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潰瘍性大腸炎 大腸の粘膜に原因不明のビマン性炎症を起こす疾患です。自己免疫説、感染説、アレルギー説など色々な原因が考えられています。慢性の下痢、粘血便などを主訴とする。病変の広がりから全大腸炎型、左側大腸炎型、直腸炎型に分類される。発熱など全身症状を呈するものから軽症まで程度は様々であるが、全大腸型は癌の合併率が高いことを知る必要があります。 以下当科での経験をまとめてみました。(平成13年12月)
一般向けではありません。詳しく知りたい人用 炎症性腸疾患の疫学 UC 1.5-17/10万(欧米) 1.95(日本) Crohn 0.3-6.7/10万(欧米) 0.5 (日本) ユダヤ>一般白人>黒人>日本人(欧米の1/10) 男:女=1:1(欧米) 2:1(日本) 先進国>途上国 都市>群部 本邦 UC 男20−24歳 女25−29歳にピーク CD 男20−24歳 女15-19歳にピーク 長期予後 IBDの長期予後は一般人口のそれと差はない 家族発生 IBDは1親等での家族内発生は一般に比較して10−20倍。両親が本疾患を合併すると、その子供は高率に本疾患を有する。 環境因子 遺伝因子の関与 洋食はUCのリスクを高めている。喫煙者はUCが少ない。CDは逆。 潰瘍性大腸炎 長期予後 UCの長期予後は一般人口のそれと差はない。むしろ非喫煙者が多く良いとのデータもある 家族発生 IBDは1親等での家族内発生は一般に比較して10−20倍。両親が本疾患を合併すると、その子供は高率に本疾患を有する。 環境因子 遺伝因子の関与。洋食はUCのリスクを高めている。喫煙者はUCが少ない。CDは逆。 UCの成因 自己免疫疾患か?いくつかの疾患感受性遺伝子が組み合わされ、かつ何らかの環境因子がこれに加わり発症するといった” multifactorial disease”であることが強く提唱されつつある。 多因子:感染、喫煙、免疫 内視鏡診断 確定診断 罹患範囲 活動性 経過の確認と治療の判定 癌のサーベイランス 直腸最下端よりA全周性均一な病変がB瀰漫性連続性に確認される。初赤、浮腫を伴った炎症性粘膜に囲まれた麻浅い不整形潰瘍の多発 X線診断 ニッシェ バリウム班 治療の目的は短期間に活動期を終息せしめ、緩解期を長期間維持する。 炎症性腸疾患の新しい治療 5−ASA(アミノサリチル酸)製剤 サラゾピリンは有効であるが、このうち5-ASAの部分が有効であり、アゾ結合しているスルファピリジン(SP)はむしろ副作用を惹起することがわかり、5-ASAをエチルセルロースでコーティングしたメサラジン(ペンタサ)が開発された。サラゾピリンー特異的な副作用として精子異常が知られている ステロイド 局所(座薬 注腸)――副作用が少ない 経口 静注 動注 (劇症の治療) 治療継続中に急性像悪を起こすと元より劇症化していることあり メチルプレドニゾロン500mg-1000mg/day *3日 ――1クール これを3−6クール行う 従来なら手術適応であった中毒性巨大結腸症でもまずパルス 強力静注療法 中等症 40mg/d 重症 60mg/d トロピカルステロイド ブデゾナイド ベクロメタゾンは吸収後肝臓での代謝が早いため長期使用しても副腎機能の抑制がほとんどない。(日本ではまだ?) 白血球除去(LCAP:
leukocyte apheresis)特にUCに有用。白血球除去フィルターを用いて1/w
5w 緩解導入後1/Mで。何らかの原因で白血球が活性化され、容易に大腸粘膜に浸潤し、それらの産生する蛋白分解酵素、活性酵素による強い粘膜障害、いわゆる免疫反応の悪循環が粘膜下の継続して起こっていると考えられる。明確な機序は明らかでないが、活性化した白血球を取り除くことにより免疫の悪循環を断ち切る.有効率 70%(従来の薬物療法でコントロールができない例が対象) 維持療法の有効率はまだ出ていない?。 免疫抑制剤 アザチオプリン 6MP サイクロスポリン(T cellからのIL-2の抑制) 効果発現まで時間がかかる 副作用として易感染性 保険適応がない などの理由で積極的ではない また有効性に関しても十分な検討がされているわけではない 抗サイトカイン療法 IBDの病変活動性とサイトカイン産生量は比例している 抗TNF-α抗体 抗CD4抗体など PSLの量を減らし5−ASAのみの維持療法とするが、投与期間は明確にされていない。 できるだけ長く投与したほうがよいと言われる。 UCの手術適応 (適応) 難治:厚生省研究班『厳密な内科的治療下にありながら、慢性持続型、再燃後6ヶ月以上なお活動期にある、頻回の再燃を繰り返すのいずれかの条件を満たすもの』 UCの症状、治療により著しくQOLが下がった状態が手術適応となる 難治 (時期) 1116例の累積手術率 診断後5年 25% 、 10年 35% 、 20年 45% 難治例 5年以内が55% (平均6年)難治例の手術目的はQOLの改善なので発症から5年前後で手術を考慮する必要がある。 (手術術式) 疾患標的の大腸粘膜の完全除去と術後の長期にわたるQOLとの両立 PCA(proctocolectomy and ileostomy)大腸全摘 回腸人口肛門 IRA( ileorectal anastomosis) 楽でsoilingも少ない。