京都北山 北山の春を探しに  15.3.20 曇りのち晴れ 

 京の北山は四条大橋から上流を眺望すれば春霞にぼんやりと目に入ってくれる。この山並みが重なりあう山々にも、たとえ深い雪が続いた日々があったとしでも、やっぱり春はやってくるのだ。そう、その待ちに待った春がもうそこに来ているのだろうかと北山へ出向いてみよう。
 それでも峠の温度計は8度と挙がっている。車中で一枚脱いでバスを捨てるとやっぱりブルっとした。そうだ、少し身体を温めようと、どうしてもすぐ山モードとなってしまう私の性(サガ)が疎ましい。山道の足元には冬の足跡の北山の雪は消えてしまっていた。これが春だなと顔を上げれば、まばらな雲を配した青空がそこへ広がっていた。心なしか思わず微笑むのがなんとなくうれしい。
 そうだ、今日はどんな花に出会えるのだろうかと心さわぐも、一面に咲きさかる花たちの群れは心中でおさめ、一輪でもよしとしよう。ぼんやり花たちの姿を想いながらやがて山峡の谷あいを歩くのだ。ところがそんな気持ちもつかの間で、どちらの山合いの渓谷でも土砂の崩落という度重なりに自然は悲しい。やってきた心待ちの地はやっぱりその痛めを受けていた。どうみまわして見ても花らしい草の蒼さもかき消されている。心奮わせながら次の地へと飛んで行こう。
 でも、でも、やっぱり群生の程があまりにもわずかで群落とはいいようもない。心入れ替えよう。これだけでもまだ残されていたのだからと・・。こうして心静めたのだが、その花はまだまだ蕾膨らんだばかりのようすであったのだ。う~ん、残念、やっぱり急いていた我が心がやるせない。だが、その蕾のそばにはようやく目覚めたよといっている声が聞こえそうな花が咲いていたのだ。それはボタンネコノメソウやヤマネコノメソウたちであった。これぞ北山に春を知らせてくれた花のネコノメソウの仲間たちだった。


ボタンネコノメソウ

         
いろいろな姿 

 
ヤマネコノメソウ

 ところで、この仲間たちには友が多く、日本中では20種類を越えるほどもあるのだろうか。とりわけ、ユキノシタ科ネコノメソウ属の中の最も人気種と勝手に思っているハナネコノメと、その母種であるシロバナネコノメソウを植物学の専門家達が取りあげ、それらの萼片の色合いから、先端の形や、雄しべの長短や葯の色合い、それに毛の有無など詳細に調べあげ、それらが近畿地方を中心に大変乱れていることを報告したようである。
 もちろん、ボタンネコノメソウやヒダボタン等においてもその現象が図鑑ですら説明等表記が追いつかないようで、そのようなことからネット上での説明は千差万別といえるほどの乱れ様であるように思われるのだが、如何なものだろうか。

 他に楽しませてくれた野草たち

             
 ハナネコノメ開花までまだかかりそう    コチャルメルソウ花弁は7~9裂する    カテンソウ(イラクサ科)    トウゴクサバノオ16時前でしぼんでた・・

 さてさて、我が心はこれで北山にも春がきたのだと心静めることができたと喜ぶのである。そして小さな沢の流れる静寂境の中に、遅めのテーブルを広げてゆったりと心洗われながら、今度の再訪はハナネコノメの満開の頃としようと心躍らせているのであった。

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