湖西 秋花を求めての比叡山 ’15.10.02 晴

 ジャコウソウが比叡山でも咲いてるよとのことで、では、と向かったのだが、完全に散った後となって遅すぎた秋晴れの比叡山花散策であった。でも結果としてミカエリソウの大群落に出会え、これだけのミカエリソウの群れ咲く景色には来年が楽しみとなってくれ、山友のメールに感謝であった。

 無念はそれだけではなかった。フシグロセンノウ、ヒナノウスツボ、ヤマジノホトトギスも終わっていたのか、影も形も目にも入らなかった。やっぱり遅くとも9月中旬までくらいには出向かないと秋の花との出会いは満足いくとはならないようだ。いずれにしてもくどいようだが、来秋の比叡山を期待しよう。

 花の小道と思いたいほどの道から歩き始めたのだが、最初はまだなんとか残っていたクサアジサイ(ユキノシタ科)を見てみよう。アジサイの仲間は木本なのだが、どうしたことかクサアジサイだけは草本なのがおもしろい。


花は終わり、かろうじて装飾花だけが残っている。クサアジサイは普通ほとんどこのように葉が互生なのだ。


これは両性花だが、茎を見ると、や~、なんと対生ではないか!。どうやら、このようにたまに対生するクサアジサイも出るようだ。希少種の対生花だ、お~やったゾ~~

 続いてオタカラコウ(キク科)も残花が出だしてきた。もうほとんどが終焉となっているのだが、人と同じで多数あればいろいろで、中にはまだまだ見られる奥手もいるようだ。ちなみに同種のメタカラコウとの区分点は舌状花の数の違いで、少な目の1~3個がメタカラコウ、多めの5~9個がオタカラコウであるというのがより簡単な見極め方ではなかろうか。この種もここでは群落地が多くあるようだ。

 さて、この谷での最大の群生種はやっぱりミカエリソウ(シソ科)だろうか。同種のテンニンソウはどの山でも方々で目につくと思っているのだが、こちらのミカエリソウは比較的少ない方の花と感じていた。だが、しかし、これだけの群落箇所の多いのには初めての出合ではなかろうか。それに、図鑑での花期は両種とも9~10月となっているのだが、やっぱり温暖化の影響を受けているようだ。ここではもうほとんどが終盤とみた。


左が残り花で、右はまだまだ咲きそうな花のようで蕾が見える。

 群生といえばマツカゼソウ(ミカン科)は道沿いに多数見られるのだが、これはもう緑色で分果4個の果実がいっぱいついている。ところがこの種に出会ってもそんなにうれしい花とは思わない。いつもは臭いが苦手であってどうしても避けてしまうのだ。でも、中にはもう草紅葉化して、見てみてと手招いているグラデ-ションの見事さには気持ちが動いた。

 他にも見慣れたものばかりだが、目についたものを羅列してみよう。

     
ダイコンソウ(バラ科)実は球形 アキチョウジ(シソ科)この花も群落しやすい   オハラメアザミ(キク科)総苞片が11~12列

 もちろん、他にもゲンノショウコの白花に赤花が咲き、ツリフネソウは終焉となっており、群生のエゴマもそれにオハラメアザミがほとんど終焉となっている。背の高いタケニグサが実を下げてだらしなく倒れていた。 

   
 タラノキ(ウコギ科)果実は食べられない  オトコヨウゾメ(スイカズラ科)実時は目立つ

 さて、ようやくお目当て地へ着いてびっくり、期待のジャコウソウ(シソ科)が完全に終了となっていたのにはガックリであった。一輪の残花もなく、足元の落下した花びらも消えそうな様子、そこには萼が寂しく残るだけとなっている。今年は別の山で9/29に見てはいたのだがこの地でも逢いたかったのだ。

 気を取り直してあたりを見渡すと、アケボノソウ(リンドウ科)はまだまだ群生で満開中だ。それにツルニンジン(キキョウ科)も満開であり、ダイモンジソウ(ユキノシタ科)までまだ咲いているではないか。ノコンギク(キク科)、ヒヨドリバナ、キツネノボタンが咲いている。樹木ではシロダモの赤い実やイヌガシが冬芽を膨らませているのも確認、するとやや離れたところが赤っぽく見えた。近づけばオトコヨウゾメの真っ赤な果実がじゅずなりとなっていたのだが、少し高すぎて撮れずじまいだった。

 このように、いろいろと心ゆったり花巡りとしていると、またまた満開のヒヨドリバナやサラシナショウマ(キンポウゲ科)までも咲いているのだった。さらにミズヒキ、ミゾソバ、タニソバにハナタデなどのタデ科の仲間たちが咲いていた。さすがにイヌショウマは終了となっていた。そして多数のウバユリの果実林立があって、サラシナショウマの咲き初めがここにも目に入った。

     
 完全に花の命を終えたジャコウソウの萼姿  群生するアケボノソウ  ツルニンジン 根を人参に見立てた名
     
 ダイモンジソウもまだ満開  ノコンギクもきれい  咲いたばかりのサラシナショウマ

 大満足で本日の花巡りを終えた。その後は玉体杉で長い石のベンチへ腰を下ろさせてもらった。四明ケ岳、大比叡を見上げ、京の街を眺めながら遅い昼食としたのだ。ようやく満腹にしてから黒谷越から大原街道へ降ろう。

 下り一辺倒の黒谷越はおもしろみはほとんどないに等しい。黒谷越へは峰道からダートの林道で行きつくと、途中、急なコンクリートの坂と階段を降りて行く。すると青龍寺がひそやかに大きな屋根を見せていた。ここ青龍寺は法然上人の若き時代25年に亘り修行究学された聖地として、法然上人二十五霊場の特別霊場に指定されているという由緒ある寺だ。深閑としたこの山の空気の中でぽつねんとし、静かに頭を垂れて手を合わした。

 さぁ、後は大原街道の京都バス停、その名はずばり「登山口」へ降るのみだ。どこまでも続く杉や檜の植林地帯を無心で降っていった。バス時刻も事前調べもなかったが、そのバスは5分ほどでやってきてくれた。何事も無心が一番だと上人が教えてくれたのだろうか・・。

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