京都東山蹴上から大文字山'10.11.11 晴

蹴上-日向大神宮-天岩戸-七福思案処(大日乗越)-トレイル41-45-大文字山
-火床-銀閣寺-哲学ノ道-法然院-若王子神社-永観堂-南禅寺-蹴上

 大文字山といえば例年8月16日夜、夏の夜空にくっきりと浮かび上がる「五山の送り火」は祇園祭と並び京都の夏を彩る風物詩として全国的にも有名です。この山に登ってきました。

 またこの山にもいろいろなコースがありますが、今回は蹴上から登ることにしました。そう蹴上といえばインクラインであまりにも有名なところです。
 その「インクライン」は傾斜鉄道とも呼ばれ運河や山腹など傾斜となった路面で貨物を運搬するためのレールや機械を指すのですが、この京都のインクラインも水力発電を利用した舟を運ぶための鉄道であったのです。

 京都市営地下鉄蹴上駅の北側1番出口を上がると目の前の三条通りの向かい側に京都市水道局が管理する蹴上浄水場の建物が目に入ります。
 この蹴上の浄水場は京都市民は誰でも名を知っているくらい有名で、1912(明治32)年に竣工された京都市で最も古い浄水場だそうです。

 この浄水場を見ながら山科方向に進むとすぐに北側(左側)へ日向大神宮と青龍山安養寺の石柱の間に石の鳥居が建立された場所に到着です。
 これより神社へなだらかな石のスロープを行くと出ました。インクラインです。

8:40 道路沿いの民家に挟まれて鳥居立つ 8:45 疎水にインクラインの舟の台座

 大神宮の内宮、外宮までの途中にはヨメナがきれいに4輪ほど咲き残ってくれていました。それともノコンギクの仲間のコンギクでしょうか。野菊の仲間の同定には冠毛が長いか短いかを見るのが早いのですが、そのチエックをすっかり忘れてしまいました。ちなみに花の色での見分けでなく、冠毛が短くほとんどないほどのものがヨメナと見るのがいいでしょう。

 あたりは樹林に囲まれ薄暗いですが細い道なのに上の方にまで車が並んでいます。そして石段の上には神社が見えてきました。

8:49 ヨメナ咲く 8:54 階段左に観光用トイレあり

 そして外宮より上にある内宮の日向本宮左横側から登ってすぐで天岩戸の祠です。せっかくですから開運厄除の神さん詣でにご利益のありそうな天の岩戸をくぐりましょう〜〜

 その後は登山道らしくなり、枝道が多いのですが京都一周トレイルの道標にしたがって進めば道を迷うことはないでしょう。尾根道を北に進むとはじめはヒノキの樹林が多く、徐々にシイ、カシ、リョウブ、アカマツなどの樹林となります。
 さらに登るとやや下りになり鞍部に七福思案処(大日乗越)と呼ばれる分岐のトレイル39に着きました。左は南禅寺方向、右は山科の毘沙門堂への道など6方向に分かれる分岐で、どちらに進んでいいか迷うので七福思案処といわれるとか。昔はもう1方向あったのでしょうか。

9:10~15 七福思案処(大日乗越) 左の地にあるトレイル39の標示

 この六差路を来た道から真っ直ぐ西方向に緩やかに登り気味に進みます。付近にはカシノナガキクイムシによる被害で伐採されたミズナラ類が小さく切られて白いビニールで覆いがされて片付けられています。上の左画像にも写っていますね。また赤いのは火の用心の垂れ幕がかかっています。

 そして大分登って行くと大きな岩が転んでいる場所を通過し、急な登りの赤茶けた滑り易い岩場を登ると一気に展望のよい場所にベンチが設置され先客の女性二人が休んでいます。どうやらここが最初の展望台のようです。私もここで山座同定がてら休憩しましょう。山科の街並みの左の南東よりには音羽山に千頭岳も見えます。

9:23 大岩転ぶ地 9:28 最初の展望地から音羽山、千頭岳

 さらに進むとトレイル41で右の踏み跡を5分ほど行き火災後が開かれて二回目の展望地に出ました。ここからの天王山、ポンポン山に小塩山の西山の山々がはっきり見えます。そしてまた41に戻って右に5分も歩くと西向き(左)に愛宕山と竜ヶ岳でしょうか。きれいに見える三ヶ所目の展望台でした。この場所にもベンチがありますがでも樹林が一番せばまっています。

9:51 二番目展望地からポンポン山など西山連山 10:00 三番目展望地から愛宕山や牛松山

 大分歩きましたがようやく大文字山直下のトレイル45地に着き、滑り易い登りを左に折れるとすぐに今回のコース中一つだけの三角点地の頂上に到着でした。

10:33 この標示の上に滑り易い道を上がる。 10:35~48 大文字山 465.4m  3等三角点
左より天王山、ポンポン山、小塩山の西山一帯 愛宕はほとんどダメ、東の音羽は見えます。

