京都西山 ’15.11.24 曇り
立石橋-柳谷観音-大沢-川久保尾根大杉-最上部谷筋-ポンポ山-釈迦岳-西山キャンプ場-立石橋 |
今年の自然界の山歩きの中での紅葉は時季早晩だったようで、いつもの調子で出かければ、すっかり見ごろを過ぎてしまっている状況のようでした。これは温暖化現象が一層進んでいるのではとの思いですが、それらが大きく影響しているのではないでしょうか。今夏のゲリラ夕立や、かといって今度は10月などほとんど雨降らずの天候あたりが、紅葉が早くなりすぎた原因ではないでしょうか。
そんな紅葉狩りを承知の助で、いつもの裏山散策としましょうと、お天気もすぐれない日なのに向かいます。紅葉もいいのですが、でも、こちらのお目当ては樹木観察が楽しみです。本日は8時から16時までの8時間にもおよぶ徘徊のお蔭でいろいろな果実などが楽しめたのでした。
最初は京都西山三山(西国札所20番善峰寺に粟生の光明寺と今回の寺)の中で、唯一のフリーがうれしい柳谷観音楊谷寺でした。もちろん、見ごろはとっくに過ぎ去っていたのでしたが、ゆったりと早めの昼食でのんびりさせていただけました。なお、一昨年(11/28)には実に見事な紅葉が見られましたが、こちらからご覧ください。
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では、樹木観察で見られた樹種のようすをご覧いただきましょう。まず最初は咲き初めのヤブツバキ(ツバキ科)です。
![]() これほど淡い色合いはお初で~ |
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![]() 早くも落下花も見られ |
ヤブツバキの花は普通は花色が赤色をつけるのですが、まれに淡紅色や白色を咲かすこともあるようです。咲いていました!、このように淡紅色のヤブツバキに出会えました。ほんと、きれいですね~~。思わず最初に撮ったいつも見る赤色の画像を削除してしまいました。
ところで、この種には東北地方から北陸地方の日本海側で多雪地帯に多いユキツバキという近縁種もあります。相違点の分かり易い見分け方では、葉を日に透かして葉脈が見えるのがユキツバキです。ようは葉の厚さがヤブツバキより薄いからです。
なお、両者の分布が接する地域では、両者の中間型がユキバタツバキといわれ、それにヤブツバキやユキツバキも咲いています。これは奥滋賀の余呉方面へスノーシュー遊びに向かえば会うことができます。特にヤブツバキの白花にも出会うことがあります。
さて、次はタマミズキ(モチノキ科)です。晩秋から年末にかけての山歩きの中で、葉を落とした後に真っ赤な果実をいっぱいつけるタマミズキに出合えば、どなたでもあれ何・・?、とのびっくり声が出ることでしょう。ところが、この種は高木で15mくらいにもなりそうなデカい樹木です。
そのようなことから、ほとんど葉や果実を手に取って見たり撮ったりは容易ではない樹木なのです。今回も二ヶ所ともデカすぎて、木の直下あたりの落葉と落ちた実を広い集めたり、近づけない個体にはズームでしか撮りようがありませんでした。なお、この種は関東方面にはなく、西日本での自生が見られるようです。
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葉は桜類に似る。白っぽい1枚だけ葉裏 | 成長早い樹で背は高く、遠くてズームで | 大木の雄株で樹皮は皮目が目立つ | 果実は3mmと小さく、数多くこの時期目立つ |
途中、早尾神社付近の大沢の大杉にも立ち寄ってみました。これもデカい杉です。樹齢推定800年、幹まわり約6.7mで、樹高も約20mと桁外れの樹木ですが、杉林の中にポツンと座っているかのようでした。下部は枯れたように写っていますが、空を見上げれば元気に枝へ葉を茂らせているようにかすかに見えました。
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大沢の天然記念物の杉 | 大沢の氏神様、早尾神社 |
他にもいろいろと観察できました。
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アリドオシ(アカネ科) | クロソヨゴ(モチノキ科) | ムラサキシキブ(クマツヅラ科) | ヤブムラサキ(同左) |
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ヤマコウバシ(クスノキ科) | 冬芽、カナクギノキ(クスノキ科) | 冬芽、クロモジ(クスノキ科) | 冬芽、カマツカ(バラ科) |
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イヌブナ(ブナ科)の樹皮と枯葉 | 落葉、アワブキ(アワブキ科) | 落葉、ケケンポナシ(クロウメモドキ科) | ヒノキバヤドリギ(ヤドリギ科) |
最後に時忘れのコバノミツバツツジが見られましたが、その株にひと花だけではなく、ほとんどの花が満開となっていたのには驚きでした。なお、時忘れ花は他にシハイスミレもひと花だけ見られました。
また、山野草もわずかに見られました。
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ナルトサワギク(キク科)外来種 | ヒメジョオン(キク科)中実 | キッコウハグマ(キク科)閉鎖花 | ツルアリドオシ(アカネ科)実に2花あと | ヒヨドリジョウゴ(ナス科)茎に毛 |