京都北山 狼峠から魚谷山 ’15.11.11 晴

 岩屋橋-祖父谷林道-狼峠-P831-マホラ谷-魚谷峠-魚谷山-柳谷峠-Ca820シラクラの頭-芹生峠分岐-P760-滝谷峠-奥貴船橋-貴船口

 北大路からの多くの客で遅れたもくもく号下車(9:20)で、雲ケ畑の岩屋橋洛雲荘あたりは錦秋の本番のようだ。30人ほどの客の半分が観光らしい。残りの15人の登山者はそれぞれ思い思いの登山口下車だ。こちらはこれから長い祖父谷林道歩きが始まるので、ゆっくり紅葉を眺める暇はない。

 
雲ケ畑の岩屋橋洛雲荘あたり

 もくもくどんどん歩いて林道ゲート地を過ぎると狼峠渡渉地は近い。なんとか1時間(9:15)で、晩夏にはオタカラコウが咲くあたりの小さな沢を渡って崩れた林道を上がり、10分ですぐに狼峠だ。これよりほぼ稜線歩きの開始である。鉄塔までにはススキたなびく先の右手に、桟敷ケ岳も見えている。あの頂も路線バス廃止後は時間合わずとなって、しばらくご無沙汰なために目に入れば、また登りたくなるのはいつものことだ。考えよう!、いや、待てヨ、あの山にはヤマシャクヤク以外は見どころ薄く、あまり気乗りはしない山なのだが・・

     
 小さな沢を渡渉して崩壊ひどい林道を登る  崩落林道を上がれば杉林に狼峠 左奥は愛宕、中央が鉄塔地で右が桟敷ケ岳 

 最初の部分だけわずかに植林地を辛抱すれば、後はずっと雑木林の心地よい稜線歩きが続くのだ。しかし、あまり珍しい樹木が目につかないのが残念だ。P831を過ぎると小さなアップダウンを繰り返していく。そして黄色の手のこった道標が目に入ると、すぐに急な坂下りで、黄色い標識から10分そこそこでまほら谷だ。このコース一番の気持ちよき山狭の谷あいである。

     
 P831標識は高い地にあり 黄色の標識はよく目につき、この先をすぐ右折  まほら谷の標識は鞍部にある 

 あまりに茫然と我を忘れてまったくの無心で身をおいていた。そして振り向いて東から南へ切りかえしてゆるやかに登っていこう。この一帯が初めての登山者には辛い迷点となろう。でも肝心の写真を忘れたのに気つくのが遅かった。登って南へ歩きだしてから、しまったと気のつく有様だった。これもやはり道間違いをしないようにとの思いからだろうか・・。

 後はよく踏まれた道を魚谷峠へととるばかりだ。やがて右下に才梅谷林道が見えだすと魚谷峠は近い。峠の風景はいつもの変わらない姿で待ってくれていた。しかし、そんなに風情があるわけでもなく、休まずに山頂へ上がろう。8分後には魚谷山(816.2m)だ(11:34~40)が、もくもく号で同乗していた6人組は、松尾谷分岐の南尾根から登るといっていたのだが、未着のようで寒々とした風に追い立てられて、すぐに穏やかな谷あいの柳谷峠へ降っていこう。

 
魚谷山山頂の紅葉は落葉となって

 この柳谷峠も風情あるのだが、残念ながら紅葉はほとんど終わっているようだった。できれば今後はまほら谷と柳谷峠あたりの紅葉に照準を合わせた歩きを考えたいものだと思うのだったが・・・。今日のこの後は芹生峠分岐への尾根道を歩こうと、のそのそとアセビの中を緩やかに登っていった。


柳谷峠 

 町界尾根のCa820あたりから東にふって稜線漫歩の歩きが楽しい。やがて足元には可愛い林檎の実のようなのがいっぱい散乱していた。今年もここでオオウラジロノキ(バラ科)の果実に出合えた喜びは筆舌に尽くしがたい。後何年、ここでのこの実を見る歩きが続けられるのだろうか。









 
   
 オオウラジロノキの果実   樹木は10~15mの高木になるが 

 しかし、この後でも期待していた山の幸には巡りあえなかったのが残念だった。おそらく先客がいたのだろう。今年はどうしたことかキノコのお土産に出会えない。いや、あるにはあっても贅沢になってしまい、乾きかけた個体ばかりでお土産には手が向かないのだった。

