。更に酸化抑制についても動脈硬化進展の抑制が期待できるのではとの関心が集まる。それで強力なLDL低下作用を有するスタチン系薬剤を投与して100mg/dl以下にし、更に抗酸化剤であるプロブコールを併用することで明らかなプラークの退縮、進展抑制が抑えられる結果を得た。 以前よりJ−カーブと称して、コレステロールを下げすぎると死亡率が逆に上昇するという話が有名だが、現在では下げすぎて危険だという認識は一般的でなく、LDLは低いほど良い、HDL(善玉コレステロール)は高いほどよい という認識でまずよいようだ。特にLDL100以下にすることはプラーク退縮の面から重要のようである。

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ノロウイルス

お年寄りがこれで亡くなっているようです。当クリニックにも同じような重篤感のある急性胃腸炎患者さんが数名来院されています。大体はST3 500ml + プリンペランで吐き気がおさまり、いくらか脱水も改善され、制吐剤 軽い止痢剤処方で治まる(数日)ようです。脱水の改善だけで命が救える疾患だけに対応の不十分さは惜しまれますが、特老施設は病院では無く点滴も不可とのこと。残念ですね。冬は子供のロタウイルスによる腸管感染症が有名ですが、止痢剤として五レイ散を用いていました。しかし漢方の大家から人参湯のほうがベストと聞きました。熱があれば サイレイ湯と思っていたら、桂枝人参湯が正解らしいです。ひとつ勉強になりました。明日からの臨床に早速役立てます。 ノロウイルス 熱に弱いようなので食べ物はよく加熱すること、調理人の手などを介した感染もあるとの事予防に気をつけましょう。治療は脱水の改善のみのようです

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