 誰も居なくなったので山頂から西方向に急な下り坂を火床へ向って進むと大勢の方が登ってこられます。そしてさらに下ると視界が開け、京都市内が目の前に広がりました。
 この位置が送り火、大の文字の上の火床へ降りて行きます。三角点から12分かかって丁度11時に火床へ降りましたがここの展望がやはり最高ですね。
 そして観光客らしき方々がいっぱいです。。こちらもお天気もいことからお昼としましょう。(11:00~40)

 ゆっくりしていると私の名を呼ぶ方がいました。知り合いの方がお二人で登ってこられたようです。いろいろ話し込んでしまい、気がつけば40分も居たことになりました。すぐに下山です。
 ここから銀閣寺に向けて下山します。道はいくつかありますが一番無難なルートは大の字の北側からで、長い急な階段を下りしばらく下ると千人塚といわれる広い場所にでる道でしょう。

 千人塚とは第二次世界大戦末期、軍が本土決戦に備え、そこに高射砲を設置するため地面を掘ったら、おびただしい人骨の入った壺がたくさん出てきたので呼ばれるようになったそうですが、その場所にお地蔵さんが祀られています。その人骨は応仁の乱の時代のものとかいいます。。

真西へ愛宕山に竜ヶ岳のすぐ左後ろに地蔵山 北に桟敷ケ岳、雲取山、右端に皆子山が最奥か
11:48 千人塚 さすがに京都文化の森です。風致保安林

 そして銀閣寺に下山しました。途中には二ヶ所の水場もあります。降り最中には沢山の方たちが登ってこられさすがに観光地の大文字さんです。みなさんしんどそうです。あまり山歩きされている方はこんなコースには来ませんものネ・・

12:13 銀閣寺門前です。 いっぺんに観光客に変身です〜

 今日は3時間半くらいの歩きでは私には物足りなくて、哲学の道から法然院や若王子神社を覗き、その足で永観堂に南禅寺まで観光し最後は蹴上経由で帰ることにしました。

大文字焼きの火床を見上げる 哲学の道の桜の紅葉
法然院の紅葉はまだまだ先のよう・・
エノキ(ニレ科)この木は赤色色素のアントシアンが弱く、黄色の色素のカロチノイドが目立って黄葉となった。
こちらのモミジは光合成による糖分が多く蓄積され赤色色素のアントシアンが目だって紅葉がきれい!
若王子神社には大木のナギ(マキ科)が植栽されています。
以上が哲学の道コースまでの様子です。この下の画像は哲学の道以南の様子です。
永観堂の紅葉は大分色づいていました。 池にもきれいに紅葉が映っています。
南禅寺南門 ご存知!水路閣

 『紅葉のメカニズム

 あの美しい紅葉は実は樹木の生態保護システムなんです。つまり木々が自分の生命を守るための知恵の一部なんです。紅葉するのは落葉樹ですが、その名のごとく毎年秋から冬にかけて葉を全部おとして丸坊主になります。

 植物は常に葉の気孔から水分を蒸散させて体内の水分量を調節しています。雨量の多い時期には余分な水分はどんどん体外に蒸散させればいいのですが、冬期になって水分量が少なくなってくると葉からの蒸散は逆に木に必要な水分量まで減らしていきます。水分は植物にとって命綱ですから必要な水分量が不足すれば大ピンチとなります。

 そこで水の少ない季節は蒸散を防ぐために葉を落として身を守るわけで、この落葉に至る一過程として紅葉という現象がおきるのです。つまり紅葉、黄葉は落葉の準備段階すなわちプロセスということです。

 さてその紅葉の具体的なメカニズムについてもふれてみましょう〜

 水分量が少なくなってくる秋から冬にかけて気温の低下とともに葉柄の基部の部分に離層というコルク層が形成され、葉と茎の間で水や養分の流れが悪くなって「光合成により作られた糖分が葉に蓄積され、これからアントシアンという赤い色素が作られ、クロロフイルという葉緑素が分解されて緑の色素が減少する」と紅葉になります。

 これらの過程でいろいろな紅葉になる一方で光合成による糖分の少ない葉は赤色ではなく、今まで目立たなかった元々どの葉にもある黄色のカロチノイドという色素が目立って現れてきて黄葉となります。

 植物の種類や土壌、日照などにより、これらの過程には個性があり、赤、黄、まれに橙、紫色というように様々な色合いの葉となります。

 私たちを楽しませてくれる紅葉は実は植物の保身術の副産物で、理屈が分ってみると一枚の落葉もワァー可愛い、きれいだねと感じていとおしくなりますね〜〜♪

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