比良伊藤新道より長池から森山岳’15.10/25 晴

 坊村-伊藤新道-白滝山-音羽池-長池-好展望地-森山岳-蓬莱山-ホッケ山-ホッケ谷右岸尾根-P735-JR蓬莱駅

 先日の武奈ケ岳の紅葉がもうひとつだったので、再度コースを変えて比良へ足を運んできた。今日は青天の日曜日のためにいつもの出町からは臨時バスが出た。珍しく平と新道足尾谷橋バス停で団体さんが大勢下車された。ひょっとして登山口は違うが両方とも皆子山へ登るのだろうか。残りはほとんどが坊村下車だから、武奈ケ岳へ向かうのだろう。

 当方はそのような団体でただ駄弁りながら人についていくだけの行動や、登山道を大勢行きかう人混みの中のような山歩きはまっぴらご免だ。人混みは出町柳までで充分なのだ。そんなことから坊村下車(8:45)で、一番にトイレを済ますと明王谷へととろう。ところが、バス下車ですごい北風に見舞われ、なんということだこの風は・・。まさか上の方は天候は大丈夫だろうかと心配になるほどの猛烈な寒風におののきながらのスタートとなった。

 明王谷は舗装路だが、それなりに坂も出てくる。それでも30分も歩かないうちにアスナロの木から降って、すぐに三の滝の前に佇むことになる。この滝は瀑布とまではいかないにしても、元気な轟音を響かせて、高い所からあたかも白い布を垂らしたように直下する水の流れは豪快でもあり、そして周りの木々の景色は優美だ。大自然の中のBGMを楽しむひと時が体内を勇気づけてくれるように思いながら、登りかえす途中に目に入ったアワブキは全くの日陰のなかに立つために、紅葉など関係ないような身づくろいで無頓着なのだろうか。。

 
三の滝

 さぁ、いよいよ伊藤新道出合だ。今回はここが山旅の始まりとなるのだが、このコースはワサビ谷の3分の2ほどをトコトン詰める沢沿い歩きが主だ。半時間もしないでワサビ大滝がある。だが、この滝はそんなに豪快さは感じない。大きなトチノキのザラザラの樹肌の古木を触って撫でて元気をもらい、その上すぐにも上流のワサビ天井滝が三段に落ちているが、やや水細く貧弱に思える。

     
 ワサビ大滝    ワサビ天井滝

 この谷に入ってからすぐで夫婦らしき二人連れを追い越し、大滝直前でも3人組の男性が道を譲ってくれた。多分、彼らはマイカー組だろう。「夫婦滝から坊村へ周回です。」と言っていたから、「夫婦滝へ行くと言って不明となっている方があるようだから、滑落など気をつけてね。」と挨拶し先を急いだ。

 その後は植林帯が出だし、道は細くそれこそ滑落したら終わりだな・・というような時間帯となる。でも、勝手しったる道だよねと左の武奈ケ岳を見ながら、ホイホイと一人っきりの白滝山山頂を踏んだ。強い北風にせっかくの紅葉も足元へ絨毯のような有様になってしまっているようだ。

 

 この短い稜線あたりのカエデたちの紅葉も数少なくボチボチだった。でも、降りになると紅葉は次第に好調になってきた。蓬莱山をバックに山の自然がうれしい。赤いハウチワカエデや淡赤褐色のヤマボウシの紅葉も美しい。そしてあたりの幼木のタンナサワフタギの独特な紅葉は、色違いの特異な黒っぽい暗黒色の葉となっていた。

     
 ハウチワカエデの紅葉 タンナサワフタギの独特な紅葉   淡赤褐色のヤマボウシ

 近くには真っ赤な大きな実を下向きにつけたツルリンドウが目についたが、他にこれまた赤い実のツルアリドオシの実も二つの目とこちらの目があった。それにリンドウの残り花もちらほら見られた。

