京都北山 花折れ峠からナッチョ ’15.11.29 晴のち曇り

 花折峠-西折立山-P812-ミタニ峠-ナッチョ-百井分岐-ナッチョ下山口-小出石-大原バス停

 今月の最終回の山歩きは手ごろなハイクのナッチョとしよう。しばらくこの山の新雪時から遠ざかっているし、壊れた鹿除け網柵あたりで道が分かり難いとの声もあったりするため、ルートの状況確認も兼ねよう。京都バスで花折峠口(8:30)下車で、花折峠までの標高差120mが舗装路だが、これが結構な汗である。峠の電気設備の人工物が見えてくれば右側に流れは太くはないが、湧水が出ているのでいつかこの水利用のテント歩きも考えたいが、コース的には適当なルートが思いつかない。

 峠の電柱の「矢印と三谷峠」の標示が薄くなっているのを前回見ていたので、今回はマジック持参で上からなぞってからスタートであった。今日のコースは標高差がわずかだから歩きはいとも容易である。京都の北山では有名なきれいでシンプルな足跡さんの小さな標示板によく出会うのだが、このコースでも地形図の中で表記ある標高、それに峠名や山名等の表記のその位置を確認しながら歩くこととしよう。

 今回のコースにはその標示は624・762・812・ミタニ峠・ナッチョの計5個の標示が下がっているはずだ。表示板製作者のその方はこのように山歩きの都度、事前準備してから歩るかれているのだろう。標示板もブルーでPの字を、標高は分かり易いレッドである。
 そして、標示板の仕上げに最後はその板にニスがかけらているようだし、木への取りつけも余裕を持った長さできれいに取りつけられている。なかなか手の込んだ仕上げのその標示板は立派な代物だ。これほど手のかかることを方々の山々用に準備されているようだが、頭の下がる思いで、この標示に出会う度に感謝の気持ちが何時も湧いてくるのだ。この場より「ありがとうございます」とお礼を言わせていただこう。。

 
P812の位置は府県境界上 

 確認しながら、やっぱり5か所にその標示はあった。念のために標高のみを撮ってきたが一つだけ貼ろう。。

 こうして、最高峰の「西折立山」を踏んで、西へ進めば県界尾根が北への降りにかかる直前に、P812の小さな標示(↑画像)がリョウブの木より下がっていた。この後は下り気味に細い道の地形図上の県界標示通りに進み、少し先で境界を離れ西へ折れるように進めば道はⅤ字溝となってどんどん下がり、ホウノキの落ち葉が散乱している二ヶ所目がまたしてもホウノキ立つコルだ。
 そこをわずかに西へ進めば大木のモミノキが立ち、その左を踏んで緩やかに登って進めばミタニ峠に到着(10:12)する。ただ、花折峠よりミタニ峠までの積雪期でも、雪が多くて道型消えるような状態が心配な箇所は県界尾根を北へと降り北西方向へ進んで行き、Ca770あたりが西への分岐点となるあたりまでの短い区間が、道細きということで雪山時の注意箇所とみれば他は大丈夫だろう。


 さて、ミタニ峠ここは格好のお休み処だろう。南北の道が古道で、東西は現代の登山者用だろう。これで四差路となっている。ここに立派なブナが立っているのだが、そのブナは株別れしているのが珍しい。普通株別れするのはイヌブナのはずだが、これは木の肌から見ればれっきとした本ブナ(白ブナともいう)である。それに対してイヌブナは黒ブナともいい、樹皮に皮目が目だって多く、それで木肌がやや黒っぽく見えることから黒ブナといわれる所以でもある。

 さぁ、この後のナッチョへの道はほぼ南西へ緩やかに登りながら進もう。ところが、ミタニ峠のここまでと違い、ここからの道はアセビなどの小潅木が登山道沿いに多く、積雪期には道が消える可能性高く、ロストの可能性が低くはなさそうだ。無雪期の現在はしっかり踏み跡ありで、踏み跡が分岐した箇所でも地形図を広げ、コンパスを合わせれば自らの進行方向は読め、道迷いとはならないはずだが・・・。

 そうはいっても、無雪期に間違う方もあるらしいのだが、ほぼ稜線まで上がり、黄色い虎テープが左側についている所へ向かい、壊れて用をなしていない鹿柵用の網の壊れた入口さえ、うまく捉えれば大丈夫だと思われる。その網へ入ってすぐ右折し網沿いに進むと、また20mもしないで直角に右折地点(この地は直進は谷へ降りてしまうのでどなたでも右折することになろう)から緩く登ることになる。
 その後すぐで、直進で上る道と左折への細いトラバース道が分かれるのだが、直進はCa800の小ピークへの、初めての人が間違ってつけた足跡であり、正しくは分岐を左折してから網柵沿いに向かうための細い道が正解である。要はここの間違った道のある分岐点を左(南西)へ進めば、後は鹿柵沿いを進めばよい。
 さらにいうのなら、上の説明のしっかりした踏み跡を直進して上がった場合は、このあたりで北西方向に登ることはないのだと思いだしてもらい、来た先ほどの分岐まで降りて今度は鋭角に右折しよう。その後もほとんど壊れてしまっている網柵沿いに歩きたい。その後また網柵から離れる箇所もあるが、その時にはトラバースの細い道を進むことを覚えておけばまた網沿いに進めることになるのだ。

