京都北山 GWの愛宕山 ’15.4.29 曇りのち晴

 保津峡-中尾根-大岩-西尾根-水尾別れ-黒門-愛宕山-大杉谷-第五ベンチ手前-大杉谷左岸-空也の滝下-清滝-阪急嵐山

 今年最初の愛宕へ登ってきたが、GW初日というこの時期に登ったのも初めてであった。というより、この繁忙期に愛宕山あたりでお茶をにごしている我が身が情けない。結果として低山の花などほとんどない山塊のために、やっぱり内容的には魅力にかける山であったのは致し方ない。

 中尾根から米買道の大岩すぐ北へ上がった小さな岩前より左折が西尾根といわれ、後半はそれなりの急登コースであり、水尾別れ東屋手前に出るこのルートは懐かしい。鹿除け柵が張られる前までは小さな岩の右側を進み、炭焼き釜からジグザグに登り上げるとつつじ尾根上部に合流する中尾根ルートがよく歩かれていた。

     
 米買道の大岩   大岩すぐ北の小さな岩 

 その頃には現在の西尾根ルートは歩く人もほとんどなく廃道状態であった。それが目に留まった私は鹿除け柵の設置以前に、この道を三日間ほど倒木など片づける等して手をいれ、ようやく昔の道を復活させたのが思い出深い。
 その後数年利用が頻繁になったのを喜んでいたが、山主の植林保護の鹿除け柵が張り巡らされて中尾根も西尾根も登山道がふさがれてしまったのは残念だったが、個人所有の山を歩かせてもらっていたのだから、致し方ないとあきらめていた。でも、近年またその鹿除け柵の西側周囲を登る人があるようで、その踏み跡ができつつあるのだが、以後の展開がどうなるのか気になるところである。。

 その踏み跡はほぼ鹿除け柵西側を登り、次第に左へ逃げた後で柵側に戻ってから北へ登り、杉の古木が三本ほど残されているあたりまでくれば、水尾からの参道は近くなる。ところで、私も愛宕は相当登ってきたが、この山塊で初めて熊に遭遇したのだった。
 ここの鹿除け柵沿い上部あたりではツツジは咲き終わっており、ギンリョウソウが目覚めかけているのに出会え、ようやく花が咲いていたなと登っている最中に、10mほど離れた木の上部で新芽でも食べていたのだろうか、こちらの歩く足音を聞きつけてびっくりしたのか、急いで逃げていくのに出くわした。写真は撮れなかったのが悔やまれた。
 これまでから、熊との出会いは何度も経験があるのだが、なぜかデジカメを取り出すことに気がつくのはいつも姿が消えてからばかりなのは、やっぱり臆病者の証拠だろうか、イヤこれが人並だろうか・・・?。もちろん、今日はザックにもホイッスルはあったが、カウベルは入っていなかったのだ。今後の愛宕でもその点注意は忘れないでおこう。

 さて、水尾別れに飛び出すと一気に登山者がおびただしい。ここまで、中尾根登山口から1時間20分ほどで上がってきたのだが、結構汗を流した。東屋のあるここはいわゆる表参道で、にわか登山者らしき人の姿には閉口する。こちらはすぐに参道をはずれてケーブル愛宕駅跡へ向かった。もちろん、人の姿は皆無で静かなものである。
 愛宕研究会の説明板には次のような解説があった。「昭和4年7月25日に開業した愛宕ケーブルは山麓清滝から愛宕駅まで約15分で結ばれ、当時営業距離と高低差において東洋一といわれた。標高740mの山頂駅周辺には料理旅館やお土産屋、参拝用の駕籠かき番屋などがあった。・・以下云々」と同時に愛宕山遊園地も開園し、茶屋、売店、料亭、旅館、写真館等が立ち並らんだ。しかし、戦争の影響はなはだしく、昭和19年2月に鋼索線廃止により園内すべての施設がわずか15年で取り壊されてしまい幕を閉じたとある。
 遊園地の廃墟を見物したりしていると静かななかに落葉のカサコソと音がする。見れば可愛らしいリスが足早に駆けずり回っている。目で追うのに忙しく、やっぱりデジカメは間に合わなかったのが残念だった。すぐ下に表参道があり、大勢の山歩きの声がしているが、その一帯は少しだけ上で誰も上ってこないのだと知ったリスの生活圏に入り込んだ我が身がいけないのだと遅まきながら気にするのだった。

     
 ケーブル愛宕駅跡   愛宕山遊園地の建物残骸 

 この後は愛宕スカイライン入口の樹齢何百年だろうかと思うほどの大木杉前より、嵯峨消防分団の「疲れてる!、あなたの足元要注意」31/40看板から表参道へ戻って、黒門から神社石灯籠ならぶ社務所前まで上がれば、まだ桜が咲き残って花見しながら昼食中の人だかりであった。すぐ上の神社はお参りするとひんやりと13.5度を指していた。ゆったり昼食をとらせていただき、いつもの大杉谷左岸道を下ろう。

 神社下の大杉の下にはムロウマムシグサの咲き初めが林立していたのが微笑ましい。ジープ道にはムシカリ、ウリハダカエデが満開で、ヒロハゴマギがまだまだ蕾、さらに下りだせばヤマザクラ、カナクギノキ、コバノミツバツツジなどの残り花が見せてくれた。

       
 ギンリョウソウ(別名ユウレイタケ)  ムロウマムシグサ(別名キシダマムシグサ)  ムシカリ(別名オオカメノキ) ウリハダカエデ 
       
 ヤマザクラ  カナクギノキ コバノミツバツツジ   ミヤマハコベ

 月輪寺別れを左に見送り、大杉谷へ降って、しばらくで桜の園の第五ベンチ手前より、いよいよ荒れた道の大杉谷左岸道コースをとろう。こちらのルートも案内をしたりしたため以前に相当手をいれたのだが、歩く人は少なく、どうしても荒れ気味な状態は免れない。
 低山では人の手の入った遊歩道のような登山道よりは、せめて自然がなすがままの状態の道歩きがよかろうと、あまり手は加えないでおこうとしている。もっとも第五ベンチ手前からの取りつきすぐが近年また杉の伐採木散乱で、これまでの踏み跡に覆いかぶさっておりやや歩き辛くなっているが、勝手知ったる我が足は全然支障とはならずに、空也の滝下の登山口まで50分ほどで下山した。
 このルートの後半部分となる「ひぐらしの滝」が近くなるあたりでは、薄暗くなりかける夕方あたりの時間帯に歩けば住み着いていると思われるタヌキさんに何度か出会っているのだが、今回は晴れて13時頃通過ということでタヌキさんにはお目どうりはならなかったのが残念だった。

 
ひぐらしの滝

 下山後は最後の水場で、や!、サワハコベが咲いてるとよく見ればそれはミヤマハコベの咲き残りだった。たっぷり流した汗を落として着替えを済ませてから、清滝でバスは見送って試峠の土砂崩れによる通行止め解除を確認し、トンネルを抜けて鳥居本から賑わう嵯峨野散策の一員と化しながら渡月橋より阪急嵐山駅まで歩いた。

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