後立山 五竜岳から鹿島槍ケ岳'10.7.20~22 三日間とも晴 

初  日 白馬五竜エスカルプラザ=地蔵ノ頭-小遠見山-遠見尾根-五竜山荘(泊)
二日目 山荘-五竜岳-キレット小屋-八峰キレット-北峰-鹿島槍ケ岳-布引山-冷池山荘(泊)
三日目 山荘-冷乗越-赤岩尾根-高千穂平-西俣出合-大谷原=大町温泉郷薬師ノ湯

 まさに「梅雨明け十日」どおりの快晴の登山日和となりました。私にとって7月の夏山アルプス第4弾は後立山連峰の一角でお花いっぱいのうれしい縦走となりました。

ミヤマアズマギク(キク科)白岳直下の岩場に咲く

 ウィキペディアによると「後立山」という名称は、立山の背後にあることを意味するもので、富山県側から見ての呼称である。越中の古文献に「後立山(ごりゅうざん)」という山名があり、これは今の鹿島槍ヶ岳であるとされており、後立山連峰の北端は、旧北陸道最大の難所とされた親不知の断崖となって日本海に落ち込んでいる。南端は諸説あるが、一般的には針ノ木岳と蓮華岳の間の針ノ木峠を南端と解説されている。

 その山岳地帯の人気スポットでもある五竜から北アの三大キレット(他に大キレット・不帰キレット)とも言われる八峰キレットを越えて後立山の盟主でもある鹿島槍ケ岳をお花巡りの縦走です。

 前夜発の高速バスで信州入りして7:30の始発のテレキャビンでアルプス平まで上がり、いよいよ7:45に大縦走の始まりです。
 さすがにアルプス平の高山植物園など眼中にありません。地蔵の頭から小、中、大遠見山(大のみ頂上踏まず巻きます)を登り西遠見山を過ぎれば待ちに待った高山植物の出番でした。それに左前方には鹿島槍ケ岳北峰でしょうか、雪渓も鮮やかに雲間に見え隠れしています。

 白岳直下のちょっとした岩場にはシナノキンバイなどいっぱいのお花でした。アルプスの厳しい環境の中で毎年忘れずに可憐なお花を咲かせる植物たちを見ると心優しくなります。
 デジで遅れ気味の私を健脚のKさんには常に待ってもらいながらの歩みで迷惑のかけっぱなしの山行となってしまいました。

シナノキンバイ(キンポウゲ科) ミヤマクワガタ(ゴマノハグサ科)
山荘すぐ上から五竜を見上げる。 小屋付近に咲くコマクサ(ケマンソウ科)
チシマギキョウ(キキョウ科)花冠長毛、ガク全縁 ミヤマゼンコ(セリ科)葉無毛、表面つやあり

 早くも13時ころに五竜山荘に着いて昨夜の夜行バスの寝不足解消でした。初日は5時間ほどの歩きでしたが最後の急登でしっかり参りました。

 ゆったりとした山小屋でぐっすり休め、明けて二日目は5:20出発で今回のメインルート部分ですが、すばらしいお天気に励まされながらでしたが、さすがに岩稜続く五竜の登り下りはしっかり骨ある登山道が延々続いていました。でも健脚Kさんとですから快調に歩けました。

 人は頂に立つと心豊かになります。そうです、まさに360度の大パノラマには奮え上がるほどの感動でした。この景色は二度と見れないだろうと思うほどの大快晴の中でのすばらしきかな山人生?の感じでした。

五竜岳山頂からは西に立山連峰に剣岳が眼前にせまります
北には唐松の奥に白馬岳たちの山並みが続く
南に鹿島槍ケ岳の右奥には槍ケ岳ももちろんだ!
北東には火打、妙高や北信五岳などがずらりだ。

 大きな感謝を心しながら岩塊斜面をクサリやロープに梯子で進みます。この岩稜沿いの道は縦走の核心部で気の抜けない難所であることに違いないでしょう。でもそんな部分のルートを五竜山荘からキレット小屋には3時間25分で着いてしまいました。

 小屋前のベンチで休ませてもらっていると、今日はじめて逆ルートから下ってきた登山者が到着です。冷池山荘のテン場を4時過ぎに出発したとのことでした。ということはまだまだ倍以上歩かねばと気が重くなります。

