京都西山 ポンポン山で絶滅危惧種発見 ’15.9.11 曇り

 台風17、18号の影響で毎度の南ア鳳凰三山ツアーがアウトとなって身を持て余していたのだが、ようやく天候も回復基調となってきた。それでは秋の山歩きとしようと裏山で足慣らしであった。まずは比較的馴染みの薄いイソノキ(クロウメモドキ科)の様子を伺がうのを目的としよう。

 さて、イソノキという種名の認知度は山歩きをされる方でもそんなに高くはなさそうだ。よって岡山理大の植物生態研究室のHPによる解説を参照させていただこう。そのページによれば生育地は湿原の周辺や斜面下部の道沿いなどのやや湿った場所に生育することが多いが、乾燥する尾根筋にも生育する。共通点は日照条件が良いということである。
 樹高は数mから6mほどで樹高を高くすることは得意ではないようだ。花は6~7月頃に黄緑色で5mmほどの小さな花を咲かせるが地味な花であろう。果実は緑から赤に、やがて紅紫黒色に熟すが、赤い色の時期が長いとある。

 今回、湿地帯でなく山頂で見たものは、果実がほとんど黒熟していたのだが、今年の6月末に滋賀県の湿地帯付近で見た花の終わりの様子もご覧いただこう。

         
 果実の色は最後は黒熟するのだろうか    葉の側脈が6~10対あり先端は短く尖る    15.6.30に見た花の終盤と若く赤い果実

 ついでに山頂ではカナクギノキ(クスノキ科)が真っ赤な実をいっぱいつけて独断場となって気を吐いていた。この木の名は釘ではなく、樹皮の鹿の子模様の鹿の子がなまったものと謂われている。他にカマツカ(バラ科)がまだ赤く熟すのは来月以降(9~10月)と今日は目立たない状態であった。ただひとつ、大勢いた常連のおじさんでも知っていたナツハゼ(ツツジ科)はもう食べごろのようだった。さらに比較的よく知られるウワズミザクラ(バラ科)もあるのだが、この種は8~9月に赤色から早く黒く熟して食べれるのだが、なぜか今年は果実は皆無となっていた。まさか、みんなが食べてしまったのではないだろう、手も届どかない高さなのだから、イヤ、ひょっとして台風の風で飛ばされてしまったのであろうか。足元にはそれらしき実は落ちてはいなかったが・・。

 なお、ツツジ科の仲間は果実が美味しく食べられる種は多種あり、山歩きのなかで口に入れる人は多いことだろう。でも、毒性の仲間のあることも知っておいたほうがいいだろう。それは、アセビ、イソツツジ、ハナヒリノキ、ホツツジ、レンゲツツジ、ネジキであるが、いくら山中での行動食が足りなくても、また、普段からいくら食いしん坊でも食べないほうがいいようだ。

         
 カマツカは開花(4~6月)も熟すのも遅い    カナクギノキは低山どこでも見られる    ナツハゼは昔人間には美味だろう

 また、山頂にはなぜか、紅葉がきれいなことで知られるナンキンハゼ(トウダイグサ科)の幼木が二ヶ所育ってきていた。これは中国原産の外来種であるが、近年日本でも街路樹や公園樹として植栽されて目にする機会が広がっている種でもある。思うに多分、野鳥が運んできたのではなかろうか?、でもこの種子は有毒なために鳥は敬遠しないのだろうかとも思うのだが、でも里山でも自然に生えてきているものを見かけるので、やっぱり鳥の糞の中から実生で育ったものだろう。さてはて、育って紅葉を見たいものだが、でも、誰かが邪魔だと引っこ抜いてしまうのがオチだろう。

 
いつまで居られるか?、ナンキンハゼ 

 山頂の暑さもそうでもなく、ようやく涼しくなってきたので、1時間も憩いを楽しむことができた。明日の土曜日は久しぶりの好天気の休日のためにごった返すに違いない。それを読んで本日山頂の楽しみを決め込んだのだ。快哉とまではいかなかったのだが、そろそろ下山にとりかかろう。コースは普段から通る道としよう。何と、この考えが大当たりとなることは、腰を上げる時点では頭にはなかったのだ。

 『京都府の絶滅危惧種 ヒノキバヤドリギ』 追記’20.3.10  「最近のAPG体系ではヤドリギ科は、ヤドリギやヒノキバヤドリギなどはビャクダン科に、オオバヤドリギやマツグミなどはオオバヤドリギ科に分かれています。」

 それは京都府の絶滅危惧種であるヒノキバヤドリギ(ビャクダン科)が目に入ったのであった。これまでから何十回となく通ってきた地で今年も踏んでいた。何故か今回はソヨゴ(モチノキ科)の木の上の方に見慣れない姿の枝が目についたのだ。ヤッ、これはヒノキバヤドリギだ!、と初見ながら、図鑑知識がすぐに浮かんできた。

 これには確か京都府の絶滅危惧種ではないのか、それって驚愕の極みではないのか、そう、もちろん、初見種であるのだ・・・。その付近を探すとかたわらのヒサカキ(ツツジ科)にも同じく多数寄生したヒノキバヤドリギが見られたのだ。実は今春も京都府では希少種であるハナネコノメとシロバナネコノメについて、京都府改訂版レッドリスト2013のHPでそれらの種を調査していたことから、その時にもヒノキバヤドリギの絶滅危惧種であることを目にしていたのであったのだ。

 もちろん、帰宅後、すぐに図鑑やネット情報を調べまくりとなった。ヤドリギの仲間は他にマツグミは出会っており、オオバヤドリギも見たような気がしている。もちろん、ホザキヤドリギは中部地方以北の分布のために知らない。でも、京都府下で絶滅危惧種でもあるヒノキバヤドリギを見られて大きな喜びとなったのである。

 
 枝は緑色の扁平で、古くなると翼状に広がり、節が多く節から折れやすい
 
 ルーペでアップして撮ったが、丸っぽいのが若い果実で直径2mmほどの球形、花は1mm以下で節に3~5個つく
 
全体像だが、大きさは20cmほどで樹木とはいえ極小さく、特に花は見つけにくい 

 

その他の果実等の見られた主たる樹木類は次のとおりであった。

             
 アクシバ(ツツジ科)    クロソヨゴ(モチノキ科)    ネジキ(ツツジ科)    クサギ(クマツヅラ科)これから
             
 コナラ(ブナ科)    ソヨゴ(モチノキ科)    ヒサカキ(ツツジ科)    ヤブムラサキ(クマツヅラ科)

 最後に山野草等については次のとおり

         
 キッコウハグマ(キク科)つぼみ  ノコンギク(キク科)咲き初め  センニンソウ(キンポウゲ科)満開  ヒヨドリバナ(キク科)咲き初め ヤブラン(ユリ科)つぼみ
         
 同上の葉の部分  同上の葉の上部分  キンミズヒキ(バラ科)満開  ツルアリドオシ(アカネ科)実  ノギラン(ユリ科)終盤で倒れて

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