比良小女郎池西尾根から蓬莱山’15.6.22 曇り

 坂下-小女郎池西尾根-P762-ケルン地-小女郎ケ池-蓬莱山-ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-P735-迷路地-林道-別荘地-JR蓬莱駅

 このルートは本来なら雪のコースと思うのだが、無雪期にも歩いてみようと坂下へ向かった。梅雨時だがこのルートはどうやら山ビルの被害はなさそうだ。いつものように近畿自然歩道の葛川橋を渡って、坂下から小女郎ケ池への一般コースを左へ見送って右への傷んだ林道を登っていくとフサザクラの若い果実がぶら下がっているのが目に入る。この種は早春の頃の花時によく出会う花なのだが、実時にはほとんど目にはしない種である。そして行者山トンネル上を過ぎれば左に小女郎池西尾根へ取りつきとなる。

 
フサザクラ(フサザクラ科)

 雨上がりの尾根は滑り易いが、緑も濃くなってきたようで、周囲を見渡しながら最初のピークへは半時間ほどだった。その後やせ尾根を進めば目の前に平らな地の杉林が飛び込んでくる。平らな植林地は広いが左の境界をコルまで進むと、目の前に今度は激急登が待っている。ここも境界線を登り上げるのだが、右の杉林には鹿除けのピンクのテープがほとんどすべて巻かれて見事な景色となっていた。我が足は左側に切れ落ちた境を登って植林が終われば自然林となり、平らな地のP762へコルより20分で上ってきた。

 

 この地でゆったりの一息入れよう。そしていよいよこれからは登りっぱなしの道が続いているのも知っている。それでも途中にはイワガラミの残花や赤い実をつけたカラスシキミなどを見ながら大きなブナの大木地である。なぜかこのあたりには踏み跡がハッキリ残っているではないか。おそらく周囲の植林地の仕事道だったのだろう。

 
カラスシキミ(ジンチョウゲ科)

 ドンドン登ればいよいよ自然林に突入である。でも次第に山肌には緑が消えている。これはやはり鹿の食害だろう。さらに広い尾根となってどこでもモードの歩きが続いてきた。枯れたミズナラにはナラタケが着生しているのが目に入り、早速山の幸をいただくこととしよう。でも2本のナラ枯れしかなく量的にはそんなに多くは出ていなかったが、今晩の夕餉にはどうにか間に合いそうな量だった。

 
ナラタケ

 静かな緑の中に、突如動物らしき足音だ。数等の鹿が白いお尻をふりながら急ぎ足で消えていった。このような緑いっぱいの自然林の中に身を置いた我が身がうれしい。登り坂も次第に急となってアヘアヘで稜線へ上がって後を振り返るも、冬期には北山の大パノラマ広がる地だが、さすがにこの時期は小潅木がうるさく展望は苦しいので写真もままならない。藪山とまでもいかないがアセビ、ツゲにソヨゴなどの幼木が一面に広がって足元を隠している。足元から目を前方にむけると突如として蓬莱山が飛び込んできた。

 どうやら1080mから1090mあたり最高点くらいだろうか。そしてそこには1960年4月の遭難碑のケルンが立っていた。今年も1月にはこのケルンの頭だけしか出ていなかったのがすぐに思い出された。あの時にはすばらしい展望が広がっていたのだが、やはり今日ばかりは展望は望めない。もちろん、梅雨時でもあって武奈すらもほとんどガスが取りついていた。

     
 遭難碑のケルン   ケルン下からの小女ケ池の上に蓬莱山、左の武奈は雲が・ 
 

 真下の小女郎ケ池へ降って、池のそばのコトリトマラズ(メギ)にも出会えた。またやってきたよと、池のそばの説明板に目をやりながら、池を眺めて悲恋伝説のお孝に思いをつのらせるのであった。案内板によればこの小女郎ケ池はおよそ6300年前に噴火した標高1060mの地にあって、地元では雨乞いの池としても崇められ、有名な悲恋伝説が語り継がれているとのことである。

 
小女郎ケ池

 池を後に目の前にある蓬莱山へひと登りとしよう。峠に向かわず笹薮を踏んで、P1011より進めばもう終わったも同然なサワフタギやガマズミの姿やカマツカの茶色い実がきれいとはお世辞にも言えない。そして縦走路の岩頭に祀られる地蔵さんに頭をさげてから1等三角点地の1174.2mの蓬莱山には坂下から2時間半ほどだった。武奈やコヤマノ岳は雲が取り囲んでいるようだ。観光客は皆無で、リフト小屋にもスタッフの姿も見えない。登山者も一人二人の状況である。そんなに寒くもないことから半時間ほどの長めのお昼としよう。 