 でもこちらはお目当ての八峰キレット越えがあるので気分は上々に乗っています。そして歩いてみればそのキレットもよく整備されており、へ〜これがキレット??と拍子抜けです。、、これなら五竜のG4、G5一帯の下り道の方がよっぽど骨あるなぁ〜と話しながらの通過でした。

 カクネ里の雪渓を見下ろしたり、ハイマツ地帯をうろつく雷鳥を覗いたりしながら岩稜帯を登って行くと前方には鹿島槍の北峰が近くなって吊尾根に到着です。

天狗尾根の下にはカクネ里の雪渓が見事 雷鳥の雄一羽がうろうろ
10:48~11:13まで北峰でゆったり大休止、左は五竜岳方向、右は鹿島槍ケ岳本峰だ。この頃よりガスが・・

 北峰より半時間ほどで11:44に鹿島槍ケ岳へ到着です。でももう五竜の山頂時のような展望は見れませんでした。

 一帯の稜線は東西で不均衡な傾斜をもっていますが、東の信州側は断崖で反対に西の富山側は比較的なだらかな斜面です。
 これは非対称山稜と呼ばれる地形で主に氷食作用によるとされています。この地形が五竜から鹿島槍一帯で特に顕著に見られるということです。

山頂から鹿島槍の北峰を見下ろす。 西に立山・剣はしっかり見えました。

 山頂でゆっくり遊んだあとはもう今日は冷池山荘に泊まるのみです。そんなことからお花を見ながらのんびり歩きしようとデジタイムの連続です。

 きれいな高山植物達はほとんど目新しいものはありません。でもカヤツリグサ科など地味なお花は山歩きの方々には見向きもされないようですが、私には目にとまります。

アシボソスゲ(カヤツリグサ科) イワスゲ(カヤツリグサ科)
コメススキ(イネ科) ミヤマオトコヨモギ(キク科)葉が単葉

 それでも鮮やかなお花もどうぞ!

イワベンケイ(ベンケイソウ科) タカネシュロソウ(ユリ科)アオヤギソウの花は黄緑色

 そして布引山を踏み北側に目を転じて牛首尾根のピークである牛首山を見下ろします。この尾根は鹿島槍ケ岳から黒部峡谷に落ちる稜線ですが、松本清張の黒い画集の「遭難」をいつも思い出します。ただこのミステリー小説は何度も読んでいますが、映画は覚えがありません。もう50年近い昔話しですから・・

 そして松本清張原作映画「ある遭難」のストーリーに思いを馳せながら、その後はいろいろなお花を愛でて今晩のお宿である冷池山荘に鹿島槍ケ岳山頂から1時間50分の亀さん歩きで13:50に到着でした。フゥ;;

キヌガサソウ(ユリ科) エゾシオガマ(ゴマノハグサ科)

 冷池山荘でもゆったりと過すことができました。地元の大町高校生の学校登山で60人が同宿でしたが、それでも混雑はひどくはありません。平日山行は最高ですね。

 そして最終日は5:40発で天候が崩れかけましたが、結局雨には全く会わずに最高の登山となりました。下り道は柏原新道から扇沢ではなく、やせた赤岩尾根を大谷原(9:00着)への急下り道をタクシー時間に合わせて歩いたのですが、それでも1時間半近くも待ちぼうけとなってしまいました。
 なお、大谷原最後の駐車場手前の橋の上のみ携帯が通じるとのドライバーさんの話でしたが、その情報は後の祭りでした・・笑

冷乗越のタカネイバラ(バラ科)葉は3〜4対 高千穂平から最後の鹿島槍ケ岳
クロベ(ヒノキ科)別名ネズコ の森で一本 キソチドリ(ラン科)*

 大谷原からタクシーで大町温泉郷にある薬師の湯で汗を流して、これまたガラ空きのさわやか信州号で帰京となりました。

 *ラン科ツレサギソウ属の同定ポイント
@正面から見て花びらが輪になったもの=コバノトンボソウ(距が跳ね上がる)・ホソバノキソチドリ(下がる)

A正面から見て頭の上に庇状に背ガク片が被さって花びらが中にあるもの
                         =ツレサギソウ(距が垂れ下がる)・オオヤマサギソウ(反り返る)

B正面から見て花びらが角のように飛び出て万歳しているようなもの
                         =キソチドリ、オオキソチドリ(距が下向きに曲がりこむ)
                         =ヤマサギソウ(距が日本刀のように反る)
                         =マイサギソウ(距の先半分ほどが持ち上がる)

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