タイトル『つかめぬもの』
作・もげら
「こんな時間までどこにいっておった!」
しゃがれた、しかし張りのある声が大きく響き渡った。
「こんな時間までふらふらしてると“ほおずき”に連れて行かれちまうぞ」
そういわれて彼女=まだ年端もいかぬ小さな子だが=は首をかしげながらこう問い返した。
「ほおずき?」
「そう、“ほおずき”だ」
「こわいの?」
「んだ。昔、“ほおずき”に連れて行かれた子供をじっちゃんは知ってるだ」
老人は目を細めてどこか遠くを見つめる。
「なんで、つれれていかれちゃたの?」
何気なく問い返すその言葉に、老人は一瞬考え込んだかのように=なにか思いあたるのか=目を閉じ、そしてゆっくりと言葉を絞り出した。
「寂しいのかも・・・しれんな」
「え?じゃぁ、わたしが」
その言葉が紡がれるより早く、遮る。
「人と妖が交わることは許されんのじゃ!」
「・・・」
「そう、けしてな」
老人はそれっきり口を噤み、またどこか遠くを見やるようにぼんやりと定まらない視線を中に投げてしまった。
それは今も昔の物語・・・
〜あとがき〜
さて、何となく昔話風の一コマを想像しながら書き上げてみましたがいかがだったでしょうか?
長い話書くのは苦手だけどこれぐらいならなんとかなるかな?
まぁ、締めが非常に強引な気もしますがこれは勘弁してくださいorz
私にはこれ以上は無理!
タイトルは つかめぬもの=正体不明 ということで。
闇の妖怪らしく、人には判別不能。
赤い目だけが暗闇から見えててそれが“ほおずき”って呼ばれてる理由という設定。
一般の人間からの視点で見た話という設定なのでどこか違和感があるかもしれませんが、逆にそれを狙ったのでうまくそれが出ていてくれていればいいかな。