京北京都一周トレイル黒田コース’15.4.16 晴

 今年の桜はすっかり雨にたたられ、花見をできずになってしまった。そうだ、京北まで足を伸ばせばまだ桜が残っているかもしれない。それに長かった菜種梅雨も終わりとなって春の装いだ。長いJRバスの道中には閉口したが、不断はバス便が少なく移動には難儀するが、今回は観桜期間中のためにふるさと公社の臨時便が連絡よくアクセスしてくれていた。

 周山でJRバス便からふるさと公社便に乗り換え、山国御陵前下車であった。ちなみに京都駅からここまで1時間40分もバスに乗っていたのだ。でもあたりはすっかり長閑な山村の風景が目に入って、ビルの砂漠の都会から、その点ではわずかな時間差で、一遍してどこまでも広がる田舎へと極端な装いの違いに心身ともに戸惑うばかりの心根である。

 さぁ、今日は古い古い桜の花見としよう。参道にはやや終盤なれども見事な一本桜が出迎えてくれ、期待感が膨らむ。それに歴史的にも格調高き天皇家ゆかりの古社寺なども存分に楽しませていただこう。まず最初は常照皇寺だ。この寺は南北朝時代に光厳(こうごん)法皇によって貞治(じょうじ)元年(1362年)に開かれ、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺であり、臨済宗天竜寺派に属する禅宗寺院です。と京都府のHPにある。もちろん、木造阿弥陀如来および両脇侍像(重要文化財)のほか、大原三千院の三尊仏に似た「大和坐り」の観音像など、多くの仏像を擁しているという。

 しかし、お目当ては桜であった。ここでは、光厳天皇お手植えの国の天然記念物の「九重桜」、後水尾天皇命名の一重と八重が一枝に咲くという「御車返しの桜」、岩倉具視が御所紫宸殿より移植された「左近の桜」と名木が境内に並ぶといわれている。

 勅額門から勅使門をくぐればいよいよ方丈から開山堂であった。だが、最大関心事の国の天然記念物九重桜は残念ながら、ほぼ散り始めていたのが悔やまれた。でも由緒ある皇室ゆかりの開山堂の庭に見られるこの桜は実に優雅だった。一時たりとも自らのウサギ小屋暮らしを忘れて、このような長き歴史ある立派な庭に身をおけたことが何よりも満足気分大なるものがあった。

 さらに、庭のすぐに立つ御車返しの桜は三四部咲きの様子で、これから満開となるとのことであった。だが今でも十分見事な花びらを見せており八重と一重が楽しめた。

     

 最後は左近の桜だが、これもまだなんとか咲き残ってくれており、本年の桜の花見もどうにか終えることができた。もちろん、バスOKの駐車場広しでWCの確認も忘れません。

 さてさて、実のところの本日は花見を口実に、京北トレイルの黒田ルートを下見してみようとやってきたのだ。京北トレイルはこれまで黒田を除いて、全行程を一日でスルーしてしまう歩きを二度やってはいるのだが、残っている黒田ルートで完歩の仕上げとしたい。

 上桂川にかかる山陵橋が道標K-1でスタートだ。ここには上桂川沿いに立派なPとWCが完備している。左岸沿いの山麓に新しく整備された車道歩きも沢一帯に咲く山野草を見ながらいこう。クロモジ、ボタンネコノメソウ、ネコノメソウ、ミヤマキケマン、モミジチャルメルソウなどが丁度花時であった。

         
 クロモジ    ミヤマキケマン    モミジチャルメルソウ

 この道は車がまったく通らないのどかな車道歩きができ、ひとり占めの道路はなんだか悪いような気がするほどだった。まもなくK-4で江口橋は渡らず、その手前をハシゴで上桂川の河川敷へ降り、上流に向かって中には浅く渡渉もあったりする箇所をしばらく進み、やがて、左側が切れ落ちてやや危なく見える幅の狭い用水路脇やその上を通過する。
 もちろん危険防止にロープもつけられている。この部分が唯一注意箇所といえるだろう。江口橋から中野橋の700mほどの間は慎重に歩く必要があるが、それも変化ありの道で冒険心が湧いてきそうだ。そして、中野橋たもとにはケヤキの古木が枝を広げており、若葉のころや紅葉時には見事だろうなとの様相を思い浮かべる。

     
 用水路は蓋の上を歩こう   江口橋あたりのケヤキの大木 

 中野橋から歩道のない国道477号を少し歩けば、K9から掛尾峠への取りつきだ。今回一番の100mもの標高差に一汗である。(笑)そして伐採で明るくなっている峠K11で一本立て、コバノミツバツツジが超満開で和ませてくれる。さて、今度は登りより少し足元悪しの荒れた下り道に気をつけてK13で国道へ合流しよう。

         
明るい掛尾峠    満開のコバノミツバツツジ    雄しべの10本がポイント

 山の斜面は日当たりのよいところにトキワイカリソウが満開で咲いて見送ってくれ、野に咲く花々のヒメオドリコソウ、カキドウシ、カンサイタンポポ、タネツケバナ、ヘビイチゴ、キランソウなどが畦道にもいっぱい見られた。
 だが、今度はR477の車道歩きにも注意が必要であった。ここから津ノ橋、宮坂トンネル手前K15までの変化なしのR477はまさに酷道歩きだ。結構車両の往来がある。だが、この間2km弱の後半半分ほどには歩道があるので大丈夫だ。

 この宮坂トンネルはくぐらないで宮坂峠へ35mのひと登りとしよう。そこでK16の宮坂峠から5分ほど登って赤い木の鳥居が24個もならぶ黒田八十八稲荷神社が鎮座しておりお参りとした。説明板もほとんど消えかけてはっきりと読み取れなかったが、黒田の集落の人たちの村を守る心意気が感じられた。

     
 トンネル前の宮坂登り口    黒田八十八稲荷神社

 参道を下ると旧黒田小学校の先に、奈良の春日大社を勧請した春日神社あたりで大木の桜の人だかりが見えてきた。そうです、ここが本日のゴールである「黒田百年桜」で知られるおーらい黒田屋一帯である。京北トレイル黒田ゴールのK19の道標がひっそりと立ち、トイレはいずれも小さいのだが、三か所もあった。もちろん駐車場もバスも停められ一安心である。

 さっそく、春日神社と百年桜の見物としよう。ちゃっかり九州からの団体さんへの案内人の説明に聞きいろう。う~ん、1000年の歴史を持つ春日神社らしい。桓武天皇の京の都以来、材木を筏で京へ送るなどで林業が栄え、明治時代には黒田発電所が建設され一大電気事業により林業とともにますます黒田の地が栄えたと記されている。

 さらにはヤマザクラの一種である突然変異で、10~12個の花びらの八重咲きに一重が交じる幻しの珍種として人気が沸き、多くの観光客を集めているようだ。樹齢は三百余年といわれ、造幣局の通り抜け100周年を記念し、ここの桜の若木二本が植樹されたことにより、黒田の百年桜がさらなる人気に拍車をかけたようだ。

         
 団体さんで賑わう    百年桜    花びら10~12の八重と一重咲きも

 黒田の百年桜は。「桜守」の佐野籐右衛門親子が見守る桜で、地元でも大切にされており、今では全国からの観光客で賑わい、今年は4月18~19日の土日に桜祭りが執り行われるとPRしていた。今年の花見は一味違うものとなった。さて、来年の観桜時には多くの方々に京北トレイルを歩いていただき、この桜を楽しんでもらえるようにしたいものである。

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