京都北山花折峠からP812へ’15.10.18 晴

花折峠口-花折峠-P624-P762-西折立山-P812-ミタニ峠-三谷口-新田バス停 

 好天続きの今年の10月だが、その中でも一番の青空となった日曜日で、JR堅田駅前のバス停は臨時バスが出るほどの賑わいだ。平、坊村へは直通便で発車し、こちらは続いての路線バスに乗って向かうこととなった。なんと長い横列の隣席の方がもう一人と花折れ峠で降りた後の話を地図を広げて話しだしている。
 え~、珍しい、花折峠で降りる人がいるんだ~、これまでから、ここで降りる時にはほとんど一人きりのはずだが、と思って話されることを聞いていた。どうやら、この山は初めての歩きらしい。山の会のリーダーさんが何人かで下見に来たようだ。

 花折峠口バス停(9:20ころ)で4人の女性が下車された。2人だけかと思ってたが4人もおられたら大丈夫だろう。車中の隣に座った方の話しぶりなどや、一緒に歩いてなどとの話しからご一緒しようかなとも思ったりしながら下車した。そんなことから自ら田中ですと名乗って「どうぞよろしく!」、と勝手に挨拶もしてしまった。するとリーダーさんが「神戸のSハイキングクラブの○○です」とのことだった。

 舗装路が続くがこの道は昔のバス道だったようで、大昔は小浜への鯖街道でもあったなどと話しながら、シロダモの花が咲いていたが、みなさんには関心はなさそうだ。歩きながらこれから向かうP812が左に青空をバックに頭を見せてくれる。もう少し先にはその右にP762も出てきた。歩きの中でも終わってからはもちろん、歩き始める前にこれから踏む頭が目にできる歩きは、どなたでもなおさらうれしいだろう。
 そして右側斜面に流れは細いが湧水がパイプから落ちているのを見つけると峠は目の前だ。苔むしかけた古の雰囲気ある花折峠の尖った石碑を眺め、いよいよこれから山歩きだと気持ちも昂るのは皆さんも一緒だろうなと思いながら眺めるのだった。。 

     
 峠手前の左にCa820峰    花折峠の石碑

 登山口は初めての方にはやや分かりにくいが、電柱と電気設備らしき白い人工物のあるところを西に入るのだ。車中やバス下車後の歩き出してすぐあたりの話ではまだ、こちらはご一緒しようかどうしようかな・・・?、などと考えていたのだが、峠に着いてから電柱の右側から歩き始めると、やっぱりリーダーさんはしっかり者さんのようだ。「どうぞ私らを気にせず先に行ってくださいよ」とのこととなったので、これ幸いにと先に歩かせてもらうこととしたのだ。

 さぁ、本題に入ろう。こちらのコースは4年ぶりだったが、事前のネット情報によれば次第に歩く人も増えてきたようで、トレースはしっかりしているとのことだったがそのとうりで、まして今日はピンクのビニールテープがうるさいほど風に揺れており、これなら初めての方でも十分歩けるなと思いながら歩を進めた。
 こちらは今回は歩かないが、下見の皆さんが歩かれるナッチョへの道にも、この様子ならピンクのテープは多数あるはずだ。しかしながら、地形図やコンパス必携は当然のルートだろうが、まぁ、これだけ踏み跡が見られるために山の会のメンバーさんたちなら十分歩けることだろう。と余分なことは考えずに我が足はどんどん進行となった。

 だが、最初の入口電柱に消えかかった「三谷峠←」標示以外に、ミタニ峠までには「ミタニ峠」の小さな標示札が上からぶら下がっていたが、それまでの道中には山名札など人口物は全くなく、あったのはP624あたりの古くなって字も消えかかった造林公社の白板くらいだっただろうか。

 
造林公社の白板

 それ以外の人口物はテープ類が多かったが字句による標示がないのがこのコースの特徴だろう。P624の次のピークであるP762も地形図さえ見ながら歩けばここだなと分かるはずだ。もちろん、字句のある標示は見当たらないが、テープはついていた。そのあたりを写真に撮ってはみたがとりたてて特徴はなく、写真では分かりずらい。

 しかし、そうはいっても何か所かあるCa820の最高点は確認できただろうか。中でも最後にある小さなピークらしき地には黄色と黒色の虎テープと、今日やたらとあったかのピンクのテープがタムシバの木に巻かれていたのだ。また、これより100mほど西へ緩やかに降りたあたりに、地形図でも、また、昭文社のマップの中にもあるように、京都府と滋賀県の、すなわち府県界線上のリョウブノキにP812表示があるのだ。進む方向ばかり気にしていれば、P812はどこ・・?と、見逃してしまう位置なのだ。いずれにしてもその表示はミタニ峠へ北方向に降る取りつき手前にある。

 
Ca820の最高点

 もっとも、昔にトレースもほとんどなかった頃のことだが、花折峠から登ってくれば、最初のCa820地は急坂を登ったすぐの台地上地へ『西折立山820M』とあった標示板ギレが立っていた。近寄って目を凝らすも、ほとんどその字も読めなくなっていたが、気がつかれただろうか。この場所はその手前でロープもフィックスされたところの急坂をようやくにして上って平となり、やれやれと思えるあたりに板というのか、割り木のような棒きれが立っているのだ。
 すなわちこの場所は厳密にはP812よりひとつ手前あたりのなだらかな稜線の最初の方である。このようにCa820はこれまでから、この西折立山、西下立山や三谷山など登る人によっていろいろな名が好き勝手にいわれている無名峰の不遇な山なのだ。なお、この山塊の最高点であるCa820地はすべてが滋賀県側となるようだ。 

