京都北山小野村割岳'10.11.7 晴

広河原-佐々里峠-灰野岐-大蛇ノ木-杉の大倒木-雷杉(赤崎中尾根大杉群地上)
-911P-小野村割岳-三段ノ滝-二俣ゲート地-最奥一軒屋-下ノ町

 今日は立冬、もう低山の紅葉がいいだろうと2年ぶりに北山の小野村割岳(931.7m)へ向いました。それにしても暖かな立冬でした。

 広河原でバスを下車、すぐにあるトイレを済ませて佐々里峠へ出発です。(9:40~45) オバナ谷の山道は相当荒れているはずだからと車道歩きです。道はそこそこ登っていますが始まりかけているあたりの紅葉を楽しみながら45分で登山口のある峠です。(10:30~35)

 わぁ、えらい車や〜、ここは右の小野村割岳はもとより左に八丁廃村へも登山口があります。また芦生へも足が伸ばせる位置でもあるために、紅葉のこの時期は入山者が多い人気スポットのようです。 

 登山口には新しい梯子が架けられ急登のスタートですが灰野分岐(10:53)まで20分足らずでブナの紅葉をまず楽しめました。
 そして840Pからいよいよ稜線漫歩のルンルントレッキングの始まりです。今日のルートは標高差400mもないほどのお散歩気分です。でも道標などはほとんどなく、わずかにつけられた赤布と踏み跡を拾いながらの歩きですから道を失わないよう注意も必要でしょう。

 でも何度も歩いているコースでお天気といい黄金色の錦織りなす紅葉がいっぱい楽しめました。とりわけカエデ類には大満足の景観ですばらしい北山の一日となりました。

コミネカエデ 11:15~20 大蛇ノ木?と言ってるトチノキ
一帯はトチノキが多い。冬芽の頂芽は大きく樹脂でべとつき、葉痕は倒卵形で大きく維管束痕5~9個

 大蛇の木からすぐに倒木が道をふさいでいます。この大木は芦生杉だろう。今ではウリハダカエデやいろいろな幼木が寄生して横たわっていますが右側へ廻って通過です。(11:25)、もちろんあたりには紅葉の連続ですね。

 まさに稜線万歩です。わずかな上り下りをこなしながら、いろいろなカエデ達(ウリハダカエデ、ヤマモミジ、コミネカエデ、イタヤカエデ、エンコウカエデ)の同定をしながら進みます。

 そして芦生杉の大木群落のある赤崎中尾根の上部の平らな地の雷杉が近くなってきました。そこまでにも紅葉はずっと続きますが、2~3mの木で大きな黄色の葉をつけたものが目立ちました。近寄るとムシカリだったのです。この木の冬芽はシュワッチ!と変身するあのウルトラマンと言われて樹木好き人種に親しまれていることで有名でもあります。

ムシカリ(別名オオカメノキ)スイカズラ科、糖分の葉を虫がよく食べて葉がシースルー状態になることからの謂れ

 雷杉に着きました。(11:40~12:33)、ここで大休止で大勢の方々と同じように昼食としました。

雷杉、まだまだ元気に生きています。 中に入って上を撮りました。
反対側からの姿です。 この地も見事な紅葉が広がっています。

 自然の中に溶け込んでの鍋であまりに美味しくゆっくりしすぎたため、下の芦生杉大群生地へ降りるのを止めてしまいました。何度も見ているので先を急ぎました。
 その先にはまたまたコミネカエデのすばらしさにぞっこん!感動がどんどん深まります。

 小ピークから進んで鞍部ではアズキナシかな、いや違う、なんだ?といろいろ考えるとツノハシバミでした。。この種には単にハシバミもあるのですが葉の形がやや異なります。また花も前者は同じ所から1ないし2個つきますが、後者は一枝の違う箇所から2〜6個つくのが区分点のようです。 