 こうして、ほとんど稜線に続く鹿除け柵沿いから自然林に変わって進み、踏み跡どうり南西方角に進むと、前方にピークが樹間の中に見え、短いがややきつい登りが出てくれば、ナッチョの山頂は近い。その頂は登り上げた最初の方が広くて、最後が3等三角点が埋まるそこがナッチョの憩いの広場となっている。
 ここにも山名札がいろいろと下がって賑やかだ。もちろん、先のあの北山で多い標示板も手の届かないほど高いところへ下がっていた。そして、ナッチョとともに天ケ森という板は相当古くなっている。今では京都人はほとんどナッチョの山名が通りがいいように思われる。そして、大原の里10名山にもナッチョは名を連ねているようで、その標示板はひときわ目につき易い。

 日曜日というのに誰もいないここで、東方向の琵琶湖を眺めながら私もようやくにして早めの大休止(10:55~11:25)としよう。さて、この山頂ではこれまでからほとんど人に出会うことはまれな山と言っていいだろう。なぜか、不遇な山のひとつのようだ。思えば、S社の山と高原地図でこそ、登山道は実線表記なのだが、北山関係の地形図では雲取山と同じで、ここも取り上げられていない。
 もちろん、本日の花折峠からミタニ峠までも地形図には表記がない。でも、京都の岳人にとっては古くからの山であって歩けない人はおそらくいないだろう。しかし、大阪、神戸方面の遠方の方たちでは歩いている人は多くはないのだろうか。一度はこの山域にも入って、ほんとうに静かな山歩きの醍醐味が味わえることを知ってほしいものだ。

 
 京都大原里づくり協会の標示板

 琵琶湖を眺めながら珍しく長めのお昼としてたのだ。この後は、いつもであれば百井から天ケ岳へ向かい、大原か鞍馬へ下山しているのだが、今回はちょっと短めコースの小出石へ降りよう。というのもこの降りコースでの見どころは、楽しめるものはほとんど何もないと思っているからだ。でも遠方組のパーティーであればこのコース取りが時間的にも丁度よいかもしれないだろう。

 もちろん、この下山コースは山頂から2~3分降りれば南東への分岐が目に入るハズだ。この場所には右側に白地に黒い字で百井方面の指導標がコナラの木につけられている場所で、そこを直進でなく踏み跡どうりに左折するのが、小出石バス停への下山ルートである。ただ、その旨の記述はない。
 ここさえ間違わなければ大丈夫だろう。ただ、もう一つ、この分岐から3~4分でNo227の白く見えるポールが立っている所が正しい道だと再確認したい場所だ。これ以外に下山口までテープ以外に字句の書かれた標示物は皆無であることも知っておきたい。

 
 最初の道案内のここを左折する

 いずれにしても、コースは下り一辺倒の尾根やら巻道、それにV溝道などでそれも長い道である。でも、道は一本道で分岐はないため、その点では安心して歩ける。だが、最後のちょっとした岩場にはロープありの箇所だけは慎重に降りたい。そこの橋を渡れば下山口は5分ほどと近い。

 結局本日も誰一人とも合わない静かな山行で、下山口(12:13~16)から小出石バス停(12:26)に帰ってきたが、1時間半ほどもバス時刻が合わず、またしても大原バス停(13:09~10)まで歩いてしまった。ただ、前回の三谷口へ下山した時に歩いた、車がビュンビュン走る国道367号ではなく、そのバイパス完成後は、ほとんど車や人の姿もなさそうな、これぞ静かな大原の里歩きの旧敦賀街道を、バス停まで自然観察しながら歩け、苦痛感は全くなく歩けた。最後に本日歩きながら観察した植物たちについてもふれておこう。

 ヤマコウバシ(クスノキ科)は紅葉が終わっても、長く春ころまでそのまま落ちずに冬を越すことはよく知られている。しかし、そのような状態の樹種は他にもあり、特にブナ科の仲間たちのイヌブナ、クヌギなどもそんな状態がまま目につくことがあるが、今日もイヌブナが紅葉後でもまだ葉を落とさずに見られた。

 この他にもいろいろな樹木が目についたが、ダンコウバイ(クスノキ科)とコマユミ(ニシキギ科)を取りあげよう。まずダンコウバイだが、近縁種にアブラチャンがよく知られている。それは早春の頃のまだ枯野広がる山歩きの頃に鮮やかな黄色い花が両種ともに見事なことだ。もちろん、遠目にその黄色花を見ただけでは、どちらの種か同定はほとんど無理なほど、花そのものが酷似するのだ。
 でも、晩秋のこの頃は葉を楽しみたいが、両種の葉の相違点もまた面白い。特にダンコウバイの葉の上部がふつうは三浅裂する特異な姿を見せることだ。さらに言えばこの葉の姿に間違われやすいシロモジも三つに割れる葉として知られる。早春の山歩きでダンコウバイ、アブラチャンの両種の花に出会うのも楽しいのだが、今は是非とも葉の様子を見て楽しんでほしい。

 続いてコマユミだが、こちらはマユミが一般的に知られているが、このコマユミはややマイナーな樹木だろう。というのは個体数がマユミに比べ圧倒的に少ないと私的には思っている。コマユミの果実は裂開すると面白い姿になるところが、一度目にすれば忘れなくなる理由ではなかろうか。

 ホームヘ