比良植谷峠からの蛇谷ケ峰’15.2.24 曇り

 朽木大野-高乗寺-P437-P535-P792-植谷峠-P816-西峰反射板-蛇谷ケ峰-西峰コース-朽木大野

 今年も朽木大野から植谷峠に登り、蛇谷ケ峰を踏むことができた。3月下旬のような温かさと黄砂の影響を受けて、足元は緩んでシューも重く、頂上からの展望も伊吹等もまったく見えないほどの状態で、山日和の言葉はかき消されてしまったのが残念であった。ただ、今回はいつものソロと違って健脚揃いで山の心に通じるごとき会心の山友に恵まれ、単独行とは別の楽しみの術を得る一日でもあった。

 今回はマイカーに便乗させていただき、いつもと異なり路線バスでは考えられない時間や取りつきまでのアクセス等の快適さには頭が上がらないほどの感謝でいっぱいであった。この度の朽木大野集会所(8:16)は周回ルートの行程にジャストヒットの地点もうれしい。欲を言えばあたりへトイレ設備がないのだが、それって贅沢をいいすぎだろう。また、比良山塊もご多聞に漏れず、どのピークも似たり寄ったりの最初の急登の取りつきであるのだが、これが山登りというものだと心に決めての歩き初めとなるのは承知しておきたい。

 植谷峠へのこのルートでも最初の急登は標高差150mほどのために、初級レベルをしっかり歩けている足なら十分楽しめるコースであろう。ただ、登りはそんなに頭を捻るほどでもないにしても、降りに使う場合ではやや地図読みが必要となりそうだ。
 また、今回のルートのように西峰コースを、初めて降りに取ろうとする場合にはそれなりの注意が必要であろう。多雪のこの時期では読図力が発揮できることも知ったうえでの入山としたい。なぜなら、西峰コースへの人の入りはそんなに多くなく、トレースのない場合が時としてあり、やや入り組んだ尾根交差等もあったりして、心して歩きたいものだ。
 それでも、西峰コースの場合ではCa600くらいの共聴アンテナの設備あたりまで降りてくれば、その後にはもう「猪ノ馬場」が近くなり、その後に「蛇谷ケ峰登山口」というそれぞれの立派な道標が現われてくれるので、本日の山がみえるであろう。。

 さて、どう見ても一般民家のようにしか見えない高乗寺というお寺さんのそばから尾根に取りつけば、掘れた古道らしき道形が上がっている。その道らしきものも倒木など多く、決してそのとうりには踏めないにしてもほぼその近くを辿って進もう。
 この急登の汗により、途中で温度調整を早々とすませ、まもなくP437(9:00)あたりから斜度もなだらかとなってくれ、加えて一面の雑木林の中に若い松林の森が続いており、気持ちも穏やかになってくれるのだ。そして左前方にはこれからの地である西峰最高点に立つ関電の反射板が目に入ってきだす。早春の頃には山の幸として喜ばれるであろう、あの新芽の天ぷらが目に浮かぶコシアブラが先々に立っている。でも樹高があってゲットは容易ではないだろう。

 ほどなくP535(9:30)を確認し終われば目の前に樹林が覆いかぶさってきた。や、また急登だなと心する。でも自然林の続く山肌は嬉しい。ほどなく斜面の雪原が白く見えだすと東よりに切り替える尾根に乗ってP792(10:22)だ。この雪上からは武奈ケ岳が凛々しく見下ろしてくれている。お~武奈だ~~と一同感嘆の声しきりであった。

         
 P792からの武奈ケ岳や釈迦岳    同じくリトル比良    反対の北側を見れば反射板地と蛇谷ケ峰

 Ca770の植谷峠(10:42)到着だが標識もなく、無雪期なら細い30cmほどのコンクリート杭だが雪に埋まって、ここが植谷峠ピークだと声しても、どなたも感動らしき顔とはならない。そもそも峠とは昔から鞍部、コルだ、ピークだ、乗越、越、乢だといろいろあって地方によって、はたまた時代によっての解釈もまちまちのようだ。いずれにしても遠い昔の人たちの生活の一部であったのに違いないが、祠ひとつ見当たらないほど大昔からの過疎の一帯だったのだろうか。昔日の面影なく、今は杉林に囲まれて四周はそう広くない。