 こんな遊びながらの歩きだったが、芹生峠が真下あたりに見える所までやってきた。北東側には花背峠の天狗杉、奥にはドコモの紅白の鉄塔も目印となっている。京の四条大橋からも見えるこの巨大な鉄塔の左側奥に座っている山は比良の蓬莱山だ。積雪期には真っ白に冠雪する蓬莱山が煌びやかに見え、ここからの展望が冬期のお目当てとなって足を運ぶことになる景色なのだ。

 
中央あたりに左の奥に蓬莱山、黒いのが天狗杉、その奥には巨大鉄塔

 こうして、下に芹生峠を見下ろすと峠の分岐だが、今日はここは下りずにそのまま南へとり、やがてP760が近くなってくれば一本杉が目に入り、その奥には愛宕山塊が尾根を広げているのも分かって嬉しくなる。ここまでくれば気分は帰ってきた感じになってしまうほど何度来たのか数えきれない。この760ピークで目と鼻の先の魚谷山の頭を見て、その山肌の大紅葉を眺めながら、遅めのお昼としよう。(12:40~13:00)

 

 食べた後は赤い果実をうろうろすると、カナクギノキ、アオハダがわんさかと大豊作の実成りであり、そばにはもうほとんど実がなくなったカマツカ(バラ科)があり、この枝にP760の標識が下がっていた。でも、ここではこれらの花の開花を目にした記憶がない。どうやら、4月~5月には細ケ谷中心のために、この一帯には踏み入れていないようだ。来年は梅雨入り前にはどうしても再訪の必要がありそうだ。

     
 カナクギノキ(クスノキ科)   アオハダ(モチノキ科)高木をズームで

 こうして、腰をあげ滝谷峠へ降ろう。その峠には「魚谷山は遠いですか・・?」と尋ねる10人ばかりのハイクの人がおり、山中で本日初めて人に会い、質問ありのために口を開くことにした。どうやら、「二ノ瀬駅から今着いた」とのことで、腕を覗くと13時半近くなっている。「え~これから行くの・・?」、と聞けば、「行きません、ここから右折します。」との返事だ。「僕も滝谷を降りるんですが、でも、この時間に魚谷山へ向かうのは無理でしょう、それより右折し滝谷を下山するのは大丈夫ですか・・?、道知ってはるんですか、少々荒れてますヨ、来た道を帰ったほうがいいのじゃないですか!」、といらぬお節介だったが言ってしまった。

 だって、見るからに質問内容や、その他のメンバーの様子を見ると、二ノ瀬からこの峠までで精一杯の感じだったのだ。ところが、それまで口をきいていない男性が「道は知ってますよ!」、といきなり強い口調で答えがあり、それを聞いたリーダーらしき女性が、あたりの雰囲気を感じたのか、場をとりなすように、「お宅は先にスタートしてください、私たちはもう少しここで休んでから降りますから・・」とやんわり言われたので、ほんとうは安全面から一緒に面倒を見ながらとしようと思ったのだったが、「そうですか、滑落などないように十分注意してくださいヨ」と答えて先にスタートした。

     
 振り返って撮るが最初の注意箇所    二つ目は手前の白い部分が滑り易いし・・

 相変わらず、滝谷コースの道は整備がなされていないために、か細い道で初心者は避けるべきだろうと思いながら、谷の謂れの小さな滝を左に見ながら、滝谷峠より奥貴船橋へ半時間足らずで着き、後は貴船のバス停(14:15~26)まで観光気分でチンタラ歩きだった。


5mほどの小さな滝だがいつも水は元気

 今日の紅葉は相対的にほとんど終盤となっていた感じだった。思えば紅葉の見ごろは短期間だなとの思いである。それより、満員の叡山電車につり革を握ったまま、それにしてもあのメンバーの方々は滝谷を無事に下山されたのだろうか。互いの番号も名前も聞かなかったので、確認のしょうもないのだが、新聞沙汰にならないことを祈るばかりだと思いながら、出町柳駅まで放心状態で帰ってきた。

 本日は岩屋橋から貴船バス停まで5時間ばかりの歩きとなったが、途中ほとんど足が止まるほど見るべきものも少なく、やや足は速かったようだ。。

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