京北 京都一周トレイル・細野から常照皇寺’15.6.24 晴のち曇り 

 細野-滝又の滝-茶呑峠-パラグライダ地-竜ケ坂の二石仏-中江-光巌古道-常照皇寺

 京都一周トレイルの京北コースの約15kmを歩いてみた。前半は山道であったのだが、中江から光巌古道までの間が車道歩きとなっており、暑さにはほとほと参ってしまい、当初予定の常照皇寺から井戸峠より筒江口までは断念せざるを得なかった。

 さて、旧細野小学校跡(標高355m)をスタートし、栗尾バイパス開通により付近は以前より雰囲気が様変わりしていた。そして轟谷へ入れば緑滴り山歩きの醍醐味が味わえ気持ちいい。だが、沢沿いのために渡渉を繰り返すことになるのだが、最近板や丸太で橋が新しく付け替えされて流に靴を濡らさなくてありがたい。
 途中からこれまた新たに道が作られているようで工事中であったが、その道の各所で仏様などが岩を繰り抜かれて据えられているのだが、まだその道は通行止めで登山道側から眺めるだけである。でも、それらの置物?・・らしきものはどのような趣旨での設置なのだろうか。やや疑問じみて異様な雰囲気ではないだろうか。

         
このような橋?がいくつかあり、水に入ることはなさそう     これより工事中で通行止め

 そうこうしているうちに、スタート地点よりほぼ半時間ほどで、北山をこよなく歩く京都人には有名な滝のひとつ「滝又の滝」(標高421m)が目の前に現われた。いつ来てもこの滝は岩石累々と重なる20mほどから豪快に水煙をあげながら落ちる滝の眺めが壮観であるのがうれしい。火照った身体もここで涼のありがたみを感じられ、この後すぐある急な階段状の道だが、元気に滝の落ち口上まで上がれることだろう。

 
滝又の滝

 一息すめばやや足元よくない滑り易い階段を登りあげるが、その先に流れを渡る橋がしっかりしているように見えるのだが、これが降り続く雨で極めて滑り易くなっていた。大勢の場合となれば、この橋が雨降りや雨上がり時には要注意箇所となろう。その場合は潔く橋を止めて手前の流れを少々の水量でも渡渉するのが最も安全であることを覚えておこう。怪我をしてからでは7月24日だ・・?(後の祭りだ・・笑)

 
道標5番の丸太橋だが・・

 きれいに伐採の手が入っている北山杉の景色を眺めながら、ひと坂越えればのどかな里の余野(425m)の集落の中に着いた。余野公民館のWCを借りて一本立てよう。そして、またふた坂目の伏見坂(486m)がすぐに出てくる。こちらはより急下りとなって大森西町(366m)の民家が表れるとお年寄りが座り込んでクロモジの葉っぱを枝からはずす作業をされていた。
 暑いですね、何なさってるんですか?と声をかけるとお茶にして飲むためにクロモジを枝から取ってるのヨ、とのことで夏になれば冷やしたお茶がうまいヨとのことだった。山里の方々は今でもこのように自然の恵みを大事にし、自給自足の一助とされているような姿に久しぶりに出会うことができた。

 すぐにパターゴルフ場があり、昼前時であったことからだろうか、小さなクラブハウス(笑)内が満員状態で、賑やかにお食事のようだった。ここでももちろんWCはお借りできるようだ。さて、これから西ノ谷川沿いに最初は舗装路が延々続いていることも分かっている。でも何とか頑張って茶呑峠まで上がって昼とするつもりだ。
 その舗装路も車止めのゲートからまだまだ舗装路だったが、その道も傾斜が上がって地道に変わってくるようになれば足元には小さな落石だらけの歩き辛いこととなってきた。それでもどうにか茶呑峠(548m)に大野より40分ばかりで着いた。峠には大きな地蔵石仏があり、石積みの祠があった。首を垂れると腰を下ろしズボンに目がいってびっくりした。それは我が足の膝あたりを山ビルがズボンの上をはっているではないか。え~、山ビルがここでもいるのか・・?、と上を見上げれば高い杉の植林がならんでいた。どうやら上から落ちてきたのだろう。すぐに払いのけて事なきをえたのだが、今日は雨上がりであたりはじっとりしており、いつでも蛭が地面から這い上がってきても不思議ではなさそうな雰囲気のように思われた。だが、この後以降は十分注意をしながらの歩きをしていたので難を逃れた。