ツノハシバミ(カバノキ科)の冬芽、手に持ち撮影 そばにはもう花芽が展開しているものも・・

 同じコルの近くにはカマツカ(別名ウシコロシ)も黄葉していました。材が丈夫で折れにくく、鎌の柄や牛の鼻輪などに用いられていたことによる謂れあり。

13:00 エイリアンの地などと白い札に書かれ・・ カマツカ(バラ科) 鋸歯が目立つ

 そして今は廃道?となっているらしい赤崎東谷のコルから911Pの大杉の地です。(13:22~42)、この大杉にもいろいろな樹木が寄生しています。分ったのは常緑のモチノキに落葉樹のコシアブラなどが大きくなっていました。

 この地は地形図はもとよりガイドブックにも必ず911と表記ある場所ですが、ここを左方向の尾根へは芦生のトロッコ道へ下れるのですが、ロープで通行止めにしています。
 通常ルートはここを緩く右へ下ってブッシュを過ぎ、南のサエ谷分岐を見送って左の東方向に緩やかに登って向うのが小野村へのコースとなります。

 サエ谷分岐から上がってすぐに木肌の見慣れない大木が出てきます。よくよく見れば葉が残っている木もありイタヤカエデと判明しました。このカエデも高さ15〜20m、直径50〜60cmにもなるようです。

 また大木のイタヤカエデから5分ほど歩くとナツツバキのこれまた大木です。ツバキ科ナツツバキ属には次の三種があります。主たる相違点を列記してみましょう。

葉身 開花時期 花の大きさ 樹皮の様子
ナツツバキ 4~10cm 6~7月 5~6cm 古い樹皮が剥げ落ち赤褐色の斑紋
ヒメシャラ 4~8 5月 1.5~2 薄片状に剥れ淡赤褐色でなめらか
ヒコサンヒメシャラ 3~7 7月 3.5~4 赤褐色から黄褐色で横線が目立つ

 このナツツバキから10分も歩くといよいよ赤いポストが離れたところからでも眼に入る山頂の小野村割岳に到着です。(14:10~30)、ここには3等三角点が埋まっています。
 ここは樹林帯の中で展望がない小さなピークとなっています。頂上そのものは魅力に欠けますが佐々里峠からここまでの道のりが素敵ですから人気があるのでしょう。

 山頂から東側に小さな支尾根が下っています。この尾根は思い出の道です。10年以上も前にカヅラ谷でビバークした時に蛍の乱舞が目に浮かびます。そしてこの尾根から小野村へ登ってきたことがあります。またいつかはカヅラ谷から詰めて上がってきたいところです。

 下山は南へ急坂を下って石ころで歩きにくい長い林道歩きとなります。林道からの山肌もきれいに紅葉です。そして三段ノ滝は元気に水を落としていました。この滝の右下には3本ほどトチノキの大木が立っています。

道端にコンフリー(別名ヒレハリソウ)ムラサキ科 有毒 15:20~25 二俣のゲート地

 この林道はとても長く結構疲れます。そして最奥の一軒家までくるともう下ノ町バス停は近いです。その停留所の手前の原っぱで熱い飲み物で時間調整します。
 するとジョウビタキがヒッヒッとよく通る高い声で電線の上で鳴いてくれました。この鳥は鳴き声からヒッカチ、翼の白斑から紋付き鳥、人を恐れないことからバカッチョなどさまざまなニックネームで親しまれている鳥のようです。

 また木の枝をひっぱっていろいろの種類を見ました。ツノハシバミやダンコウバイにエンコウカエデたちです。

ダンコウバイ(クスノキ科)長い葉芽、丸っぽい花芽 エンコウカエデ 細長く裂けた葉を猿の手のよう・

 最後は広場の小川を挟んだ向こう側の広場には長い大砲台のような姿の異様なものが置いてありました。これは広河原の松上げといって毎年8月24日に夏の火祭りに使用される台座のようです。 

 このようにのんびりした紅葉巡りの一日で17:05の京都バスに1時間40分も揺られて北大路まで帰ってきました。山歩きは休憩を入れて6時間半のゆっくり歩きでした。

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