機能障害も少ない。長期のサーベイランスが必要(炎症の再燃、癌の発生)7年みて95%で直腸の炎症に対して局所的ステロイド投与が必要であった。しかし発癌も含めてサーベイランスは容易 IAA(ileoanal anastomosis) IACA(ileoanal canal anastomosis) 漏便に対するパッドの必要度 IRA 5% IACA 45% IAA 50% 回腸嚢肛門管吻合 回腸嚢肛門吻合 縫合不全 10% 17% 6% 肛門狭窄(吻合部) 9% 21% 10% 術後排便回数(1年) 6.4回 5.7回 夜間soiling (漏便3回/w以上 直径3cm以上のStain ) 27% 8ヶ月以内に消失 社会復帰 88% 食事制限 なし 全般満足度 78% 不満足な要因は soiling 排便回数の多さ 性機能の障害 50% 妊娠出産も可能 回腸嚢最大耐用量は術後経過とともに増大し12か月を経過すると正常健常人(315ml)とほぼ同じになる IAAに比べてIACAは外科的肛門管を温存するため残存粘膜に炎症や癌発生の可能性があるが、その頻度は少なくまたサラゾピリン等でのコントロールが容易である。また一期的手術が可能、合併症が少ない、排便機能が良好という利点がある。Pelvic
plexus(骨盤神経)のinferior
rectal branchをIACAでは完全に温存できる。歯状線を切除すると機能は悪くなる。Long
cuffは面倒な割に益が少ない。Cuffの長さは短くしても機能に差がない。下部直腸筋層のみを残すmedium
cuffでよい。 Crohn 口腔より肛門までの全消化管に病変の見られる区域性の全層性非特異的炎症疾患 癌の合併 3−7% 直腸肛門病変を有する例は、直腸癌、肛門管癌の合併が多くなる 内視鏡診断 X線診断 クローン病では重症の定義がまだ確立されていない。 治療 (保存的治療)が主体 ステロイド サリチル酸製剤 5−ASA (小腸型でも大腸型でもいずれも可)サラゾピリン(大腸で5−ASAとsulfapyridineに分解されるため大腸病変には有効であるが、小腸病変には有効でない) メトロニダゾール 抗原虫剤 嫌気性菌の繁殖した場合に有効 免疫抑制剤 メルカプトプリン アザチオプリン 効果発現まで時間がかかる 抗サイトカイン療法 栄養療法 脂肪のの過剰摂取が炎症を像悪し、脂肪含有の少ない成分栄養 (ED elemental diet)が緩解導入に有効 脂肪組成 蛋白抗原を排除した低抗原性の2点が想定されている 長鎖脂肪酸の吸収により脈管作動性メディエータ放出が惹起されリンパ球のmigrationを修飾し腸管免疫を賦活化することが考えられる。 EDによる緩解導入率はプレドニンや完全静脈栄養に匹敵するが、本質的に治癒させているわけではなく、中止すると再燃してくる、また長期のEDが再発率の軽減をきたさないうことの理解が必要。 w−3系脂肪酸が緩解導入に有効 ――魚油 完全中心静脈栄養:2000Cal以上のTPNは本性極期の初期治療に有用であるが、長期的には腸官の萎縮、感染への抵抗力の減少。あるいはbacterial translocationをきたし易いといった危険をはらむ。(動物実験では長期にわたる食事刺激の欠如は長官の粘膜防御能を著しく障害する) (手術適応) 絶対的適応:腸閉塞 相対的適応 膿瘍、外婁、内婁(婁孔形成頻度15%) 腸管腸管婁孔は栄養などの障害がなければそのまま。腸管膣、腸管膀胱婁は厄介 肛門病変 (術式) 大量切除し短腸症候群にならないように 小腸病変:再手術率が高い。生涯を通じての配慮が必要。 病変部のみの小範囲切除、端端吻合 主病巣から離れたSKIPには狭窄形成 5cm以下の短い病変―finney型の狭窄形成 しかしゴムホース状腸管や多発病巣では切除の対象 最も多い回盲部病変――回腸右半結腸切除 この際十二指腸への婁孔形成を避けて吻合部を十二指腸から離しておく 大腸病変 小範囲切除 吻合 病変が広い場合は大腸亜全摘 直腸、肛門病変がなければ小腸直腸吻合を行う 肛門病変 膿瘍:可及的にドレナージ とにかくやばそうなら人工肛門にしろ。腸婁などではもたないぞ
適切な保存療法によってほとんどの症例で緩解導入が可能。最も効果的な治療として成分栄養療法があげられる。術後再発予防で成分栄養を指導し再手術率の著しい低下を証明した。 議論点 内科医師へ 1)UC:手術にまわすタイミング 現在の手術療法の特徴:人工肛門にならない。排便回数、漏便の点から括約筋機能をかなりしっかり維持できる。あまり薬物療法で引っ張らず、手術にまわしてもよいのでは。重症例だと、動注をやったり、白血球除去をやったりすると思いますが、緩解維持率はどうでしょか。これが低いようではいずれ手術ということであれば、早めに手術したほうがよいかと思うが。癌の症例を2例経験している。報告ではあまりガン化率は高くないが、癌のサーベイランスを実際のどのようにやっているか。活動期から脱した症例でも癌のサーベイランスは必要なのか これは外科医として自分で勉強しなくてはいけないことなのですが、内科の先生の知識から見て、IRAなどの場合で直腸粘膜は残した場合、これから癌は発生するものか。直腸炎型ではほとんど癌の合併はないと言われている。 |
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