 
茶呑峠

 こうして冷や冷やしながら半時間ほどで昼を終え、ほぼ水平動を竜ケ坂の二石仏地まではホイホイだろうと腰を上げた。だが、この水平動が思わぬ長さだった。でも低くなった石垣が目に入ればこれが鳴の堂跡なので、もう二石仏までは目と鼻の先である。広い林道が出てくればパラグライダー地へ上がる車道の道標18番の竜ケ坂(555m)で、茶呑峠から30分ほどであったのだが、この水平動のユリ道は思いもよらないほど長く感じたのは暑さにバテがきていたのだろうか。

 もちろん、今日はお天気のためにパラグライダー離陸場(640m)へ15分ほどで上ろう。以前には林道沿いの山道を上がっていたので、今回もその山道を追ったが、ほとんど歩かれていないようで、足元は荒れ放題となっていた。そして着きました。
 さらに東へ、城丹国境尾根にある天童山へのコースが新たに開かれ、もっと先へは、飯森山から桟敷ヶ岳につながり、鴨川水系と桂川水系の分水嶺にあたり、多くの方々が歩かれるコースが続いているのだが、今日ばかりは京都一周トレイル歩きなので東の峰はパスである。


パラグライダー離陸場から

 パラグライダー離陸場の芝生の上に座ってゆったり大展望を楽しもう。本日の滝又の滝の見所に続いての一等地だ。京北のコース一番の展望台であるベストポジションではないか。目の前には低山ばかりが居並ぶのだが、このような風景を目の当たりにすれば、日ごろの憂さはすっかり消えてくれるのだった。下界の真下に見える、あのゲートボール場に降りるのだなと目にして腰を上げよう.。下山は地道の車道を竜ケ坂の二石仏へ降ろう。

 すぐにその二石仏だった。二つ居並ぶ立派な石室に安置された大日如来と地蔵菩薩に手を合わせ頭を下げよう。置かれた説明書きには、石仏が祀られた江戸中期には、この道は京街道、小浜街道として多くの旅人で賑わい、ここには茶店が設けられていた記録があるという。300年足らず前の昔話というのだが、この後300年後にはどんな人たちがこの峠を踏むのだろうか。

 
竜ケ坂の二石仏

 さぁ、中江に向かって下ろう。だが、ここからの道はにわかに、これまでの道とは異なり、各段の違いで道がきれいになっているではないか。これはやはり竜ケ坂の二石仏が祀られているこの峠まで、山国地域に点在する比賀江・中江・塔・辻・鳥居・下あたりの集落の人々の熱い想いによる里山への気持ちからの踏み跡となっているのだろうか。

 ありがたくその古道を歩かせていただき、20番道標からショウトカットして東林寺前にある中江のニコニコ中江公園へ下山とした。ここにはまたしてもゲートボール場でWCもあってありがたい。でも下界に降りれば車道歩きに一気の暑さが堪え、この後の筒江までの歩きが気がかりとなってきた。

 それでも24番道標地から、姿いい山国富士の名で地元では親しまれる姑棄野山(コキノサン)を眺めて元気を出そう。この山は将軍足利義光の補佐役であった細川頼之が、若き義光を諌めたことで怒りを買い、隠棲した地と伝えられているようだ。あたりの田植えの終わった田んぼ道から、亀の甲橋までくれば上にも下にも上桂川の流れの中に、ずらりと鮎の釣り人が続いていた。家族たちに喜んでもらえる釣果があればいいのにな、そして賑やかな団らんの夕餉になればいいのになぁと、他人ごとながらこちらは眺めるばかりであった。