     
 P812手前の広い稜線の右に写ってる棒きれ    棒切れの拡大、字は読めないほど消え

 また滋賀県側にあるCa820の最高点は厳密には3か所あるようだが、どうしても地形図の府県界上のP812が目につくために、この山塊はP812が一人歩きしているようだ。このピークの後の府県界尾根上はP812標示から北側への道がやや細くなるところもあるが、このあたりから周囲には自然林が多く出だしてきて気分が変わってくる。そして溝状に掘れた古道らしき道型が続くのだ。県境から登山道が京都府側の西南よりに方向を変えれば、ホオノキの大木であることを足元の落ち葉が知らせてくれ、そしてようやくシラキばかりの紅葉がチラホラと現れ出してくる。
 紅葉はまだまだしばらくかかるのだろう。目の先に日が射さないなか、緑色の葉のそばに面白い姿のシラキの若い果実が目に飛び込んできた。このシラキは低山では紅葉の一番手としてウルシ類とともに鮮やかに色をつけて喜ばせてくれる種なのだ。

     
 掘れた溝状の古道に朴の枯葉が散らばる シラキの若い果実   真っ赤に紅葉したシラキが見事

 そして鞍部であるコルあたりにもホオノキの裏返って白っぽく見える枯葉が一面に広がっている。その狭い鞍部からすぐ先にはモミノキの大木が君臨していた。この王様の木の左を西向きに緩やかに登り上げ、雑木林の中をしばらく楽しみながら歩くのだが、いかんせんどこまで歩いても紅葉はシラキ以外には出会えないのが悔やまれた。道は急登はなく、ほどなくポッと小広く分岐らしき雰囲気のところへ出た。ここが四差路のミタニ峠だ。昔は多分、三谷口からヒノコ、そして尾越方面への古道の三谷峠(11:05~25)であったのだろう。

     
 北山ではNo1の札ではなかろうか・・  ブナが立つ峠を今日は左の三谷へ 峠すぐ下の展望は絶品だが・・ 

 ここで、株別れしたブナを見ながら昼としよう。東南には琵琶湖が見える場所だが、本日は温かすぎて手前の山並み以外には見どころなしだったのが残念だった。そして、思い出すのは4年前はこれよりさらに西への展望のほとんどよくないナッチョを踏み、こんどは展望よしの天ケ岳北側の鉄塔展望台からいったん百井地蔵手前あたりの国道に出て、すぐ荒れのひどい百井谷へ降り、珍しいシダ類のコタニワタリをわざわざ観察した。そして延々と歩いて叡電鞍馬駅をゴールとするロング歩きを思いめぐらしていたのだった。

 さて、20分ほどで腰を上げ、今回はいつ歩いたのかすっかり忘れてしまったこの下の三谷を降ろう。ところが5分ほどで登りの男性一人がやってきた。「へ~、こんな時間からどんなルートどりですか・・?」と聞けば「ヒノコへ降りて南尾根から皆子山、そして東尾根から平です。」とのことだった。最後の東尾根以外ほとんどマイナー道ばかりだから相当山慣れた方なのであろう。お気をつけてと別れ、こちらは次第に荒れてくる谷筋を楽しみながらどんどん降だろう。

     
 太いウリハダカエデの樹皮も独特    三谷は雰囲気よしの谷あるも、荒れ谷多し

 そして赤いサンゴのような果軸がよく目立ち、青い空に向けて黒紫色の実をつけたミズキがたわわとなってすばらしい景色を見せてくれた。だが、あまりに高すぎて上手く撮れなかったのは悔しい。するとすぐ足元に苔むした丸太の柱が散乱していた。
 これが古いエアリアマップに表記ある「みさやま山岳会小屋」跡だろう。残念ながら、この山小屋についての情報はネットにおいてもヒットせず出てこないので詳しくは分からない。恐らく昭和の30年代あたりまでの小屋だったのだろうか。ここがいわゆる林道終点地だった。

 このあたりにはチドリノキ、オオバアサガラ、アカメガシワなど水を好む樹種が繁茂していた。さらに下れば丸い花芽をつけたダンコウバイや白い糸状の冬芽をぶら下げているキブシも目についた。足元の林道は近年北山の谷筋がどこでも大荒れ状態なのだが、ここも同じように舗装があちこち崩れたりしてまともに歩ける状態ではなくなっていた。
 でも、この状態も三谷第三橋あたりまで降りてくれば、掃き清められたほどきれいに重機が入って整備が終わったばかりのようであった。次第に集めた水の勢いは渓谷の自然の素晴らしさと思うようにしながら、単純な長い林道歩きに気を紛らわすかの如く峠から鎖のチェーンある三谷口(12.20)へ1時間ほどで到着だった。

 この後は暑い日ざしを受けながらの酷道歩きだがやむを得ない。そんななか気を紛らわすために道端のヨメナを見つけて写真を楽しもう。近寄ってルーペで見れば冠毛が見えなく、ノコンギクなどの野菊のほとんどが冠毛が長いために、これはノコンギクでなくてヨメナだよねと今日も単独行が楽しい一日となった。

     
 ヨメナの冠毛は0.5mmと無いに等しい    ふちには粗い鋸歯、3脈がやや目立つ

 さて、バスは小出石から大原までの区間は自由乗降のため、のんびりいこうとR367を歩き出す。でも、日の暑さに参ってしまい、やむなく大黒天あたりでギブアップとして木陰で長い間休ませてもらい、4人さんの下見歩きは順調にミタニ峠からナッチョへ歩いておられるのだろうかなどと思いながら、暑い中の休みだった。すぐ前の新田バス停(13:50)から国際会館へ帰ってきた。

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