 でも、稜線には太古の時を経ていろいろな姿形をした大木の杉が林立している。やっぱり長い年月の中に行きかう旅人たちをこの大杉たちが見入ってきたのだろう。自らもその一員になれたのかとも心なしか肺腑を衝かれるひと時となったのだ。

 

 山の言葉に稜線漫歩があるが、この道がまさにこれではないか。今日の展望は近在だけとなったが、それでもなんとか指呼の間の山並み展望はもとより、自然林のメンバーたちにはモミノキの若木やウリハダカエデ、カナクギノキ、カマツカ、イヌシデやミズナラ、イワガラミなどが目に入った。
 でも、人はいろいろだが、この身にとっては小低木たちを取るに足らないと痩せ山の雑木と素通りしてしまわず、これはカヤですか?、あれはキンキマメザクラかな・・などと声が出て、このような山歩きのメンバーの中にいるのが嬉しさ一条のよろこびといえるのだった。

 短い稜線漫歩の終盤となればやや登ったところがP816(11:10)あたりで、目指す西峰最高点の反射板や白い雪原広がる直登道の走る蛇谷ケ峰が近くなってきた。そして真っ白の急坂を上がればそこに反射板地(11:40)だ。その東にはわずか900mほどの頂が待ってくれている。その手前の最後の展望適地からもやはり北側の高島の山並みも少しだけ白っぽく見える三重ケ嶽あたりがぼんやりしているくらいで、留まる用もなく蛇谷目がけて最後の大登りとなった。

         
 造林公団の消えてしまった看板、バックはP816    融けかけた雪庇は鋭さ見えず・・    関電反射板見つつ前進・・

 着いた山頂の蛇谷ケ峰(901.7m3等三角点)の山名札もほとんど埋まっているのも久しぶりだった。もちろん360度の展望地なれども登山者の姿皆無の静寂地だ。南側に釣瓶、武奈の左には北比良の山稜でありカラ岳にヤケオ山を従えた釈迦岳が頭をもたげており、その左にはリトル比良の山並みが落ちている。
 だが、今日は大気汚染粒子のPM2.5や黄砂の影響だろうか。一面よどんだ空気が流れているのだろう。くっきりはっきりとした展望の一日を望むべくもなさそうだ。ここでツエルト内で今日ばかりは賑やかに昼食(11:57~12:45)をとって頂の憩いとしよう。そして、たっぷりとみんなの談笑を楽しみ、いずれも同じ思いの面々でいつまでもその腰を上げたくはない思いではあったのだが、みんな手際よく片づけも手早い。

     
反射板地へ最後の登り    蛇谷ケ峰も雪まだ多し

 さぁ、後はほぼ下り道オンリーだろう。そして シューの駆け下りを楽しもう。比良朽木の昔話にも出てくる「天狗の森」は反射板ある西峰最高点から、すぐ西よりのCa850あたりが歴史上の「天狗の森」だろうと話すのであった。

 でも、こちらの雪の降りはもう何年もやっていない。小さなピークに上がれば地図を広げないと進めない始末であった。右だ、左だと尾根を見つけてどんどん進み、P791(13:19)となった後も調子にのりすぎて尾根を降りれば、後ろを歩くGPS担当から「ちょっと尾根を進み過ぎでは・・・」との呼び声だ。
 しまった、やってしまったのだ。磁石を合わさずに尾根をそのまま進んでいたのだが、早めの声かけでことなきを得て、少しのバックで方向修正となった。すると前下方へ見覚えのある共聴アンテナ設備(レスキューポイント蛇谷ケ峰9)を射程に捉えて一本(13:55~14:00)とした。犯したすぐ上でのミス地点は登りとした場合には仕出かさない地形だったのはもちろんであった。

 
共聴アンテナ設備(レスキューポイント蛇谷ケ峰9)

 こうして、猪ノ馬場の道標を見れば、もう下山したも同然の気持ちとなって俄かに気が緩み、地図を仕舞い込み出てきた薄いトレースやテープを頼りの安直な歩きとしてしまったのであった。すぐに林道終点地の蛇谷ケ峰登山口との道標地(14:28)で、これより林道歩きからショートカット道をとって、朽木大野の集会所へ下山(15:06)となったのである。メンバーの皆さんどうもお疲れ様でした。

 同行者よりの本日の軌跡は↓のとおり

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