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「さくら」

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さくらが咲きました。さくらが散りました。
はじまりとおわり、どちらのほうがかなしいのかな。

わたしは、どちらかというと、
はじまりのほうが、かなしい気がするんだ。

今日はみちにさくらがいっぱい咲いていて、
顔をあげるとさくらに少し笑われた気がしました。





「窓から見えるのは冬でした」

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藍色のリビングのカーテンを開いた。わずかに光が射す。
子供が一人…下校中だ。今日は雪、降っていない。

静かだな。冬は静かだと私はよく思う。
特にこの時間は、陽が落ちた色が雪に染まるため、
気持ちがどこか冬にさらわれていく。

この窓辺でピアノを弾いていると、
なんだかどんなことも忘れていく気がした。



「波の宝石」

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夏の暑さで眩暈がした。微かに塩の匂い。
波はうねる。何故だろう、こんな日を、
よく覚えている気がした。

あの日やこの日は人生の僅かにしかならないのに、
どうして想い出になるときだけ、
こんなに重みをもった石になるのだろう。



「雨を見ていた日」

 ダウンロード / ピアノソロver.

その日も、雨でした。

この病棟では数少ない窓から、雨の中走りゆく道路を見下ろしました。
家族のことを考えました。友達のことも考えました。
窓はとても冷たいです。濡れているからです。

その日も、雨でした。



「メモリー」

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忘れたいことは忘れられないのに、
忘れたくないことは、忘れていく。

教えてください。

あの日や、この瞬間は、この頭のどこから、
抜けていくのですか?



「遠き日よ」

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遠い日の空を想ってみた、かすかに懐かしい匂いがした。
今日は青紫の冬空が天高く流れる。綺麗だ、本当に綺麗だ。
遠い日もこんな風に冬空を見上げていた。
寒かった、本当に寒かった。



「0」

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化粧が落ちるから泣かなかった。

10月7日。出発の日。

この日のために生きていたようなもので。

遠ざかっていく故郷や、遠ざかっていく顔なじみ。
電車は加速していく。電車はただ、ただ加速していく。
町は薄れていく。見慣れた日常が薄れていく。



「海は泳いでゆく」

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水底から光が見える。ゆらゆらと光がうねる。
あぁ、海は深い、あの光まで行けるだろうか。

…――――ちゃぽん。



「彼女」

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彼女はよく笑う人だ。
僕が冗談を言うと、
眉間にしわを寄せて困ったように笑うんだ、君は。

彼女と出会ってから、1年半が経ちます。
僕は今日も君のことを想います。



「乗車-ソラヘノキップ-」

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帰宅時…15時35分発、普通列車に乗る。
優先席はガラリと空いていて、学生や年配の雑踏された空気の車両に座ると、
四角い窓から照りつく太陽が眩しくて、
思わず目を閉じる。



「題名は必要なかった」

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世界は一眼レンズと音楽で救えるはずだ。

流れる時間の中にいることは
もしかしたらすごいことなのかもしれない。

よくみれば
この世界には天使も神様も必然性もあるようだ。

ならば誰もが理解できない悪魔もいるのだろう
駅に溶け込むと世界は奇跡なのだとわかる。



「夜のタワー」

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風に吹かれて。聳え立つタワーの上で。
雲は泳ぐ。彼らは欲望に手を伸ばした。
ここにいる。確かに立っている。彼らは立っている。



「朝焼けのクリスマス」

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子供たちが寝静まり返った頃、大人たちは朝焼けの時間を過ごした。
子供の夢はやがて終わっていた、
「あなた、また見たいと思う?夢を」
コーヒーを片手に、僕らはまだ静かな窓の外を見つめた。

(株)クレオフーガ様主催、
クリスマスコンテスト「インスト/バラード部門」にて、「優秀賞」受賞。



「窓辺の雫の追いかけっこ」

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雨が窓の中で追いかけっこしてる。私はそれを眺めた。
ずっと眺めた。眺めた。

急ぎ足で流れていく雨は、駅前の街並みを思い出す。
どこへ行くの、知らない。