湖北 伊吹山'11.1.20 雪

 1月20日は大寒です。大寒は非常に寒いと言われます。そんな日にはからずも昨年と同じ日に伊吹に靴が向いてしまいました。
 京都駅で電車を待つ間に東の音羽山方面を見ていると低い雲があるとはいえ青空が大きく広がっています。湖北の方もなんとか青空でなくとも雪はこないでほしいなぁと不安げにプラットに立っていたのです。

 ところが思いとはうらはらに、彦根あたりからきっちり雲が広がり青空はなく、付近の墨江のような景色を見ながら近江長岡駅前から足早にバスへ乗り込みましたが、運転手は待っていたかのようにすぐに私だけを乗せて発車でした。
 もちろん他に一般客も乗っていません。去年はもう少し早い時間のダイヤがあったはずですが、今年は駅前8:45発が一番です。ほんとうはもっと早い時間がいいのですが、どんどん本数が少なくなるようです。このような乗客数では止むを得ないでしょう。

 走り出すともう雪が降りだしてきました。ヤヤ、これは困った、麓がこれなら上は相当だろうなと運転手にこのところの雪の降り具合などを聞き込みです。
 その運転手によると雪はこのところ毎日降っていますよ。今日もこれからも降るでしょうね。登山者は土日は何人か登ったようですが、平日は見ませんね。お客さん、大丈夫ですか、こんな日に登って気をつけてくださいよ。
 いやいや、ここは何度も登っているから大丈夫でしょう、でもあまり無理はしませんけどね・・などと話し込んでいる内に登山口の三宮神社到着でした。

 神社下のトイレ内で出発準備を念入りにし、1合目まではつぼ足で上がり、そこからスノーシュー装着、アイゼンは持つも万一以外は利用しないでいこう。それに歩くにしたがって降雪が激しくなって視界が利かなくなった場合は潔く撤退しようと心に決めて9:30スタートでした。

 登山口の標識の立つ石段を見ると足跡が二人分あるようです。それに駐車場には岐阜と滋賀の車が並んでいます。オッ、先行者がいるようです。わずかにトレースもありそうだからシメシメと口元も緩めながら一合目まで上がります。

 さすがに一合目までくるとどっさりの雪でした。すぐさまここでスノーシューです。上手い具合にこの時には雪は止んでくれていました。ちょい上のトイレは水も流れて今年は使用可能でした。それよりその入り口前のきれいな風紋に思わずパチリでした。

 少し上がるともう前に一人の姿が見えてきました。ワァ、これはすぐ追いつきそうだ・・でも仕方ないななどとよからぬことを考えながら歩くとしよう・・でした。もちろん最初は雪は降ったり止んだりでしたが、標高を上げるにしたがい次第に落ちる雪は多くなるようでした。

 お寺さんからロッジへの道路あたりで二番手にお先に!と交替です。その後は二合目は巻かずに先行者が直登して進んでいます。
 この短い登りを上がって先行者が次は直登せずに巻き道(夏道)を進みかけている所で追いつきました。ラッセルありがとうございました。どこまで行けるか分りませんが変わりましょうと声かけして先行します。
 私はその方に一声かけ、ここから巻くと頭の上に樹木の雪がかかると思われるので巻かずに直で行かせてもらいますよと断って直進です。

 さぁ、いよいよラッセル車だ、頑張れ!と我が身に言い聞かせてどんどん進みます。ところが20分ほどしか歩いていなかったのですが、進んだ地は360度がまったく視界0となってしまいました。すぐに磁石を確認し、東北よりに進路をとりますが、このような経験はあまりないというよりこれほどまで全くホワイトアウト状態は覚えがありませんでした。

 このような視界の皆無地よりわずかずつ進んではみるのですが、イヤ待てよ!、このような状態であっても勝手知ったる伊吹山の地形だ、大丈夫だろう、イヤ待てよ!、こんな状態で先に進んで、もし帰りのコースを失った時にはどうする?などなどいろいろな思いが堂々めぐりとなりだしました。

 そうだ、スタート時点の今日の予定はどうだったのか、そうだ、無理はしないと心に決めていたのではないか。これで今日の伊吹山は幕が下りました。
 その場所は西側に小ピークがあって東側に三合目の古い昔の標柱の立っていた比較的平な地点でした。(11:00ころ)
 (下山してから思ったのですが、ここの地点の視界0のあたりでどうして写真を撮らなかったのだろうかと、でもその時点ではまったく写真など頭にはありませんでした。)

 そうと決まれば逃げ足は早い速いと思ったのですが、もう自分のトレースは消えて無くなろうとしているのです。なんとか磁石を南側にとりながら急坂を行きかけて、そうだ、この左にはセツブンソウが咲く所だと、ようやく余裕が出てきました。
 そして下れば下るほどトレースがはっきり残って見えるようになり、ヒヤリハットの気分はもう消えてしまいました。

 それより後に来ているはずの二人の方はどうしたのかなぁなど思いながら急坂を半分ほど下るとようやく視界がききだしました。すると下の方へ一人ずつ下山しているのが見え、さすがに撤退が早いなと安心して見下ろしていました。

 こちらはここまでくればもう荒れることはないだろうと、スノーシューであっちへいったりこっちへ行ったり雪遊びです。 

 それでもまだバスの時間には時間がありすぎると一合目からは遠回りの林道をとろとろテクテク時間潰し、しながらゴンドラ駅舎へ下山でした。(12:30)

 この駅舎もスキーシーズンのごった返した時代に伊吹へ登ろうと大勢で利用したのも、もう何年前でしたか忘れるほどの時が経ちました。そうだあの日も八合目あたりでしたでしょうか、その当時はまだ祠が祀ってあったあたりで撤退したのを思いだしました。

 ゴンドラの使用が止まってしまい、あたりに人影もなく降る雪を淋しく静かに上へ上へと受け止めていましたが哀れなものでした。

 結局哀れな各単独行の3人しか入山していなかったようです。そうです、こんな天候の日にやってくるのがそもそも可笑しいのです・・・でもなぜか去年の今日は頂上まで登頂しているんですね。

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