 
 ツルリンドウの赤熟した実

 のんびり楽しみながら歩いていると、それでもオトワ池の標識が目に入ってきた。この池には満々と水があるのだ。だが、この後のルートには池だらけといいたいが、ここのオトワ池ほどきれいな水の風景は、他の池は用意に乏しい。でも、そこは紅葉で勝負しようと考えてくれているように見受けられる。最初の池は素どうりとしよう。

 
オトワ池

 次のカシラゴ池は乾燥化で水はほとんど見えないが次のスギヤ池は水 はあったが、ただ、看板が目につかないとこの二つの池は気がつかないだろうが素どうりだ。だが、この付近で一番大きな長池は前よりは水量が減って池というより湿原の雰囲気となっているようだ。そして周りの雰囲気がすばらしく、いつまでも腰を落として浸り切りたい場所と思えたのだが、まだまだ先は長い。それにしても長池を一周する「長池周遊コース」の標識も置いてあったが、近年では誰もそこまでしないようで、以前の道は消えたかのような状態となっていた。

     

 さて、この長池までは古い標識がちゃんとあって、踏み跡もあるのだが、この池より南への森山岳方面の歩きをスタートとしよう。なにせ本日のメイン歩きなのだから慎重に尾根を拾おう。そうはいっても原則南方向を目指せばよいのだから、そんなに難しい訳ではなかろう。

 

 なお、この後の森山岳あたりまでの文章は地形図を横に置いて読んでもらうと分かり易いだろうとの考えで書いている。まずは長池西側の高台のような斜面の南を見れば鉄塔が立っている。これが出発点とすれば、後は小ピークを地形図で確認しながら進もう。最初は鉄塔からCa970の一つ目の丘を越えれば、左手に地形図にも表記ある最初の無名の池が出現する。池を見ながら斜面を降りすぐにCa980の丘を越して降りると、また二つ目の池の出現である。
 ここの池には南から来た登山者が池の東側を歩くようで、踏み跡が伸びていた。また、地形図に表記ない池が一つ目の北東よりにも存在するが、そちらを進んだ場合には、その池は水が少なく落葉が多く堆積している場合があるので踏み込みは注意が必要だ。 

     
 一つ目の無名の池    二つ目の無名の池

 こちらは池の西側をすぐに登り上げてCa990へ上り、尾根芯をつたいながら、東へ振って登ればCa1030を踏む。なお、冬期のこの場所は好展望地のひとつでもあるのだが、今は雑木でそう見晴らしは利かない。この後も降って登るとCa1050を踏む。ここまで来れば目的のP1080森山岳の頭が前方に見えてくるだろう。その後もあくまで尾根芯を拾いながら降って行き、右側に谷が上がってきたところが小さなコルだ。ここからまた緩やかに登って行けば薄らとした踏み跡にぶつかるだろう。
 ここを右に行けば森山岳から西北に進んだ好展望地である。この地も森山岳と同じCa1080だから冬期でも水平道だから誰もがやってくる場所である。おまけに眼前のCa1030ではなく、この時期でも原っぱの高台で武奈ケ岳方面が眼前に広がってくれるすばらしい展望台なのである。

 
好展望地からの武奈ケ岳など

 すると右後ろ方面から賑やかな声が聞こえてきた。写真を撮って引き返し、こちらもいよいよ本日のお目当てである森山岳へ行こう。着けば(11:50~53)老若男女20人ほどのハイカーが賑やかにお弁当を広げていた。ゴンドラで上って来て、蓬莱山からここを踏み、後はオトワ池から打見山に戻り、またゴンドラで降りるのだろうと男性はいうが、そのいい方も心もとなく、他の人に確認しながら話すのを笑いながら聞いていた。これ以上は語らないでおこう・・・。