     
山国富士の姑棄野山(429.4m)を眺めよう   亀の甲橋から鮎の釣り人を眺める 

 話は飛ぶのだが、亀の甲橋からも右岸の近畿自然歩道が伸びており、下流の鳥居方面へ歩くと山国神社へ行くこともできるのだ。この山国神社は、明治維新の官軍「山国隊」が出陣の誓いをなしたところで、長らく京都三大祭のひとつである「時代祭」の先頭を務めていたのだが、近年費用負担が大きくなったと今は辞退している。でも毎年10月にこの地域で開かれる「山国祭」で、その様子を見ることができるので一度は見物してみたいものと前々から気になってはいるが、神社へのお参りは済ませてはいるのだが、山国祭の見物は未だに果たせないでいる。

 さて、鮎釣り人の群れを横目に田んぼ道を行けば、国道477号と出合うところに六ヶ井堰がある。これは流域に点在する集落(比賀江・中江・塔・辻・鳥居・下)へ灌漑用水を引くための取水堰堤で、川幅いっぱいに設けられた堰から用水へ勢いよく水が流れ込んだ堰の細い上を渡ってR477へ出た。
 国道いや酷道は車の往来多く、いよいよ暑さが堪えてくる。道沿いのニガイチゴの真っ赤な実を見つけてこれでもかと頬張って食べる。これがこの時期いつも山歩き下山後の麓を歩く中での行為である。また今年もそんな歩きが出来たと喜んでばかりいられない。この後、やっぱり筒江までの歩きは止めて常照皇寺までとしよう。

 こう、心決めればもう安心だ。ゆったりのんびり熊野神社のある大野公民館でWC休憩としよう。公民館の日影に腰かけ、あてもなく激しく行きかう車を目は追っていた。茫然として腰をあげ、またまた酷道を行こう。でも次の29番道標からは光厳古道へ入ることから一安心だ。
 少し山側へ上がれば植林の中だが、すぐに上桂川の河原へ降りるように道が続いていた。またまた鮎釣り人が竿を垂れている。その向かいの右岸沿いの河原の砂や岩の上を伝いながら歩こう。でもこのルートは増水した時には国道へ迂回する必要が出てくるようなコースどりとなっているのと同時に、河原の道は少々状態が悪いので滑って水にハマらないような注意が必要だ。

 道は鹿除け柵の中を歩いてきたが、またゲートから出て光厳古道最後の腰掛石前にきた。そして山陵橋(280m)が見えてくると常照皇寺の参道に出る。貞治元(1362)年に光厳天皇によって開かれた古刹だが、この常照皇寺へは今年4/16の桜咲く時に見物してたので境内はパスとしよう。今回は参道の一本桜の芝の上で足を伸ばして歩きを終えることとした。もちろん、この前に山陵亭前のバス停で周山行のバス時刻の確認と自販機による冷たい飲み物を仕入れてからの休憩としたのである。

     
 腰掛石    常照皇寺の参道

 なお、本日観察した植物たちは次のような種で、この時期であれば致し方のないことだろうと納得せざるを得なかった。

         
1.ノギラン(ユリ科)    2.ヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)    3.ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)
         
 4.ノハナショウブ(アヤメ科)   5.マタタビ(マタタビ科)    6.シラキ(トウダイグサ科)

 『 同定ポイント等 』

1.茎は粘らない、粘るのは亜高山帯以上に分布のネバリノギラン  2.の果実は8個に分果する。なお、マルミノヤマゴボウの花姿はヤマゴボウと似るが花時には淡紫色ですぐ判別できるが、実時には酷似し、同定は容易ではないが、ヤマ・・のように分果せずほぼ球形  3.花時の子房はカボチャのように見える。  4.外花披片の中央基部の斑紋は黄色、白はカキツバタでアヤメとヒオウギアヤメは共に黄色から白で紫色の網目が入る。  5.葯が黄色で、黒紫色の葯は近縁種のサルナシ  6.花弁がないので普通つぼみのように見えるがこれで花で、長さ6~8cmの総状花序の黄色の小さな花をつける。(以上「野、山、木に咲く花」より) 


 バス停でバス待ちをしていたところ、発車30分前くらいに車が止まって「周山まで乗りますか」と声かけられ、有り難く同乗させていただいた。山歩きがお好きな方のようで助かりました。誠にありがとうございました。

 なお、京北コースをこれまで何度か歩いています。よろしければご覧ください。15.4.16 13.6.13 12.7.10 11.6.15

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