     
 蓬莱山 奥には武奈にコヤマノ岳    山頂からホッケ山方向

 すると金毘羅峠方向からトレランの若い男女二人がやってきた。こんにちは!、ほとんど空身状態で共にランニングパンツでハツラツと元気がいい。山中を走り回るなんて信じられない我が身が情けない。いや、歩けるだけで我慢しよう。よし、それではこの後は予定どうりのコースどりでいこう。縦走路を小女郎峠まで戻ってからホッケ山へ進み、お気に入りの小女郎谷右岸尾根を蓬莱駅へ下ろうというものだ。

 そうと心決まればほぼ下り一辺倒である。でも、展望はガスに取りつかれて仕方ない。のんきに植物観察しながらの歩きとしよう。ハナヒリノキ、イボタノキが咲き初めで、リョウブが蕾膨らみ、ネジキの残花が見られた。また、足元にはこれでもかとコナスビが咲き、ハナニガナはほとんど終盤となっていた。

         
 ハナヒリノキ(ツツジ科)    イボタノキ(モクセイ科)    ネジキ(ツツジ科)

 ホッケ山からの展望もやっぱりどうしようもない。それでもぐるりと身を回転させてみた。蓬莱もガスがかかり、北山の山並みも無念だ。さぁ、いよいよ最後のお楽しみのホッケ谷右岸尾根だ。普段からこの尾根は植物はほとんど楽しめない。ではどうして降りるのだろうか。これはやはり道不明瞭な箇所通過が面白いとの思いだろうか。
 今日はその箇所までに二ヶ所倒木等で通過がやや苦しいところもあったのだ。このコース歩きの本番でもあるP735から先の不鮮明箇所いわゆる迷点は次のような状況だろうか。

 P735から植林地を下ると①Ca700直下あたりが植林から自然林となっている所へ突き当たる。ここから右へ、左へとジグザクを8回進めば、最後⑨の仕事道に取りつけるのだ。では①の右折点からがスタートで、一応それぞれにテープはついているが、②までもややもすれば早くに左折しやすい樹々の隙間があり注意したい。慎重に進み②に着いても、またそこを直進しやすいが、ここは左折を意識したい。

 次は②を左折すればすぐで、右折となりこの直進部分が一番短い③に突き当たる。そこには黒っぽい木の枯れ木で通せん棒が置いてある。(もちろん積雪期はその横棒は雪の中で見えない)、ここを右折する。ただ、テープは見にくいのでうろうろ探そう。

         
 ① 最初の右折点    ② 左折点   ③ 右折点

 すると③からこれまたすぐに④だ。ここは迷点の中では一番広くなっているが、どうやら以前は十字路だったようだ。しかし、現在は左折のみ使われているようだが以前からの直進の道型と見えルーターのかもしれない。そのためにここを左折するように赤テープが枝から下がっているので、ここを左折するのがその後に迷わないですむだろう。
 また、ここには振り返り右側後ろにも、やや太い木にも赤テープが巻いてあり、このテープは反対にここを登る人には目につきやすくなっている。要するに下山時には、ここでまず注意することは、ここを直進しやすそうな地のために特に注意だ。直進してしまうと整備されていないためにウロウロすること必定となる。

 その後の⑤から⑥、さらには⑦から⑧あたりへは右~左折地にも赤テープがついてはいるのだが、以前より先への道の見通しが悪くなっているので④まで以上に、さらに慎重に進みたい。そして⑤⑥⑦を無時通過し⑧へ到着すれば、いよいよ最後の⑨となるのだ。ところが⑧から⑨までの区間が迷点の中で一番長い区間であり、中には太い杉の倒木を越える箇所などもあって慎重に進みたい。

     
 ④ 左折点   ⑤から⑧は省略・・・⑨が最後の右折点 

 要は下山時、最後のCa630あたりの右折点である⑨の地からの仕事道らしき直線の下り道を見つければ、後はCa550あたりを左への南尾根を捉えることは容易であろう。そうすればハッキリとした踏み跡の途中に「北浜県営林」の同じ看板をCa480とCa390あたりの二つ見て下ると、登山道のある南への小さな尾根に乗って林道へ下れるのだ。

 下山後の林道最初の途中にはヤマコウバシという、雄株のないのに果実をつける雌株の若い果実を久しぶりに見ることができた。この緑色の実は10~11月に黒く熟すこととなる。さぁ、果してこの木を見つける余裕があるだろうか、先ほどの迷点歩きでヘトヘトに疲れてしまい、植物観察するほどの余裕あるハイカーがあれば、名乗り出てもらえるとうれしいのだが・・。笑


ヤマコウバシ(クスノキ科)

 そして、林道は、最後まで直進して旧湖西道路上にかかる苗田橋を渡るのではなく、林道後半で左折して志賀中学を経由すれば、蓬莱駅までほぼ1時間の歩きのために近道としよう。湖西道路を潜って志賀中学校グランド上あたりから比良山塊を振り返り、今日の山歩きを反省した。こうして、本日の歩きはどうにか蓬莱駅には15時すぎには着くというほぼ6時間弱の歩きとなった。フゥ・・

 

 なお、2015年1月14日の積雪期にほぼ同じルートを歩いていますので、よろしければご覧ください。

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