 
森山岳は樹林の中だ

 お昼に10分前だったが、こんな人混みの中での山頂はご免だとすぐに蓬莱山へと向かおう。ここからも東への滝平方向と南への蓬莱山方向にと二手に踏み跡があるが、こちらは当然南に向かう。だが、この山頂よりは多くのテープが下がっており、踏み跡は多いので当然地形図コンパスも森山岳好展望地でザックへ片づけは済んでいた。Ca1060を降って登り返しに入れば次第に足元にササが出だしてきた。だが、この笹薮もよく分かる踏み跡が続き悩むこともなくなっている。途中には左の北向きに武奈やコヤマノ岳の山並みの手前には、低い尾根が長いように見えるがその真ん中がさっきいた森山岳だ。これまた好展望地であるが好天気のお蔭なのはもちろんだ。。


手前尾根の真ん中が森山岳の頭だが・・

 以前はこのササが背丈近くもある猛烈な笹薮ブッシュだったが、今はその面影もなく、すいすいと歩けて森山岳から半時間ほどでフェンス切れ目から入って日本300名山の蓬莱山1174.2mの1等三角点(12:20~50)にタッチでご挨拶を終えた。

 
蓬莱山の三角点地

 もちろん、好天の中の観光客も多いが、ハイカーの姿がいつになく目につく。余りの強風下の寒さで、山の神休憩所に入って食べようと降りると、若者二人がドアの前に座って通せんぼして食べている。「ご免、入らせて」と声かけると、「ダメでしょう。ここに人が入ったら・・」と答える。聞けば彼らはチャレンジ比良の300人からのイベント日だったようでの参加者だった。
 それを聞いて、どうやらこの建物は神様だけの神社ではなく、非常時の山の神休憩所としても使われていることを知らない若者と分かった。「ここは入って休ませてもらっても大丈夫だよ」と話して中へ入り寒さをしのいで昼食を取ることができやれやれであった。「僕たちはゴンドラで降りる」とのことで、「栗原から登ってきて、ここまでクタクタですワ」とのこと。でも山慣れない青年は明るさいっぱいで「一年に1回などといわないで月に一度くらいは山歩きしないとネ」などと言葉を交わして後にした。

 下山の我が道はホッケ山から尾根筋をとるのだが、縦走路はこれがまた大変なチャレンジ比良の参加者の上ってくる人たちとの交差となった。でも挨拶を交わしながらドンドンと進もう。小女郎ケ池はパスし、それでもホッケ山には蓬莱山頂から25分で着いた。
 そしていつものホッケ谷右岸尾根を降っていこう。ここのルートは最初は深く掘れた快適古道がP735のすぐ下のホッケ谷への左折点まで続いている。途中後半に二ヶ所の大木の倒木が邪魔をするが、今ではその場所を右側に回り込んで降りればたやすくなっている。

 そしてP735から5分ほど降れば植林から雑木林へ切り替わる場所に突き当たり、以前はここからが迷路地となっていたのだ。でも今では踏み跡もでき積雪期でなく、雪のないこの時期ならば道迷いはまず大丈夫だろう。そして南への尾根に乗換え、Ca490あたりに立つ「北浜県営林」の看板地(14:16~20)で最後の一本を立てよう。

 
「北浜県営林」の看板地 

 さらに100mほど降りれば同じ看板だが、このあたりで下を見下ろすと林道が見え隠れして下山口(14:24)である林道に降り立つ。この後は左へいつものコースどりである。すぐの分岐を右へとりしばらく進めば、雄株のないのに実がつくという、何ともミステリアスな木として知られるヤマコウバシ(クスノキ科)の黒熟する果実を確認しよう。

 
ヤマコウバシの黒い果実

 下山口からほぼ1時間の林道歩きでJR蓬莱駅(15:13~45)へ着いた。本日は約16kmを6時間半の山旅だった。JR湖西線は強風時にはすぐに運転遅れが発生するのだが、まさに本日はその余波を受け半時間も待たされてしまった。(ヤレヤレ~)、帰宅後夜のニュースでは東京、関西地方では本日「木枯らし1号」が吹き荒れて、冬の近いことを知らせていた。

ホームヘ